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実践演習 幾何・ベクトル系

歪んだ八面体【空間把握するための工夫】【2019年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

3次元空間における歪んだ八面体を、ある平面で切った切り口について考察する問題です。

東大はこういった空間把握力を試すような問題を好んで出題する傾向にあります。

本問も、空間把握力を真正面から問いかけています。

苦手意識をもつ人も多い話題だとは思いますが、少しでも見やすくする工夫を考えてみるきっかけとなる機会となればと思います。

(以下ネタバレ注意)

 

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全体像は

問題のシチュエーションを軽く図示してみます。

P を摘まんで、ずらしていく

というイメージの歪んだ八面体が今回の相手です。

(1) について

というように y 軸が目に突き刺さる方向に目線をもってきてくださいという問いかけです。

これに平面 \alpha を追加します。

もちろんこの方向から見た平面 \alpha は直線状に見えるでしょう。

N を通り、直線 AE に平行であるということを考えて、平面 \alpha を追加して考えてみると

という p の値によって3パターン考えられます。

(2) について

切り口が八角形ということをどう噛み砕くかですが、

平面 \alpha と八面体とぶつかる辺との交点が、切り口の頂点である

と捉えれば、結局は

平面 \alpha と、交点をもつ辺が8本であればよい

と翻訳できれば前進です。

「平面 \alpha と、どの辺がぶつかるか」については (1) で図示した絵が強力にサポートしてくれます。

(3) について

まずは題意の切り口の八角形がざっくりと

のようになったとします。

MN がこの八角形の頂点に含まれることについては大丈夫かとは思います。

MN  は z=0 上の点であることに注目します。

今、z \geq 0 のときを考えるので、

のように下半分を切ってしまいます。

次に y \geq 0 を考えるにあたり、y 軸 ,  z 軸を書き込みます。

y \geq 0 z \geq 0 の範囲にある頂点は

\alpha と辺 PBPC  との交点

であり、それらを QR  とおいて話を進めていくことになるでしょう。

全体的に

この方向から見るとどうなるかな?

というように目線を移動して平面に落とし込むことで、見づらい立体を何とかとらえようとすることの有効性を教訓として含んでいます。

3次元だとよく分からなくても、

  • 真正面から見るとどうなるか?
  • 真上から見るとどうなるか?

など目線を動かして、部分的にでも分かることを発見していくという姿勢が大切です。

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