整数

2021/8/25

不定方程式【誤差を埋める】【2017年度 北海道大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   例題の最終的なオチは与えられた2次式が平方数になるような \(n\) を求めるという問題です。 ノーヒントだと適度に差が付くレベルの問題になるでしょう。 例題は誘導があるため、本気で北大を目指している受験生であれば確保して然るべきレベルとなります。 一通り解いた後、ノーヒントで出題された場合の構想についても触れてみます。 類題は与えられた3次式が立方数になる \(m ...

2021/8/20

最大公約数についての数列【2012年度 東京都立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 最大公約数についての数列を考え、和などを考える問題です。 標準的なレベルの問題で、野球で例えるなら135km/h 真ん中ちょい高めのストレートって感じですかね。 要するに長打が狙える打ちごろの球なので、できれば打ち損じることなくはじき返してほしいですが、記述面で書きづらさを感じるかもしれません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 最大公約数に迫る一つの大きな武器が ユークリッドの互除法 ...

2021/8/13

メルセンヌ素数【基本的な性質と完全数との関連】【1962年度 京都府立医科大学ほか】

例題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{n}-1\) という形の数をメルセンヌ数といい、特に素数となるメルセンヌ数をメルセンヌ素数と言います。 メルセンヌ素数は数学的に興味深い性質を多々もちます。 どこまで深入りするかも問題なのですが、今回は基本的な性質と、有名な完全数との関連にスポットを当ててみます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 直接証明は見通しが悪い \(2^{n}-1\) が素数であるということを数式的に表現するのは難 ...

2021/8/11

a^n-1についての整数問題【難しくアレンジした場合の考察もあり】【2015年度 九州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a^{n}-1\) という形を含む整数問題を扱います。 今回は\(2^{n}-1\) というタイプを例題に持ってきました。 \(2^{n}-1\) という形はメルセンヌ素数や完全数などとの絡みもあり、奥が深いですが、それは後々扱おうかなと思います。 本問は適度な誘導がついているため、標準的な難易度に仕上がっていると思います。 (実際には差が付くレベルの問題で、決して簡単ではないとは思いますが) ひとまず、本問を解いたあと、本問をもう少し難 ...

2021/8/8

答案の趣旨を読み取る【他人の答案を説明する力】【2013年度 佐賀大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 他人の答案の趣旨を説明するという、多くの人にとっては目新しく感じる問いかけでしょう。 本問は2013年度佐賀大学の文化教育学部の問題ですが、教員としての説明力や様々な解答を理解する力が問われており、問題を解くのとは別の部分の脳みそを使います。 「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」 を謳い文句とする新課程、共通テストが好みそうな出題の仕方です。 個人的に新課程、共通テストに対して言いたいことは多々ありますが、ここだと話が逸れるの ...

2021/8/7

連分数展開とユークリッドの互除法【1993年度 早稲田大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不定方程式を解く際に、特殊解を見出して一般解に繋げる定番の話題ですが、連分数展開から特殊解に迫るという問題です。 特殊解を見出す手法として有名なのはユークリッドの互除法のプロセスに現れる 余りを余りで割り続ける という手法ですが、今回の連分数展開と互除法のプロセスが手を繋いでいるという部分まで含めて見ていきます。 ユークリッドの互除法そのものについては でしっかりと確認しておくとスムーズです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック ...

2021/8/1

不定方程式【和と積が等しい整数の組】【2012年度 東京理科大学ほか】

問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数問題については 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する(範囲を絞る) を意識するのが基本です。 その中で、 評価する(範囲を絞る) という項目を学ぶ例題として今回の話題である 「和と積が等しい整数の組」 を考える問題がよく使われます。 よくあるのは次のような「3変数」の場合です。 3変数の例題 例題:\(xyz=x+y+z\) を満たす自然数 ...

2021/7/21

上三桁の値【高次計算の工夫】【合同式の扱い】【2014年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 桁数、下一桁の値、最高位の値、といった定番の話題ではなく、 こういう問題はどう? というメッセージ性が強い問題に感じたのは私だけでしょうか。 常用対数からのアプローチではなく、高次計算をどう工夫するかという要素が強い問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 与えられた条件の活用を考える 与えられた \(7^{9}\) や \(7^{10}\) を活用しようと思うと、 \(2014^{10}\) を ...

2021/7/19

下二桁の扱い【4乗数に関わる下二桁】【完全剰余系】【2007年度 東京大学ほか】

問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 下二桁の数についてスポットを当てた問題を東大、京大から2題セレクトしました。 扱っている題材は下二桁という点で共通していますが、オチについてはそれぞれ違う味わいの問題です。 味比べするのも一興です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 問題1について 問題1はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) まず、10進法 ...

2021/7/9

レピュニット数【1が並んだ自然数】【2008年度 東京大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) レピュニット数と呼ばれる、\(1\) が並んだ自然数についての問題です。 通知表では見たくない数です。 本問は \(\overbrace{ 11 \cdots 1 }^{ n個 }=\fbox {n}\) という記号で表現されていたのですが、いちいち \(\fbox{n}\) という見慣れない記号で表現するのがイヤだったのと、\(1\) が並ぶ個数 \(n\) によって定まるという関数的な意味合いを込めて \(f(n)\) と表現させてもらい ...

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