整数

2021/7/3

ユークリッドの互除法【原理の証明とイメージ】【2005年度 広島市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2つの正整数の最大公約数を求めるときに用いられる「ユークリッドの互除法」と呼ばれるアルゴリズムについて、原理と証明を考えてみます。 古典的な手法による証明だけでなく、ユークリッドの互除法の原理が主張している内容が「当然じゃん」と思えるようなイメージをもつことで身近に感じてもらうとともに、自分の中にしっかりと落とし込むことを目的とします。 ユークリッドの互除法とは 以下 ,  2 つの整数 \(a\) , \(b\) の最大公約数を \(G(a ...

2021/7/1

整値関数の乗法性【先導的特殊】【1987年度 津田塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全ての自然数 \(m\) ,  \(n\) に対して \(f(mn)=f(m)f(n)\) という性質(乗法性)を証明するというオチの問題です。 丁寧な誘導があるため、誘導を拾い、活用していく活用力があれば特別な難問というわけではありません。 記憶に頼る要素は少なく、目の前の関数に対応するその場力の問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 本問の進み方 (1) は具体的な数に対して計算しろという実験 ...

2021/7/19

不定方程式の整数解とその発展【ベズーの補題】【2000年度 大阪大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a\) , \(b\) , \(c\) を整数として \(ax+by=c\) という形の不定方程式(ディオファントス方程式)の整数解を考えさせる問題は基本的なものから発展的なものまで幅広く問われます。 ※不定方程式とは、方程式の数に対して未知数の方が多い方程式です。 本問は単なる整数解ではなく、非負整数解について考える内容になっています。 手を動かしてみると、何となく答えは予想出来ると思いますが、その予想をどのように記述でまとめるかが腕の ...

2022/10/12

3次方程式と整数解【誘導の活用】【2011年度 横浜国立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次方程式が整数解をもつための条件を考える問題です。 試験場補正も踏まえると、差が付くレベルだと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) については問題ないと思います。 微分して \(f'(x)=3x^{2}-6x-4\) ですから \(f'(x)=0\) を考えれば \(x=\displaystyle \frac{3\pm\sqrt{21}}{3}\) を得ます。 (2) について (1) の意味を考え ...

2021/5/28

多項式に関する整数問題と論証【1992年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多項式に関する問題で、受験生に解かせてみると四苦八苦する生徒が多い一方で、あっさりと解く生徒もいます。 体感の難易度の温度差は大きい問題だと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1)について ここから差がついてしまいかねません。 帰納法路線だと その場合 \(P_{n+1}(x)=xP_{n}(x)+1\) というように、前段仮定を用いるために\(P_{n}(x)\) に関する漸化式を作ります。 問題の主張 ...

2021/5/25

自然数の累乗の余り【累乗の余りの周期性】【1999年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな整数問題で、教訓を多く含む問題です。 場当たり的に解き進めても、腕力がある人はねじ伏せることができるでしょうが、できれば戦略的に解き進めていく態度で解けるようにしたいところです。 (以下ネタバレ注意)   +クリック(タップ)して続きを読む 闇雲に帰納法を用いても失敗する 自然数 \(n\) にまつわる証明問題ということで、数学的帰納法にとびついた人もいると思いますが、闇雲に飛びついてもそれは毒饅頭です。 以下失敗例です。 ...

2021/5/17

ベクトルと整数問題【正射影ベクトルの扱い】【1989年度 新潟大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   正射影ベクトルの扱いから入り、そこから整数問題チックなオチに着地するという気持ちの良い問題です。 ただし、(1) の正射影ベクトルの扱いで躓いてしまうと、(2) ,  (3) まで進めないため、最後のオチのキレイさを感じることはできません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 正射影ベクトルについて というように \(\vec{b}\) を \(\vec{a}\) の方向に正射影した正射影ベ ...

2021/5/16

与えられた数がすべて素数となるか【どんな合成数が紛れ込むか】【2013年度 大阪大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 与えられた数が全て素数となるかどうかについて考える問題で、初見だと差が付く問題でしょう。 解答だけ聞いてしまうと、あっさりと終わってしまいます。 初見であれば、ある程度は時間をとって考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ホントかよ? この手の類の問題では 「ホントかよ?」 という気持ちで全て素数となるように「最善を尽くしてみる」ことが大事です。 その過程の実験で、「どう頑張って ...

2021/6/2

[√n]についての考察問題【発想の素はどこにあるか】【2012年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \([\sqrt{n}]\) が絡んだ整数問題であり、解答自体はアッサリと終わります。 自力で解ければ問題はありません。 解けなくて解答を確認したとき 「聞けば分かるけど、どうやってその発想に至った?」 という類の問題です。 こういった類の問題は自学自習する上で生徒泣かせな要素を含んでいます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 題意をもう少し式寄りの言葉で言うと \([\sqrt{n}]\) が \(n ...

2021/5/14

係数を入れ替えても整数解をもつ2次方程式【2011年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x\) ,  \(y\)  という 2 文字使っていますが、結局は \(x^{2}+ax+b=0\)  と  \(x^{2}+bx+a=0\) がそれぞれ整数解をもつような、2次方程式を考える問題です。 パッと見の直感では \(x^{2}+6x+5=0\)  の解  \(x=-5 \ , \ -1\) \(x^{2}+5x+6=0\)  の解  \(x=-2 \ , \ -3\) が予想されますが、これ以外にもあるかもしれません。 (1) ...

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