実践演習 方程式・不等式・関数系

ラグランジュの三角恒等式【ド・モアブルの定理の応用】【1971年度 富山大学】

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三角関数の和の導出について考える問題です。

少し古い問題ですが、今回の話題を扱うにあたりよい例題ということでもってきました。

(以下ネタバレ注意)

 

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ラグランジュの三角恒等式について

ラグランジュの三角恒等式

\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\cos{k\theta}=\displaystyle \frac{\cos{\displaystyle \frac{\theta}{2}\sin{\displaystyle \frac{(n+1)\theta}{2}}}}{\sin{\displaystyle \frac{\theta}{2}}}\)

\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\sin{k\theta}=\displaystyle \frac{\sin{\displaystyle \frac{\theta}{2}\sin{\displaystyle \frac{(n+1)\theta}{2}}}}{\sin{\displaystyle \frac{\theta}{2}}}\)

という恒等式が知られています。

導出の流れについて

ラグランジュの三角恒等式の導出については

ド・モアブルの定理

を活用します。

三角関数に関するシグマ計算において、ド・モアブルの定理を用いて実部・虚部を比較するということは常套手段の1つです。

\(z=\cos{\theta}+i\sin{\theta}\) に対して、ド・モアブルの定理から

\(z^{k}=\cos{k\theta}+i\sin{k\theta}\)

です。

これより

\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}z^{k}=\displaystyle \sum_{k=0}^{n}(\cos{k\theta}+i\sin{k\theta})\)

です。

つまり、

\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}z^{k}=(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\cos{k\theta})+(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\sin{k\theta})i\)

なので、

  • \(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}z^{k}\) の実部が\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\cos{k\theta}\)
  • \(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}z^{k}\) の虚部が\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\sin{k\theta}\)

ということになります。

じゃあ、\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}z^{k}\) はというと、当然等比数列の和の公式から

\(z \neq 1\) に対して

\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}z^{k}=\displaystyle \frac{1-z^{n+1}}{1-z}\)

です。

(本問においては、(1) でこの等比数列の和を準備しなさいという設問がありました。)

なので、結局は

  • \(\displaystyle \frac{1-z^{n+1}}{1-z}\) の実部が\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\cos{k\theta}\)
  • \(\displaystyle \frac{1-z^{n+1}}{1-z}\) の虚部が\(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\sin{k\theta}\)

ということになります。

\(\displaystyle \frac{1-z^{n+1}}{1-z}\) の計算について

\(\displaystyle \frac{1-z^{n+1}}{1-z}=\displaystyle \frac{1-(\cos{(n+1)\theta}+i\sin{(n+1)\theta})}{1-(\cos{\theta}+i\sin{\theta})}\)

で、コイツをどう捌くかが問題です。

下手にやってしまうと、収拾がつかなくなります。

本問のように証明形式で結論が見える形であれば、

  • 結論の形から逆算して、出てきてほしい形が出てくるような式変形を施す

という作戦が有効です。

このあたりは、【解答】に注釈を入れる形で解説しています。

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