リプシッツ連続【全称命題とその運用】【2004年度 信州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 必ず成り立つ不等式を文字通り絶対不等式と言います。 本問はある程度の演習をこなしている人からすると、あるものがインスピレーションされると思います。 そして、本問の \(k\) の最小値について予測できてしまうとも思います。 ただし、細かな部分まで詰めていこうとすると結構ウルサイ問題です。 採点基準にもよりますが、自分の手ごたえと実際の得点率にはギャップがある問題かもしれません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 形的 ...
平均値の定理における接点の位置
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平均値の定理そのものについては難関大受験生にとって基本事項の1つです。 本問はその平均値の定理を指数関数 \(f(x)=e^{x}\) に適用したときの接点の位置について考察する問題です。 この問題に出会ったのは、昔自分が受験生のときでしたが、当時の私は色々策に拘り、どうにもこうにもうまくいかず、悩みに悩みギブアップして解答を見ました。 そこには著者の先生の凝りに凝った解答が載っており、「こりゃ思いつかんわ」と唇を噛んだ記憶があります。 悔し ...
定積分を扱う際のモノの見方【2005年度 神戸大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分を含んだ抽象的な関数に関する論証問題です。 定積分をどう捉えるかというのが本問のテーマではありますが、それに加えて、 抽象的な関数に関する心得 というものも今後の糧としたい教訓の一つとなります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 今回考える \(\displaystyle \lim_{x \to 0}g(x)=\displaystyle \lim_{x \to 0} ...
形が同じ2数の大小比較【隠れテーマ複数あり】【2009年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 大小比較という問題ですが、今回与えられている2数は形が同じで、角度が \(x\) と \(y\) となっているか \(2x\) と \(2y\) となっているかの違いしかありません。 形が同じ2数の大小比較ということで、それにどう対応するかという問題です。 ただ、これは表向きの話題であり、この問題を完答するために必要な隠れテーマも複数あります。 最初から見えるテーマもあれば、解き進めていくうちにそのテーマ性を見抜かなければならない場面にぶち当 ...
従属n変数関数の最小【エントロピー】【2016年度 お茶の水女子大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般に、\(x_{1}+x_{2}+\cdots+x_{n}=a\) という従属な関係式をもつ正の \(n\) 変数 \(x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) , \(x_{n}\) に対して \(x_{1}\log{x_{1}}+x_{2}\log{x_{2}}+\cdots+x_{n}\log{x_{n}}\) の最小値を考える問題です。 例題では、2変数、3変数という具体的なバージョンで考えてみてくださ ...
分数関数の極値【安田の定理】【2007年度 青山学院大】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題自体は標準レベルの問題で、方針面では躓くことなく進めてほしい問題です。 今回は、分数関数の極値を計算する際の 計算上の工夫について考える というのが趣旨です。 とりあえずは自力で解き進めていってほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 内接円の半径を導出する際、三角形の面積を絡めて導出するという方法が有名です。 \(\triangle{ABC}=\displaystyle \frac ...
三角比が等差数列をなす角度【sinθ,cosθ,tanθの並べ替え】【2003年度 札幌医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) この問題のオチは考えてみたくなります。 できることなら (1) や (2) の誘導なしで考えてみてほしいところですが、(1) , (2) 自体も筋が悪いとアタフタするかもしれません。 視覚的には といった感じでグラフ的にとらえると、確かに題意の主張は納得できます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 基本的には微分してゴリゴリ路線です。 \(f'_{1}(x)\) を計算 ...
微分方程式【積分因子法】【2000年度 東京理科大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分方程式は厳密には教科書範囲では発展扱いとなっていますが、知識の差で出来具合が大きくならないように誘導をつけて出題されることはしばしばあります。 1階の微分方程式の有名な解法としては 変数分離法 積分因子法 というものがありますが、今回は「積分因子法」に焦点を当てていきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) は「関数方程式」として見ることになります。 恒等式と見ることになり ...
回転体の回転体【タイヤの回転体】【2011年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平面内の長方形を回転させ、出来上がった回転体をさらに回転させるという問題です。 空間座標における回転体に習熟している必要があり、やるべきこと(目の付け所)がしっかりと自分のものになっていれば確保できますが、そうでない場合はインプットをしっかりとした上で、アウトプットをこなすことで「血となり肉となる」状態を作り上げましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) については \(xy ...
3次方程式と整数解【誘導の活用】【2011年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次方程式が整数解をもつための条件を考える問題です。 試験場補正も踏まえると、差が付くレベルだと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) については問題ないと思います。 微分して \(f'(x)=3x^{2}-6x-4\) ですから \(f'(x)=0\) を考えれば \(x=\displaystyle \frac{3\pm\sqrt{21}}{3}\) を得ます。 (2) について (1) の意味を考え ...