内積と面積【巡回性をもった形】【ベクトルの式変形の勘所】【1985年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巡回性をもったキレイな設定で、最後の面積を与える式もキレイな形をしています。 パッと見て思わず解いてみたくなる問題です。 結果よりも、本問を通じてベクトルの式変形の勘所や、内積の取り扱い方の勘所を得てほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) は \(a=0\) または \(b=0\) または \(c=0\) のときを考えます。 ...
ポンスレの閉形定理【放物線上の3点によってできる三角形の内接円】【1988年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題を読んでみると、「えっ、マジ?」と言いたくなる結果です。 まぁそれもそのはずで、「ポンスレの閉形定理」というものが背景にあります。 ポンスレの閉形定理 2つの2次曲線 \(C_{0}\) , \(C_{1}\) , \(3\) 以上の自然数 \(n\) について \(C_{1}\) 上のある点を1つの頂点として \(C_{0}\) に外接し , \(C_{1}\) に内接する \(n\) 角形が1つでも存在 ...
面積の等分に関する立式【区分求積法についての良問】【2001年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 面積の等分に関する条件をいかに立式するかを考える問題です。 雑味が少なく、ポイントが多すぎないこと まんま公式を当てはめるだけの問題ではなく、ある程度実践レベルであること という意味で、指導者側が教材に使いたい要素満載です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況を図示すると のようになります。 注意したいのは 幅を等分しているわけではない ということです。 最終的な和を扱う ...
コーシー・シュワルツの不等式の証明【示すべき形から方針を決定する】【2011年度 大分大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) コーシー・シュワルツの不等式と呼ばれる有名不等式です。 今は範囲外ですが、行列という分野の中で「ケーリー・ハミルトンの定理」というものがあります。 参考書によっては「ハミルトン・ケーリーの定理」などとも呼ばれており、呼び方論争もあります。 コーシーシュワルツの不等式はシュワルツ・コーシーの不等式とは呼ばれません。 なぜでしょうか? 品川庄司を庄司品川と呼ばないのと同じ理由だと思います。 さて、どうでもいい話はここま ...
円柱と円錐の共通部分の体積【見づらい立体への対応】【2003年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円柱と円錐の共通部分の体積についての問題です。 東大は昔から立体図形を扱った体積に関する出題が目立ちます。 東大に限らず、難関大において定期的に体積に関する出題が見られることも考えると、できるだけ多く経験値を積んでおきたいところです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 体積を求めるためには断面積を把握することになります。 全体像がよくわからない中で、どのように断面積を把握して ...
事象の噛み砕き【方針決定】【対称性の活用】【1995年度 北海道大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ランダムウォークという種類の問題で、本問は言ってみたら \(x=2\) というカーペットの上を通過する確率です。 結局「具体的に何が起こればよいのか」と噛み砕く力や、それを的確に表現する力が必要になります。 確率を勉強するにあたり、本当に磨かなければならないのはこういった根本的な部分です。 本来場合の数・確率の分野は目の前の事象を分析し、何が起こればよいのかを見抜く「その場力」が求められる分野です。 それに対して \(n\) 個 ...
カルダノの公式【汚く見える数の正体が整数】【3次方程式の解の公式】【2009年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一見複雑に見える数が、実はシンプルな数でした、ということを示す問題で、背景には3次方程式の解の公式(カルダノの公式)があります。 本問以外にも類題は多数あり、経験済みという方も多いかもしれません。 大抵誘導が付いていますから、その誘導の流れをきちんと汲み取ることができれば、背景を知らなくとも問題を解くこと自体はそこまで難しくないと思います。 (1) においては \(x^3\) を計算することになると思 ...
図形量の最大最小【正三角形の第1象限の部分の面積の最大最小】【2001年度 岡山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題です。 しかし、やってみれば分かると思いますが、結構スタミナが必要です。 解き終わった感想としては、 決して特別な難問ではないけど、差がつくだろうな と感じました。 まずは自力で行ける部分まで考えてみましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まずは変数の設定ですが、回転を扱うので、素直に角度 \(\theta\) を導入します。 \(\theta\) の範囲 ...
定積分に関する評価と極限【はさむための工夫】【2009年度 大分大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分に関する評価と極限についての問題です。 (1) は基本的な積分計算で、ここは落とせません。 (2) が文句なしの難問です。 まず一般項 \(I_{n}\) は求められません。 ポイント 本人不在の極限は「はさみうちの原理」 難関大志望者であれば、これは必ずインストールしておきましょう。 ただ、求められないという判断をするにあたっては 「求められるものは求められる」と言えることが大切です。 自分の勉強不足で求められないのか、 ...
三角関数に関する方程式の扱い【置き換え型、合成型、中身比べ型】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数に関する方程式について、代表的な処理から、少し凝ったものまで扱います。 三角関数における式変形の指針は 三角関数の式変形の指針 種類の統一 角度の統一 というのが基本です。 また、方程式を処理する代表的なタイプとしては 三角関数の方程式処理の代表例 置き換え型 合成型 中身比べ型 があります。 置き換え型と合成型については、単元学習の段階で触れる機会も多くありますし、その多くが定 ...