2次方程式と定積分の論証【1982年度 関西大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 個人的に大好きな問題です。 急所に辿り着くと一気に話が進んでいきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まともに考えると 与えられた条件である \(\displaystyle \int_{-1}^{1}|3x^{2}+2ax+b| dx\) の処理が面倒です。 \(y=|3x^{2}+2ax+b|\) のグラフが なのか なのかで話が変わりますし、\(x\) 軸に関して折り返している場合においては と ...
3次方程式と整数解【誘導の活用】【2011年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次方程式が整数解をもつための条件を考える問題です。 試験場補正も踏まえると、差が付くレベルだと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) については問題ないと思います。 微分して \(f'(x)=3x^{2}-6x-4\) ですから \(f'(x)=0\) を考えれば \(x=\displaystyle \frac{3\pm\sqrt{21}}{3}\) を得ます。 (2) について (1) の意味を考え ...
多項式に関する整数問題と論証【1992年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多項式に関する問題で、受験生に解かせてみると四苦八苦する生徒が多い一方で、あっさりと解く生徒もいます。 体感の難易度の温度差は大きい問題だと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1)について ここから差がついてしまいかねません。 帰納法路線だと その場合 \(P_{n+1}(x)=xP_{n}(x)+1\) というように、前段仮定を用いるために\(P_{n}(x)\) に関する漸化式を作ります。 問題の主張 ...
簡易的なポーカー【ストレートとフラッシュの確率】【1995年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題をよくよく観察してみると、トランプのポーカーをモデルにしているということが分かります。 同じ色が揃うというのは、ポーカーでいうと「フラッシュ」ということですし、番号が連続するというのは「ストレート」ということでしょう。 枚数などがオリジナルのルールとは若干違いますが、計算量などの調節のためでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む フラッシュについて まずは、\(P_{n}\)について考えてみます。 例えば赤が ...
自然数の累乗の余り【累乗の余りの周期性】【1999年度 お茶の水女子大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな整数問題で、教訓を多く含む問題です。 場当たり的に解き進めても、腕力がある人はねじ伏せることができるでしょうが、できれば戦略的に解き進めていく態度で解けるようにしたいところです。 (以下ネタバレ注意) +クリック(タップ)して続きを読む 闇雲に帰納法を用いても失敗する 自然数 \(n\) にまつわる証明問題ということで、数学的帰納法にとびついた人もいると思いますが、闇雲に飛びついてもそれは毒饅頭です。 以下失敗例です。 ...
円の弦の通過領域【2円の交点を結ぶ線分】【1994年度 東京都立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円と円の交点を結ぶ線分の通過領域を求める問題です。 円 \(C\) は固定されていますが、円 \(C'\) の動きは点 \((1 \ , \ 0)\) を通りながら動くというパッと見よく分からない動き方をします。 円 \(C'\) の動きは式的にかろうじて追うことができるでしょう。 その動きに伴う共有弦の動きを細かな部分まで目で追いきるとなると限界があるでしょう。 そのあたりをどのように扱うかは、経験がモノをいいます。 通過領域の根本的な考え ...
直線の通過領域、線分の通過領域【2009年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難関大頻出の話題である「通過領域」の問題の中でも、一番シンプルな「直線の通過領域」について考えます。 さらに、その延長にある「線分の通過領域」についても扱います。 なお、通過領域に関する根本的な考え方については で扱っていますので、考え方の根っこについて押さえたい人はそちらを参考にしてください。 本問は逆像法のココロはおさえた上で、線分の通過領域というワンパンチあるテーマを考えるということで、「実践演習」の方で扱います。 (以下ネタバレ注意) ...
線形計画法の問題をスマートに処理する考え方【2002年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回、本問を通じて 線形計画法の問題に対するアプローチについて考えてみます。 今回、文字 \(a\) が入っているため、場合分けが発生することは予見できると思います。 このような場合分けが必要な線形計画法の問題に対して、 王道的に倒す方法 スマートに処理する方法 を紹介します。 ただ、王道的な考え方については 参考 で紹介していますので、考え方そのものについてはそちらの記事に任せます。 (解答では【戦略1】【解1】で王道的な路線でやったあと、 ...
動点の存在範囲【直線のベクトル方程式の拡張】【1976年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は当時の受験生が試験直後、 「これどうやって解くの?」 とざわついた問題だそうです。 確かに一見、掴みどころのない問題に見えますが、手を動かしていくうちに「要領」は分かってくるでしょう。 ただ、それをうまく言語化する、あるいは式に落とし込む部分が難しく、腕の見せ所です。 本問は東大お得意の「これは基本だよね?じゃあこうなったらどうする?」という味付けの問題で良問です。 ただ、ストレートではなく、少々薄皮一枚かぶせたような聞き方(問い方)を ...
ベクトルと整数問題【正射影ベクトルの扱い】【1989年度 新潟大学ほか】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正射影ベクトルの扱いから入り、そこから整数問題チックなオチに着地するという気持ちの良い問題です。 ただし、(1) の正射影ベクトルの扱いで躓いてしまうと、(2) , (3) まで進めないため、最後のオチのキレイさを感じることはできません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 正射影ベクトルについて というように \(\vec{b}\) を \(\vec{a}\) の方向に正射影した正射影ベ ...