実践演習 数列系

答案の趣旨を読み取る【他人の答案を説明する力】【2013年度 佐賀大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

他人の答案の趣旨を説明するという、多くの人にとっては目新しく感じる問いかけでしょう。

本問は2013年度佐賀大学の文化教育学部の問題ですが、教員としての説明力や様々な解答を理解する力が問われており、問題を解くのとは別の部分の脳みそを使います。

「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」

を謳い文句とする新課程、共通テストが好みそうな出題の仕方です。

個人的に新課程、共通テストに対して言いたいことは多々ありますが、ここだと話が逸れるので、然るべき機会に然るべき形で発信していきたいと思います。

さて、本問についてです。

(以下ネタバレ注意)

 

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本問を普通に解くと

\(n^{2} \leq 11 \lt (n+1)^{2}\)

を満たす整数 \(n\) を探すわけです。

つまり、\(11\) を平方数で挟みにいくわけです。

奇数を引いていくことと、平方数を結びつけるとなると

奇数の和は平方数

\(1+3+5+\cdots+(2n-1)=n^{2}\)

という事実がインスピレーションできるでしょうか。

奇数の和が平方数ということは、ある程度常識化しておきたい事実です。

ぶっちゃけると、

「この答案を理解して書けるぐらいの実力があれば、この子は普通に解けるだろ。反抗期か?」

と思いましたが、舞台設定に突っ込んでもしょうがありません。

別に本問そのものをディスってはいません(むしろ本問はいい問題だと思います)ので、誤解しないでくださいね。

解答はコチラ

オマケ:本問の[答案]を反面教師に

流石に本問のような極端な答案は多くはないですが、仕事柄「なんじゃ、この答案」という答案に出くわすことはよくあります。

せっかくなので、採点者側の目線も踏まえた意見を述べたいと思います。

採点者の好意の解釈に期待してはいけない

理由説明の行間が大きく、採点者が好意で

「この子はこういうつもりで書いたんだろうな」

と好意の解釈をはさむことは公平性を欠きます。

まともな採点者であれば好意の解釈はしないのが普通であり、逆に言えば読み手に考えさせる答案はマズイわけです。

採点基準にもよるため、明言することはできませんが、基本的に採点者の好意の解釈に期待してはいけないと考えるべきでしょう。

あなたの答案を採点するのは、あなたが見たことも会ったこともない人

普段高校生の皆さんが学校で受ける考査においては、教員は生徒のある程度の実態を把握しています。

「あぁ、この子は分かっているな」

「この子、ここまで考えてこの答案書いたわけじゃないな」

というような多少の先入観をもってしまっています。

もちろん、多くの先生方は不公平がないように採点はしているでしょうけど。

一方で入試の採点において、あなたの答案を採点するのはあなたが見たことも会ったこともない人です。

採点者はあなたの数学力など知りません。

だからこそ、「この子はこういうつもりで書いたのだろう」という先ほどの好意的解釈を挟むわけにはいかないのです。

そして、「私はこういうつもりで書いたんですよ、部分点くれませんか」と口を添えることもできません。

試験場での優先順位

省略しすぎると飛躍が大きくなるし、丁寧に描きすぎると今度は時間を失うわけです。

必要十分な説明をする力や記述力が理想です。

しかし、それは一朝一夕には身に付きません。

普段から「伝わるように」と意識をもって記述することが、無意識に出来るレベルを目指して頑張るのが理想です。

時間の限られた試験場では優先順位をつけるとしたら、まずは結論まで辿り着くことでしょう。

ただ、その際でも、「あなたの答案は他人に読んでいただくもの」ということだけは忘れてはいけません。

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