積分法

2022/7/25

一般化 第3講【定積分の扱い】【1968年度 筑波大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第3講では、「定積分の扱い」ということをテーマとします。 今回のテーマである一般化以外にも様々な解法が考えられますが、今回のテーマに即した倒し方をぜひ考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して ...

2022/7/18

ウィルティンガーの不等式【1963年度 慶應義塾大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ウィルティンガーの不等式と呼ばれる ウィルティンガーの不等式 \(f(x)\) が周期 \(2\pi\) をもち、\(\displaystyle \int_{0}^{2\pi} f(x) dx=0\) を満たすならば \(\displaystyle \int_{0}^{2\pi} \{f'(x)\}^{2} dx \geq \displaystyle \int_{0}^{2\pi} \{f(x)\}^{2} dx\) が成り立つ。 という、解 ...

2022/4/6

水の問題【2003年度 北海道大学】【2006年度 京都大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 通称「水の問題」と呼ばれている問題を扱います。 理解したうえで勘所をもっていないと、右往左往しかねませんし、解答を読んでも 聞けば分かるけど自力でできない ということになりやすい問題です。 少しでも自力で解き進めるためにどういう意識をもって考えていくかということを少しでも持ち帰っていただければと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 体積は時刻に依存する 今回の水の体積 \(V\) は時刻 \(t ...

2022/3/30

2022年度 九州大学 理系第5問【パラメータ表示された曲線】【ハイポサイクロイドの概形と面積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示された曲線に関する概形と面積について考える定番の話題です。 最終的にこの曲線 \(C\) の概形を図示することになりますが、それに向けてうまく工夫して考えるように誘導がついています。 誘導に乗れるかどうかということは、誘導のありがたみを感じることができるかどうかということです。 \(x\) 軸についての対称性 \(\displaystyle \frac{\pi}{3}\) ごとの回転対称性 という「対称性」を駆使し、省エネしなが ...

2022/3/29

2022年度 九州大学 理系第4問【定積分の定義と性質の証明】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題文が長く、圧倒されそうですが、よく読んで解き進めてみると、内容は 定積分の計算上の定義 定義から言える定積分に関する各種性質 についての理解度を問う標準的な内容です。 どちらかというと、公式の証明に近い内容です。 新たな概念やそれに伴う記号を学習する際、定義やそれにまつわる諸性質についてきちんと理解してきた人は、本問は難なくこなせるでしょうが、逆にそのあたりをなぁなぁに済ませてきてしまった人は強烈なボディーブローのように感じるでしょう。 ...

2022/3/24

2022年度 大阪大学 理系第5問【パラメータ曲線の面積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示された曲線による面積を考える問題です。 話題としては定番の話題であり、方針面で何をしてよいのかが分からないということがあってはなりません。 今回のパラメータ曲線を図示すると   という概形になります。 見づらくて申し訳ないですが、微妙に膨らんでおり、\(x\) 軸に沿って積分していく場合、くり抜きの作業が発生します。 本問の山場は パラメータ表示された曲線の図示 くり抜き作業を伴う積分計算の工夫 ということになります。 ...

2022/3/18

2022年度 名古屋大学 理系第4問【抽象関数に関する定積分】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象関数に関する定積分について扱った問題です。 2020年度にも名古屋大は抽象的な関数に関する微積分の本格的な問題を出題しています。 単純にゴリゴリ進めていく側面の強い微積分分野にあって、本問は機械的に処理する類の問題とは一線を画します。 本問はヒントと思われる誘導が至る所にありますが、多くの受験生はヒントと受け止め切れなかったと思われます。 訊かれていることを本当の意味で理解できた受験生はクリアーできるでしょうが、数は少ないでしょう。 今年 ...

2022/3/12

2022年度 北海道大学 理系第3問【不等式で表される領域と面積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式で表される領域と、面積に関する問題です。 方向性自体は割と一本道で、迷うことはありませんが、それを処理しきるためには 「見るべき部分を見る」 ということが必要になってきます。 不必要な部分にとらわれすぎてしまい、身動きがとれなくなってしまう恐れは多々あります。 一つ一つの処理で特別なことはしていませんが、「やり方」に終始して根本的な部分を蔑ろにしてきた受験生からすると、 「聞けば分かる」 で終わってしまいます。 本番の入試で「聞けば分か ...

2022/3/8

2022年度 東北大学 理系第6問【球と円柱の共通部分の体積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 球と円柱の共通部分の体積というシンプルな題意です。 難関大ではよく出るトピックスで、このあたりをキッチリと準備してきている受験生もいるでしょうが、本問の場合、半径が \(r\) という文字で与えられているため、 切って断面積を求めて積分 という正攻法で行こうと思うと中々大変です。 ひとまず \(x^{2}+y^{2}+z^{2} \leq r^{2}\) \(x^{2}+y^{2}=1\) ,  \(0 \leq z \leq \sqrt{3 ...

2022/3/6

2022年度 東北大学 理系第3問【不等式証明とはさみうちの原理】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式証明からの、はさみうちの原理という流れ自体はパッと見で読み取れるでしょう。 ただ、(1) の不等式証明は 聞けば簡単だが、意外と単純ではない という問題で、案外バカにはできません。 腕力で押し切ることも可能ですが、工夫の余地はあります。 そのあたりは【解1】【解2】【解3】あたりでご確認ください。 (2) は (1) で証明した不等式を用いてはさみうちの原理で仕留めるんだろうな 形的に区分求積法が狙えそうだな ということになることは予見 ...

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