実践演習 整数系

有理数で挟まれた有理数の分母【ファレイ数列との絡み】【2014年度 横浜市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

すごくシンプルな題意ですが、やり始めると目が血走るでしょう。

  • \(\displaystyle \frac{2013}{2014}=0.99950438\cdots\)
  • \(\displaystyle \frac{2014}{2015}=0.99950372\cdots\)

としても「こっからどないすんねん」となるだけだと思います。

解答自体はものすごくアッサリ終わります。

解答のボリュームと難易度のギャップは大きく、内容的には経験などでカバーするという類の問題ではなく、本当の意味で「賢さ」が要求される問題です。

(以下ネタバレ注意)

 

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設定で8割がた決まる

今回の \(\alpha\) は \(0 \lt \alpha \lt 1\) ですから

\(m=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots \ , \ p-1\) として

\(q=p-m\)

と設定でき、

\(\alpha=\displaystyle \frac{p-m}{p}\)

とすることができます。

これによって

\(\displaystyle \frac{2013}{2014} \lt \displaystyle \frac{p-m}{p} \lt \displaystyle \frac{2014}{2015}\)

\(\Leftrightarrow\)  \(\displaystyle \frac{2013}{2014} \lt 1-\displaystyle \frac{m}{p} \lt \displaystyle \frac{2014}{2015}\)

\(\Leftrightarrow\)  \(-\displaystyle \frac{1}{2014} \lt -\displaystyle \frac{m}{p} \lt -\displaystyle \frac{1}{2015}\)

\(\Leftrightarrow\)  \(\displaystyle \frac{1}{2015} \lt \displaystyle \frac{m}{p} \lt \displaystyle \frac{1}{2014}\)

\(\Leftrightarrow\)  \(2014 \lt \displaystyle \frac{p}{m} \lt 2015\)

\(\Leftrightarrow\)  \(2014m \lt p \lt 2015m\)

ということになります。

\(p\) を小さくしようと思ったら \(m=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots\) と \(m\) も小さい方から調べればよいでしょう。

\(m=1\) のとき

\(2014 \lt p \lt 2015\) でこれを満たす自然数 \(p\) はありません。

\(m=2\) のとき

\(4028 \lt p \lt 4030\) でこれを満たす自然数 \(p\) は \(p=4029\) です。

このとき

\(q=p-m=4027\)

ということになります。

つまり、

\(\alpha=\displaystyle \frac{4027}{4029}\)

が求める有理数ということになります。

一般論

自然数 \(a\) ,  \(b\) , \(c\) ,  \(d\)  が \(ad-bc=1 \ \cdots \ (*)\) を満たしているとします。

また、\(p\) ,  \(q\)  を自然数とします。

\(\displaystyle \frac{c}{d} \lt \displaystyle \frac{q}{p} \lt \displaystyle \frac{a}{b}\)

を満たす有理数 \(\displaystyle \frac{q}{p}\) のうち、分母の \(p\) が最小となるような有理数は

\(\displaystyle \frac{a+c}{b+d}\)

となります。

証明については【総括】のあとに触れてあります。

なお、\(\displaystyle \frac{c}{d}\) ,  \(\displaystyle \frac{a}{b}\) の間に

\(\displaystyle \frac{a+c}{b+d}\)

という

\(\displaystyle \frac{分子の和}{分母の和}\)

を入れ込んでできていく数列を「ファレイ数列」と言います。

本問の結果を振り返ってみると、確かに

\(\displaystyle \frac{2013+2014}{2014+2015}\)

という結果になっていますね。

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