双曲線が絡んだ面積【特殊な置換積分】【2011年度 津田塾大学ほか】
【問題1】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 【問題2】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 双曲線が絡んだ面積計算についての問題です。 【問題1】では双曲線関数と呼ばれる関数を利用したパラメータ表示 【問題2】では三角関数を利用したパラメータ表示 ※双曲線関数についての説明は【問題1】の【総括】で説明しています。 を切り口とした誘導が付いています。 細かなことを抜きにして双曲線を \(y=f(x)\) の形で表すと \(x^{2}-y^{2}=1\) の場合 ...
切ってからガッチャンコ【見づらい立体への対応】【2012年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) まずは問題の舞台設定を把握するところからエネルギーを使います。 ベクトルで表現されていますがこの \(V_{a}\) , \(V_{b}\) というのは言ってみれば 斜めに傾いた円柱 です。 この斜めに傾いた円柱同士の共通部分の体積を求めるのが本問の趣旨となります。 目を凝らしても見づらいですから、何とかして工夫することを考えましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 今回の立体のイメージ 今回の立 ...
円柱と円柱の共通部分の体積【見づらい立体への対応】【有名問題】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 初見だと何から手を付ければよいか戸惑う人も多いと思います。 以前に 併せてどうぞ 不等式で表された立体という内容を扱いました。 今回はその延長にある話題です。 見えるんだけど見づらい立体 今回、 円柱と円柱の共通部分の体積を求めよ と言われているわけですが、この共通部分と言うのは口で言うのは簡単ですが、目で見るのは中々大変でしょう。 乱暴な言い方にはなりますが、結局体積を求めるには全体像は不要で、 断面積をどうするか ということに集中すればそ ...
不等式で表された立体の体積【2007年度 北海道大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「不等式で表された立体の体積」というテーマ性のある問題を扱います。 このあたりを場当たり的に何となく理解している状況から、自分が何をしているのかはっきりと説明できる状態に昇華させるためには 方程式や不等式というものの根っこ をおさえる必要があります。 ここではそこをガッチリと掴みながらこのトピックスはもちろん、その他の問題に対しても役に立つ考え方を身につけていってほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)し ...
微分方程式【積分因子法】【2000年度 東京理科大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分方程式は厳密には教科書範囲では発展扱いとなっていますが、知識の差で出来具合が大きくならないように誘導をつけて出題されることはしばしばあります。 1階の微分方程式の有名な解法としては 変数分離法 積分因子法 というものがありますが、今回は「積分因子法」に焦点を当てていきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) は「関数方程式」として見ることになります。 恒等式と見ることになり ...
回転体の回転体【タイヤの回転体】【2011年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平面内の長方形を回転させ、出来上がった回転体をさらに回転させるという問題です。 空間座標における回転体に習熟している必要があり、やるべきこと(目の付け所)がしっかりと自分のものになっていれば確保できますが、そうでない場合はインプットをしっかりとした上で、アウトプットをこなすことで「血となり肉となる」状態を作り上げましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) については \(xy ...
tanの逆関数【定積分で表された関数の扱い】【2012年度 神戸大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回は \(\tan{ \ }\) の逆関数を扱った問題を扱います。 それなりに手垢の付いている話題なので、ちょこちょこ様々な大学で出題されています。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 今回の \(f(x)\) は \(\displaystyle \int_{0}^{x}\displaystyle \frac{1}{1+t^{2}} dt\) は \(\tan{x}\) の逆関数を表します。 その知識の差が出来不出来 ...
180°しか回転しない空間座標の回転体の体積【2009年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 通常の空間座標における回転体の体積自体、東大は好んで出題する傾向にありますが、本問は 180°しか回転しない回転体の体積 について扱います。 このような「こうなったらどうする?」という味付けは教育的で、いかにも東大らしい良問だと思います。 とは言え、難易度という点では少しハードかなとは思います。 初見の方はぜひ考えてみてください。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む イメージ図について のようなイメージで ...
ワイエルシュトラスの置換【三角関数のうまい置き換え】【2004年度 山口大学ほか】
今回は「ワイエルシュトラスの置換」と呼ばれる有名な置換を用いた問題を扱います。 ワイエルシュトラスの置換とは ワイエルシュトラスの置換とは ワイエルシュトラスの置換 \(\tan{\displaystyle \frac{\theta}{2}}=t\) とおいたとき、 \(\sin{\theta}=\displaystyle \frac{2t}{1+t^{2}}\) \(\cos{\theta}=\displaystyle \frac{1-t^{2}}{1+t^{2}}\) \( ...
πが無理数であることの証明【定積分の利用】【2003年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円周率 \(\pi\) は無理数です。 と習ったのは中学生ぐらいでしょうか。 教わったときは「へぇ~、そうなんだ」と流してしまう人がほとんどでしょう。 自分もその一人でしたが、心のどこかで「なんでだろう」という引っかかりをもってはいました。 本問は一応「高校で学習する内容の範囲」で 円周率 \(\pi\) が無理数であるという結論まで辿り着けるように設計されています。 もちろん、厳密性を言い出したらキリがない部分もありますが、なぜ \(\pi ...