予選決勝法と固定の方法【円上の2点を固定する工夫】【1972年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題ですが、泥沼に嵌まりかねない問題です。 手なりに文字を設定すると \(A (\cos \alpha , \sin \alpha)\) \(B(\sqrt{ 3 } \cos \beta , \sqrt{ 3 } \sin\beta)\) \(C(\sqrt{ 3 } \cos \gamma , \sqrt{ 3 } \sin\gamma)\) とおくと思います。 もちろんここから三角形 ABC の面積を出して、独立3変数関数の最 ...
計算できないシグマとその評価方法【1999年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 計算できないシグマと、その評価方法についての問題です。 評価とは「大小を比較して不等号をつないでいく」ことです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) の結果を活用すると、示すべき不等式が $$\displaystyle \sum_{k=1}^n \displaystyle \frac{1}{k^2+1} \lt \frac{8}{5}$$ というところま ...
球の内部かつ正四面体の表面部分の総面積【題意の言いかえ】【1993年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 幾何についての考察力が問われる問題です。 点 \(A\) , \(B\) を定点としたとき、\(\angle APB \gt 90°\) を満たす点 \(P\) の集合について考えます。 2次元の話だと線分 \(AB\) を直径とする円の内部であることは大丈夫だと思います。 これを3次元の話に拡張すれば、線分 \(AB\) を直径とする球の内部ということを見抜くこともそこまで難しい話ではないはずです。 (1)では定点 \(A\ ...
空間座標における回転体の体積【円錐の回転体の体積とその工夫】【2017年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1) は難関大志望者であれば、特に手が止まることはないでしょう。 点 \(P\) の軌跡が円となることも容易に把握できると思います。 問題は (2) です。 点 \(Q\) が \(OQ=1\) を満たしながら、平面 \(x=0\) を動くということは, 点 \(Q\) は原点 \(O\) を中心として平面 \(x=0\) で回転しています。 線分 \(OP\) とはいわば円錐の「母線」です。 点 \(Q\) の回転に伴って ...
大小比較と不等式証明【下る方向へ帰納的に考える】【実験と予想】【1999年度 和歌山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(3^3+4^3+5^3=6^3\) を満たしているので、(1) は (2) の具体例です。 つまり \(n=3\) のときは \(a^n+b^n+c^n=d^n\) だということが分かります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 当然じゃあ \(n=1\) のときは? \(n=2\) のときは? \(n=4\) のときは?\(\cdots\) という興味が湧きますから、調べて ...
サイコロの目によって作られる無限小数【難問】【1990年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1990年度の東京大学の問題で、この年は東大の歴代前期試験の中でも凶悪な難易度を誇った年として有名です。 この問題も強靭な思考力と粘り強さ、そして考えを的確に表現する力など、かなりの総合力を求められます。 「十分な回数サイコロを投げ、出た目を末尾にどんどん追加して作った数字が、\(\alpha\) 以下となる確率」 と、題意としてはシンプルですが、やってみると " 言葉にできないもどかしさ " を ...
確率についての分野融合問題【条件付き2変数関数との融合問題】【1992年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は確率の要素はあまりなく、\(P (a,b,c)\) を立式すること自体そんなに難しくありません。 問われているのは、その立式後の「式の扱い」についてです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ココがポイント \(ab+bc+ca=\frac{1}{2}\{(a+b+c)^2-(a^2+b^2+c^2)\}\) はたびたび登場する式変形なので、常識化しておきたいところです。 そもそもなの ...
直交2接線の交点の軌跡【放物線の準線】【2013年度 山梨大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線に対する直交2接線の交点の軌跡を求めるという有名テーマです。 精力的に学習している人は結論を知っているでしょう。 今回はそのような有名テーマを押さえつつ、プラスアルファでの問いかけについても併せて考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 直交2接線の交点について (1)は有名テーマです。 曲線外の点から引いた接線の立式の仕方は、「接点を設定する」ということから始 ...
カードの番号の積【直接考えるか余事象を考えるかの方針決定】【2009年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 番号付きカードを取り出したり、サイコロを投げたりして番号の和や積を考える問題は沢山あります。 本問は典型的なテーマをベースとしながら、ちょっとしたイレギュラー要素も含んだ問題です。 難易度としては標準だと思いますが、受験生にやらせてみると意外と四苦八苦しています。 この問題を通じて学んでほしいことの1つとして ココがポイント 題意の事象を直接考えるか、余事象を考えるかを判断する。 ということが挙げられます。 この分野では、難易度 ...
最短経路と直進距離に関する考察【隣り合わないように並べる方法】【2012年度 高知大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1),(2)までは典型的な教科書レベルの問題です。 頭を使うのは(3),(4)からで、5m以上の直進があるような最短距離、4m以上の直進があるような最短距離を考えます。 (3)については直進の方向は横方向しかありえませんが、(4)の4mの直進については横方向に加え、縦方向への直進も考えられます。 余事象を使うかどうか 場合分けするとしたら、どのような観点で場合分けするのがスマートか など、色々考え出すと泥沼に嵌まりかねないでし ...