確率と極限【1987年度 2003年度 東京大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 確率と極限の融合問題ですが、実質的にはまずは確率をきちんと計算できるかが要求されます。 正六角形の頂点に印をうっていき、直角三角形ができるできないを考えるという、よくありそうな設定です。 ただ、意外と「ウッ」となる受験生は少なくないでしょう。 よくある設定のなかで、考えづらい要素を含むボディーブローのような問題です。 東大って結構そういう出題が特徴的だったりしますね。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...
円周上の点で作る三角形【シグマで数える】【2001年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円周上の正 \(4n\) 角形の頂点を用いて三角形を作るという、素材としてはよくある問題です。 ただ、素材は定番でも中身はマニュアル的態度で倒す態度の問題ではありません。 「結局こうなっていればいい」 ということを見抜く観察力や洞察力を要する問題です。 最後の最後まで気が抜けない要素も含んでおり、試験場では全体のセット次第で撤退するかどうかの判断に迫られる類の問題でしょう。 難易度的には絶妙な難易度です。 (以下ネタバレ注意) ...
場合の数と論証【隣り合う隣り合わない問題】【1998年度 大阪市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 順列に関する問題で、数が5個しかないので全部は大変にしても部分的にゴリゴリ押し通していけばできなくはありません。 最後にモノを言うのは基礎の運用ですが、 何を求めればよいのか を要約する「咀嚼力」が求められます。 「何を求めればよいか」に辿り着けるからこそ、次の「どう計算すればよいか」に繋がってきます。 場合の数や確率分野である程度のところで頭打ちになっていて、そこからのブレイクスルーを起こすためには、まさにその部分が必要でしょう。 本問は「 ...
サイコロの目による漸化式【2012年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロの目によって決まっていく漸化式から得られる値がある範囲内に収まっている確率を求める問題です。 いかにも何かありそうな設定ですが、切り崩すために必要なものは 10%の工夫と90%の泥臭さ です。 この問題のオチは「表向き」と「裏向き」の2種類のオチがあります。 どちらも京大が度々用意するオチです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む この漸化式の構造 今回の \(Y_{n}\) は \(Y_{n}= ...
2変数の確率【シンプルな難問】【1998年度 九州芸術工科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はメチャクチャシンプルなのですが、やってみると結構手こずります。 本問は元々誘導があったのですが、今回は方針決定から組み立てる力を磨くことを目的としたいと思い、心を鬼にして誘導をカットしました。 悩んだ挙句に解ききった快感は大きいでしょうし、たとえ途中でギブアップしてしまってもそこまでに頭を沸騰させていればそれは無駄にはなりません。 ぜひ考えて見てほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...
完全順列 攪乱順列 モンモール数【2013年度 成城大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 完全順列、攪乱順列、モンモール数などと呼ばれる話題の問題で、1994年度慶応大、2004年度東工大など類題も多く見られます。 本問のように \(5\) 人といったような具体的な場合であれば、樹形図をかき、腕力で押し切ることも可能でしょう。 (ただ、工夫しないとそれなりの大木になるでしょう。) ただ、ここでは一般的な \(n\) のときでも話が通じる態度である漸化式を立てる方針で考えてみます。 完全順列に対する漸化式の立て方は独特なものがありま ...
ババ抜きの確率【1995年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題をよく見てみると、「ババ抜き」をモデルにした問題だと分かると思います。 2人でやるババ抜きはあまり面白くありませんが、数式的には、京大の入試問題として成立するぐらいの問題にはなります。 本問で言う 0 がババに相当します。 この状態でババをもっている \(A\) からスタートしたら、確実に(自動的に)手が進み \(\{0 \ , \ 1 \ , \ 2 \ \cdots \ , \ n\}\) , \(\{1 \ , \ 2 \ , \ ...
取り除かれるコイン【問題の整理と分類】【2002年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルなルールで題意も把握しやすいですが、やってみると「うるさい」問題です。 MathClinic を活用して勉強していただいている人は「あれ?これってもしかして \(\cdots\)」とピンとくるものがあると思います。 (というかピンとくるものがあってほしいという願望と期待) (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について まずはこのゲームの要領を肌で感じてくださいという実験的な設問です。 \( ...
いびつなサイコロ【不変量に注目】【2008年度 東京工業大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 各面が等確率で出ないサイコロを考えるという設定で、この設定にバリバリ慣れ親しんでいますという人は多くはないでしょう。 昔名古屋大学で直方体のサイコロに関する論証問題がありましたが、本問は直方体とも限らないということで攻め崩す急所をどのように見出していくかが問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(k=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots \ , \ 6\) として、\ ...
大小関係の決まった順列【取り出した番号が単調増加となる確率】【2015年度 滋賀大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 単元学習や定期考査段階では上級テーマに位置づけられる問題です。 ただ、入試の実戦段階では定番のテーマであり、対応できてほしいタイプの話題です。 (1) , (2) は基本で、 (3) , (4) が今回のテーマである「大小関係の決まった順列」を扱った設問です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 取り方の総数は \(9^{4}\) 通りです。 このうち、4回とも異なる数字を取るという ...