論証

2021/7/25

2次不等式の整数解【両端が動く】【2006年度 中京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次不等式の解の中に含まれる整数の個数について考える問題です。 単元学習の段階では、2次不等式の解の両端のうち、片側が具体的な数値であるものが例題として与えられることが多いと思います。 例題 \(a\) を定数とする。 \(2x^{2}-(a+2)x+a \lt 0\) を満たす整数 \(x\) が \(3\) 個となるような \(a\) の範囲を求めよ。 解答 題意の2次不等式は \((x-1) (2x-a) \lt 0\) (i)  \( ...

2022/10/28

ラグランジュの補間法【1989年度 関西大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ラグランジュの補間法に関連する問題を扱ってみます。 一見するとゴッツい形になりますが、中身を見て見ると心地よさを感じる内容です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 高々2次の整式 \(f(x)\) に対して、 \(f(\alpha)=0\) ,  \(f(\beta)=0\) ,  \(f(\gamma)=0\) という相異なる3つの代入値が \(0\) となるなら、恒等的に \(f( ...

2021/7/19

下二桁の扱い【4乗数に関わる下二桁】【完全剰余系】【2007年度 東京大学ほか】

問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 下二桁の数についてスポットを当てた問題を東大、京大から2題セレクトしました。 扱っている題材は下二桁という点で共通していますが、オチについてはそれぞれ違う味わいの問題です。 味比べするのも一興です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 問題1について 問題1はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) まず、10進法 ...

2021/6/26

累乗根の無理数性【真偽判定の判断】【2007年度 京都大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 累乗根に関する無理数性を考える問題です。 特に例題でもってきた京大の問題は 真偽判定まで含めて判断しなければならない というタイプの出題です。 正しいにもかかわらず、反例を探しても見つかりっこありません。 正しくないにもかかわらず、証明しようとしても証明できっこありません。 つまり、判断ミス一つで身動きが取れなくなってしまうわけです。 基本的には疑ってかかるのが基本です。 ただ、正しいものは正しい、と根拠と自信をもって言える必要もあります。 ...

2021/6/9

3辺の巡回ベクトル【隠れた条件と1次独立性】【2016年度 東京海洋大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   巡回性をもった設定であり、「そそる」香りが漂ってくる問題です。 アッサリと終わってしまう人もいれば、右往左往する人も出てくると思います。 キレイなバラには棘がある とはよく言ったものですが、本問は若干棘があるように思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 「\(\triangle{ABC}\) が正三角形 ならば \(\vec{p}=\vec{0}\)」の証明 について まずは \ ...

2021/5/30

2次方程式と定積分の論証【1982年度 関西大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 個人的に大好きな問題です。 急所に辿り着くと一気に話が進んでいきます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む まともに考えると 与えられた条件である \(\displaystyle \int_{-1}^{1}|3x^{2}+2ax+b| dx\) の処理が面倒です。 \(y=|3x^{2}+2ax+b|\) のグラフが なのか なのかで話が変わりますし、\(x\) 軸に関して折り返している場合においては と ...

2021/5/28

多項式に関する整数問題と論証【1992年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多項式に関する問題で、受験生に解かせてみると四苦八苦する生徒が多い一方で、あっさりと解く生徒もいます。 体感の難易度の温度差は大きい問題だと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1)について ここから差がついてしまいかねません。 帰納法路線だと その場合 \(P_{n+1}(x)=xP_{n}(x)+1\) というように、前段仮定を用いるために\(P_{n}(x)\) に関する漸化式を作ります。 問題の主張 ...

2021/5/14

係数を入れ替えても整数解をもつ2次方程式【2011年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x\) ,  \(y\)  という 2 文字使っていますが、結局は \(x^{2}+ax+b=0\)  と  \(x^{2}+bx+a=0\) がそれぞれ整数解をもつような、2次方程式を考える問題です。 パッと見の直感では \(x^{2}+6x+5=0\)  の解  \(x=-5 \ , \ -1\) \(x^{2}+5x+6=0\)  の解  \(x=-2 \ , \ -3\) が予想されますが、これ以外にもあるかもしれません。 (1) ...

2021/5/12

対称式についての論証【基本対称式の符号】【2007年度 愛媛大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 基本対称式についての符号についての論証問題です。 符号だけでなく、整数問題の要素も含めたオチまである欲張りなセットです。 キレイな結果とは裏腹に、導出過程はそれなりに紆余曲折があると思います。 本問は「逆なら楽勝で言えるのにシリーズ」の一つと言ってよく、京大が好みそうな感じですね。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 本問の出どころ 本問の出どころは恐らく2文字の基本対称式についての以下の性質でしょう。 2文字の基本対 ...

2021/5/5

抽象的な関数【条件や定義から結論まで辿り着く】【2000年度 名古屋市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象的な関数に対する扱いをテーマとした問題です。 話を進めていくうえで、使ってよいことをしっかり整理する力が必要です。 (この問題に限らないですが。) 本問は難易度面でも適度な問題で、抽象的な関数を扱う際の「特有の脳みその使い方」を学べると思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 三角関数の加法定理? 与えられた問題の条件をよく観察してみると \(f(x)=\sin{x}\) ,  \(g(x)=\ ...

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