実践演習 数列系

等差中項に関する論証【2005年度 三重大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

等差中項に関する論証問題です。

本問はヒントなんだけど、ヒントになりすぎない絶妙な誘導が付いており、入試問題としてはよく練られた設計です。

(以下ネタバレ注意)

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(1) について

一般に

  • \(a\) ,  \(b\) ,  \(c\)  がこの順に等差数列である
  • \(2b=a+c\)

ということは同値

ということが言えます。

このとき、\(b\) を \(a\) ,  \(c\) の等差中項と言います。

証明

\(a\) ,  \(b\) ,  \(c\)  がこの順に等差数列である

\(\Leftrightarrow\)

\(b-a=c-b\)

\(\Leftrightarrow\)

\(2b=a+c\)

本問においては

\(2r^{2}=1+r^{3}\)

ということが言えます。

これを整理すると

\(r^{3}-2r^{2}+1=0\)

となり、これは

\((r-1)(r^{2}-r-1)=0\)

と因数分解できます。

\(r \neq 1\) ,  \(r \gt 0\) であることに注意すれば

\(r=\displaystyle \frac{1 + \sqrt{5}}{2}\)

ということになります。

(1) の後半について

  • \(r=\displaystyle \frac{1+\sqrt{5}}{2}\)
  • \(r^{2}=\displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2}\)

です。

\(2 \lt \sqrt{5} \lt 3\) であるため、

\(\displaystyle \frac{1+\sqrt{5}}{2} \lt \displaystyle \frac{1+3}{2} \lt \displaystyle \frac{3+\sqrt{5}}{2}\)

すなわち

\(r \lt 2 \lt r^{2}\)

が成り立ちます。

(2) について

今回示すべき主張は「等差数列にならない」という否定的な命題であるため、

背理法

を睨むのが自然でしょう。

本問においては

\(1\) ,  \(r^{m}\) ,  \(r^{m+2}\) がこの順に等差数列になる

と仮定します。

このとき、等差中項の関係式から

\(2r^{m}=1+r^{m+2}\)

が成り立ちます。

これより、

\(r^{m}(2-r^{2})=1\)

ということが言えますが、もうおかしなことが起こっています。

(1) の後半の結果から

\(2-r^{2} \lt 0\)

ということになるため、

左辺は負の値だが、右辺は正の値

となって矛盾します。

(3) について

  • \(1\) ,  \(r^{2}\) ,  \(r^{3}\) は等差数列になる
  • \(1\) ,  \(r^{m}\) ,  \(r^{m+2}\) は等差数列にならない

ということを考え、

  • \(1\) ,  \(r^{m}\) ,  \(r^{m+k}\) が等差数列になるとしたら \(k=1\) しかあり得ないんじゃないか?

と睨めればしめたものです。

もし、\(1\) ,  \(r^{m}\) ,  \(r^{m+k}\) がこの順に等差数列であるならば、等差中項の関係式から

\(2r^{m}=1+r^{m+k}\)

という関係式が成り立ちます。

このとき、

\(r^{m}(2-r^{k})=1\)

ということになります。

(2) と同様の着眼点で両辺の符号に注目すると

\(r^{k} \lt 2\)

ですから、これを満たす自然数 \(k\) は \(k=1\) に限られることになります。

ここまでできれば、あとは

\(r^{m}=\displaystyle \frac{1}{2-r}\)

という等式から \(m\) を求めにいけばよいでしょう。

ココに注意

「\(r\) ,  \(m\) という2文字に対して式が一つしかありません」

とか変なことを言わないでくださいね。

\(r\) は便宜上文字で表されているだけであり、実際のところ

\(r=\displaystyle \frac{1+\sqrt{5}}{2}\)

というように、\(r\) は具体的な数字です。

\(r^{m}=\cdots=\cdots\)

と計算していき、最終的に

\(r^{m}=r^{2}\)

ということができれば、\(m=2\) ,  \(n=3\) という値の組が求まります。

証明問題なので

  • \(r^{m}=\cdots=\cdots=r^{2}\) という形でまとまるはずだ

という気持ちで計算していきましょう。

今回、

  • \(n=m+k\) という形で見ることができたかどうか

という部分が急所でしょう。

\(m \lt n\) であるときに、この \(m\) と \(n\) の誤差を埋めるように

\(n=m+k\)

と見るものの見方は中々難しいものがあるでしょう。

分野は違いますが、この「誤差を埋める」という感覚が効いてくる問題たちについては

参考不定方程式【誤差を埋める】【2017年度 北海道大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   例題の最終的なオチは与えられた2次式が平方数になるような ...

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