不等式

2021/6/4

不等式から文字を消去する技巧【名前をつけて等式化】【1998年度 鹿児島経済大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 等式と不等式とどちらが扱いやすいかと言えば、等式の方が扱いやすいと感じる人が多数派でしょう。 今回、不等式を等式の話にすることで、話を明確化することができるような問題を扱います。 どちらかと言うと技巧的なものですし、試験場での再現性が高いかというと決して高くないとは思います。 ただ、知ってて損はないでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 与えられた不等式の形は見づらい 今回与えられた不等式の形は見 ...

2021/4/18

和のa乗とa乗の和【式の特徴を見抜けるか】【2008年度 千葉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   \(a\) が自然数であれば \((x_{1}+x_{2}+\cdots +x_{n})^{a} \geq x_{1}^{a}+x_{2}^{a}+ \cdots +x_{n}^{a}\) という本問とは逆向きの不等式が成り立つのは自明なのですが、本問はそう容易くはないでしょう。 どこから切り崩そうか、戦略から含めて考える必要があります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 登場人物の中で唯 ...

2021/4/18

微分と不等式証明【誘導を活用するための工夫】【2007年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   不等式の証明がテーマとなっていますが、オチの問題で使いそうなものが (1) ,  (2) に散りばめられています。 (1) ,  (2) 自体は完答が狙える問題です。 試験場においては(1) ,  (2) までは確保したいところです。 ただ、緊張した試験場では何が起こるか分かりません。 「試験場補正」がかかってもおかしくはないでしょう。 本問はまさに実践演習といった感じです。 特別な何かがあるわけではありませんが、大切な手法や考 ...

2021/4/18

等式・不等式の証明【差がつく有名な形】【2009年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     等式・不等式の証明問題の問題として、本問は要点が凝縮されています。 そのためか練習問題として様々な問題集に収録されています。 演習の初期としては手ごろなレベルだと思います。 経験の有無に左右されるポイントや急所を含んでいますが、逆に言えば勉強していれば試験場では確保できる問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む パッと思いつく方針としては 重要 \(x^{3}+y^{3} ...

2021/4/17

コーシー・シュワルツの不等式の証明【示すべき形から方針を決定する】【2011年度 大分大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   コーシー・シュワルツの不等式と呼ばれる有名不等式です。 今は範囲外ですが、行列という分野の中で「ケーリー・ハミルトンの定理」というものがあります。 参考書によっては「ハミルトン・ケーリーの定理」などとも呼ばれており、呼び方論争もあります。 コーシーシュワルツの不等式はシュワルツ・コーシーの不等式とは呼ばれません。 なぜでしょうか? 品川庄司を庄司品川と呼ばないのと同じ理由だと思います。   さて、どうでもいい話はここま ...

2021/4/17

2変数の扱い【独立2変数編その2】【1992年度 大阪教育大】【1997年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   独立2変数の扱いを学ぶ問題です。 本問は勉強している人ほど、沼にハマってしまいかねない問題です。   (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 勉強している人ほど、本問は「平均値の定理」の形に見えてきます。 そこで飛びついてやってみると、見事に失敗します。 (解答の中の【戦略】で失敗した様子を解説しています。) そこで結構メンタル的に揺さぶられるのですが、そこから何とかリカバリーしたいと ...

2021/4/17

2変数の扱い【独立2変数の扱いその1】【1990年度 東京都立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     不等式の証明形式で問いかけられていますが、結局左辺の独立2変数関数の最小値が5であることを言えばいいので、実質的には最大最小問題です。 独立2変数関数の最大最小問題については「予選決勝法」が有力な方針です。 「1つを変数、他を定数」 これが予選決勝法のキーワードです。 step1まず、他のもの(文字や点)を固定し、一つずつ動かしてそのときの最大(最小)を出す。 ここでは \(x ,  y\) の独立2変数関数の最小 ...

2021/9/3

数値評価 第3講【e^πの評価】【1999年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   「数値評価」シリーズの第3弾です。 このシリーズの一覧はこちら   今回は \(e^{\pi}\) の評価です。 前回までと違い、今回はノーヒントでの出題です。 まず、今回の定積分  \(\displaystyle \int_{0}^{\pi} e^{x}\sin^{2} x dx\)  は計算可能です。 次数を下げるために半角公式でほぐした後は   ポイント 【  \(\displaystyle \int_ ...

2021/9/3

数値評価 第2講【ネイピア数eの評価】【2010年度 横浜市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   「数値評価」シリーズの第2弾です。 このシリーズの一覧はこちら   前回の第1弾は円周率 \(\pi\) の評価でした。 今回はネイピア数 \(e\) の評価です。 案の定ヒントめいた不等式が誘導としてついています。 前回と違い、今回はちょっとだけオチで一工夫が必要です。 (2) の不等式に \(a=1\) をそのまま代入してもうまくいきません。 今回の問題を通じて教訓として学んでほしいことは 評価に失敗したときのリカ ...

2021/9/3

数値評価 第1講【円周率πの評価】【2019年度 埼玉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     「数値評価」というテーマを扱います。 このシリーズの一覧はこちら   今回は円周率 \(\pi\) の評価です。 第1回ということもあり、まずは丁寧な誘導のついた問題をもってきました。 (1)は展開して定積分を計算するだけです。 (2)は  \(x=\tan\theta\)  \((-\displaystyle\frac{\pi}{2}  \lt \theta \lt \displaystyle\frac ...

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