微分方程式【積分因子法】【2000年度 東京理科大学】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分方程式は厳密には教科書範囲では発展扱いとなっていますが、知識の差で出来具合が大きくならないように誘導をつけて出題されることはしばしばあります。 1階の微分方程式の有名な解法としては 変数分離法 積分因子法 というものがありますが、今回は「積分因子法」に焦点を当てていきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) は「関数方程式」として見ることになります。 恒等式と見ることになり ...
点が三角形の内部に存在するための条件【ガウス・ルーカスの定理】【2000年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数は 数値として扱えつつ、ベクトルとして幾何的にも扱える という性質をもっているがゆえに、様々な解法が考えられる分野です。 多くの問題では \(z=x+yi\) などと「実部、虚部」を持ち出し、\(xy\) 平面の話に帰着させることで、慣れ親しんだ座標の話題に帰着させて考えても押し切れてしまいます。 複素数を複素数のまま扱うのか、実部、虚部を持ち出して処理するのかについては、この分野の方針決定上大きな路線選択です。 (以下ネタバレ注意) ...
空間座標の設定の工夫【立方体を対角に切断した面上の円】【1988年度 信州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間図形の問題ですが、料理の仕方によっては差が出るでしょう。 設定力が完答できるかどうかに直結します。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 立方体の問題で座標を設定しようと思うと 通常、立方体に対して座標を設定するとなると といったように、立方体の辺に沿って座標軸を設定するのが普通です。 しかし、今回はそれだと題意の円上の点 \(P\) の座標を表現するのが大変です。 題意の円を簡潔に表現するためには 動 ...
回転体の回転体【タイヤの回転体】【2011年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 平面内の長方形を回転させ、出来上がった回転体をさらに回転させるという問題です。 空間座標における回転体に習熟している必要があり、やるべきこと(目の付け所)がしっかりと自分のものになっていれば確保できますが、そうでない場合はインプットをしっかりとした上で、アウトプットをこなすことで「血となり肉となる」状態を作り上げましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について (1) については \(xy ...
不等式の証明【n変数の不等式】【1997年度 愛媛大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) 個の数 \(x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) , \(x_{n}\) に関する不等式証明で、見た目はキレイに循環している形です。 見た感じ、差を取ってどうのこうのできるようには思えませんし、通分しようものなら大騒ぎになります。 この与えられた形を活かす方向で考えていきたいところです。 本問は解答自体はアッサリしており、 聞けば簡単、解くのは大変 というタイプの問題なので、ネタバレしてし ...
不等式から文字を消去する技巧【名前をつけて等式化】【1998年度 鹿児島経済大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 等式と不等式とどちらが扱いやすいかと言えば、等式の方が扱いやすいと感じる人が多数派でしょう。 今回、不等式を等式の話にすることで、話を明確化することができるような問題を扱います。 どちらかと言うと技巧的なものですし、試験場での再現性が高いかというと決して高くないとは思います。 ただ、知ってて損はないでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 与えられた不等式の形は見づらい 今回与えられた不等式の形は見 ...
極と極線【調和点列に関する話題】【1981年度 大分医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 極、極線という有名な構図があります。 その構図に関する有名事実をネタにした問題です。 工夫なしで立ち向かうとなると厳しい計算に襲われるかと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まずは座標設定 とりあえずは座標を設定したいところです。 \(P\)\((p \ , \ 0)\) \((p \gt 1)\) などと設定するのが自然でしょうか。 \(P\) , \(Q\) , \(R\) , \( ...
√nの小数部分の評価【小数首位について】【2019年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sqrt{n}=*.0***\cdots\) というタイプの数になるような \(n\) について考えよという問題です。 \(\sqrt{2}=1.4142\cdots\) , \(\sqrt{3}=1.732\cdots\) と近似値を覚えている範囲は限界があるでしょうから、どこかで論理的に導出する必要が出てきます。 難易度の感じ方に差がある問題だと思います。 この年の名古屋大学の受験生からは本問の出来は微妙だったという声がよく聞こえ ...
相反方程式【解き方の確認と周辺知識の足固め】【2011年度 名城大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 係数が左右対称となっているような方程式を 相反(そうはん)方程式 と言います。 ノーヒントかつ初見だとアタフタしますが、大抵誘導がついています。 とは言え仮にノーヒントであったとしてもある程度は対応できるように準備はしておきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 偶数次相反方程式の特徴 今回の例題をもとにしますが、偶数次の相反方程式の特効薬は 偶数次の相反方程式の特効薬 真ん中で割る という態度に ...
帰納法の前段仮定【一昨日昨日(帰納)法】【人生帰納法】【2013年度 東京工業大学】【1998年度 大阪府立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 帰納法の肝である「前段仮定」について考える問題です。 通常の帰納法 昨日法 \(n=k\) のときの成立を仮定して、\(n=k+1\) のときの成立を目指す というタイプは、ダジャレで「昨日法」と呼ばれているそうです。 (前日(昨日)を仮定して今日を示すというニュアンスも込められているらしいです。) それに対して 一昨日昨日法 \(n=k\) , \(k+1\) のときの成立を仮定して、\(n=k+2\) のときの成立を目指す というタイプ ...