実践演習 整数系

メルセンヌ素数【基本的な性質と完全数との関連】【1962年度 京都府立医科大学ほか】

例題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

\(2^{n}-1\) という形の数をメルセンヌ数といい、特に素数となるメルセンヌ数をメルセンヌ素数と言います。

メルセンヌ素数は数学的に興味深い性質を多々もちます。

どこまで深入りするかも問題なのですが、今回は基本的な性質と、有名な完全数との関連にスポットを当ててみます。

(以下ネタバレ注意)

 

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直接証明は見通しが悪い

\(2^{n}-1\) が素数であるということを数式的に表現するのは難しいため、背理法、もしくは対偶をとって考えます。

\(n\) は今回 1 ではありません。

そこで、\(n\) が素数でないと仮定すると、2以上の整数 \(p\) ,  \(q\) を用いて

\(n=pq\)

という形で表せます。

このとき、\(2^{n}-1=2^{pq}-1\) となります。

ここからポイントとなるのは

重要公式

\(a^{N}-1=(a-1)(a^{N-1}+a^{N-2}+\cdots+a+1)\)

という因数分解です。

今回は

\(2^{pq}-1=(2^{p}-1)\{(2^{p})^{q-1}+(2^{p})^{q-2}+\cdots+(2^{p})+1\}\)

と因数分解されます。

今、\(2^{n}-1\) であるところの \(2^{pq}-1\) は素数でした。

しかし、\(2^{p}-1\) も、\(\{(2^{p})^{q-1}+(2^{p})^{q-2}+\cdots+(2^{p})+1\}\) も、2以上の整数となっており、素数 \(2^{pq}-1\) が2以上の整数の積の形で表されてしまっており、矛盾します。

余談:\(n\) が偶数だと

2019年度信州大学

\(2^{n}-1\) が \(3\) で割り切れるような自然数 \(n\) をすべて求めよ。

という問題を考えてみます。

解答

法を \(3\) とすると

\(2 \equiv -1 \) であるため

\(2^{n}-1 \equiv (-1)^{n}-1\)

\(n\) が偶数のとき、\(2^{n}-1 \equiv 0\)

\(n\) が奇数のとき、\(2^{n}-1 \equiv -2 \equiv 1\)

より、\(2^{n}-1\) が \(3\) で割り切れる \(n\) は

全ての偶数

である。

つまり、

  • メルセンヌ数は \(n\) が偶数のとき、\(3\) の倍数になる

ということが言えます。

完全数との関連

例題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

完全数とは

正の整数 \(N\) が

\(N\) の \(N\) 以外の正の約数の総和が \(N\) 自身に等しい

とき、\(N\) を完全数と言います。

一番小さい完全数は \(6\) です。

\(6\) の正の約数は \(1\) ,  \(2\) ,  \(3\) ,  \(6\) で、自分以外の正の約数の総和は

\(1+2+3=6\)

で自分自身となっています。

ちなみに、次の完全数は \(28\) です。

例題2は5年ぐらい前、模試の作問で自分が作っていった問題の一つでボツになった問題です。

作りが模試風なのはそういう事情だということをご理解ください(笑)

本問を解き終わると、メルセンヌ素数を発見することは、完全数を発見することにつながるということが分かると思います。

これは紀元前から知られている古典的な事実です。

解き終われば分かりますが、今回の \(P_{n}\) は偶数の完全数になります。

偶数の完全数はこの形に限るかということは長らく未解決問題でしたが、オイラーによってこの形に限ることが示されました。

奇数の完全数が存在するかどうかについては未解決問題です。

なお、日本のプロ野球で初めて完全試合が達成された日が1950年の628日らしいです。

例題1の解答はコチラ

例題2の解答はコチラ

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