実践演習

2021/4/29

指数関数と対数関数の共有点【逆関数同士の交点について注意】【2018年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(y=a^{x}\) と \(y=\log_{a}x\) という逆関数同士のグラフの交点について論じる問題です。 まずは何も見ずにノーヒントでこの問題に対峙してみてください。 恐らく、落とし穴にはまると思いますので。 落とし穴に嵌まりすらせずにギブアップしてしまったという人はそれはそれで問題ですが。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む この年の多くの受験生は (1) の問題において 「逆関数だから \( ...

2022/1/30

三角関数の積の最大値【従属3変数】【1999年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題ですが、多くの解法が考えられ、それぞれ色々な教訓を含んでいるので、一粒で何度もおいしい問題です。 どういう視点からこの問題を捉えるかによって、自然に見える見え方や考え方が変わってきます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 見た目通りの問題と捉えると この問題を見た目通り 「従属な3変数関数の最大問題」 と捉えれば、例えばまずは \(\gamma\) を消去して、\(\alpha\) ,  ...

2021/4/29

カタラン数が素数となるための条件【2021年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回設定されている \(a_{n}=\displaystyle \frac {{}_{2n}\mathrm{C}_n}{n+1}\)  はカタラン数と呼ばれる有名な形の数であり、場合の数や確率の分野でよく登場する数です。 本問は「カタラン数だから何かあるのか?」と変に身構えてしまいかねませんが、「二項係数についての整数問題」と割り切って考えた方がいいでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) ...

2021/7/11

カタラン数【最短経路の応用問題】【2008年度 九州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1) ,  (2) について 最短経路の問題として (1) ,  (2)  についてはきっちりと確保したいレベルの基本問題です。 (3) について 反面、(3) については「カタラン数」という話題にスポットが当たっており、 経験していなければ、その場での発想は不可能 と言ってもよいと思います。 カタラン数の話題を無視して、「純粋に腕力で押し切る」ということもできますので、試験場では腕力で愚直に計算することもできますが、ここではカタラン数とい ...

2021/4/29

フィボナッチ構造の数列と複素数平面【2001年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一見何かあるのだろうかと疑わせるような設定です。 フィボナッチ構造が見える分、何かあるのか?と疑ってしまいますね。 注意 厳密には、\(f_{1}=f_{2}=1 \ , \ f_{n+2}=f_{n+1}+f_{n}\)  と初期条件が 1 ,  1  であるものをフィボナッチ数列と呼びます。 今回は初項が違うので「フィボナッチ構造」という呼び方をすることにします。 東大は一見して、「何かあるのか?」と思わせるような出題がよくあります。 た ...

2021/4/29

複素数平面における対称移動【実部虚部を持ち出すか否か】【2018年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2018年度東京大学理類の第5問で、複素数平面に関する対称移動という話題からスタートし、そこから肉付けがしてあります。 今でも記憶にあるのは、この年に参加した研究会の分析会議で「本問がこの年における最難問である」という意見が多数を占めていたということです。 確かに決して簡単ではないと思いますが、 通常東大受験生が学習しているであろう範囲内の学習で、十分対応可能である内容であるということ 突拍子もない発想を要求されるわけでもないこと 上手い解法 ...

2021/4/21

変数の設定【一般性を失わない設定をする工夫】【2000年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   問題文を見ると、変数らしい設定が何もありません。 自分で分野や変数を設定し、その設定の中で立式・処理を進めていく力は言うまでもなく重要です。 標準的な問題では「~~を \(x\) とする」というように、変数の設定が問題の中で与えられており、どんな文字をベースに立式していくかが明確であることが多いです。 しかし、問題が難しくなってくると、この変数の設定が解く側に課せられることになります。 問題を作る方からすれば、「問いかけ方」とい ...

2021/4/21

直交2接線の交点の軌跡【楕円の準円】【2011年度 信州大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   楕円の準円と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、出典を挙げていくとキリがありません。 具体的な数値の場合も含めると多くの大学で出題されている問題ですが、今回は一般論でもってきました。 具体的な数字でも計算は割と大変なのですが、今回のように一般的に文字で処理するとなると、強靭な計算力と集中力が必要です。 難関大を目指すにあたっては一度は経験しておきたい話題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読 ...

2021/4/21

eの関数的な評価【微分による不等式証明の工夫】【2016年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   2016年度東京大学理系第1問です。 ネイピア数 \(e\) の定義である \(\displaystyle \lim_{ x \to \infty } (1+\displaystyle \frac{1}{x})^{x} = e\) という定義をもとにした問題であろうことは分かると思います。 この年あたりから東大の第1問は「きちんと勉強してきましたか?」というメッセージが聞こえてきそうな基本的な問題が続いていました。 とは言え、「 ...

2021/4/21

外心に関する論証【誘導なしで方針を考える】【2002年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 外心に関する論証問題です。 本問は名古屋大学の問題ですが、雰囲気は京大に近い感じですね。 昔の名古屋大学って結構切れ味が鋭い論証を要求していた時代もあって、個人的に割と好みだったりします。 最近の名古屋大学の問題はスタミナが必要な問題が多くて、昔と比べると問題の雰囲気も変わってきているなと感じます。 本問は誘導がないので、方針を自分で立てる必要があります。 普段の学習においては場当たり的に解くことなく、こういった方向性で進めようという構想をも ...

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