実践演習

2021/9/16

楕円と双曲線の交点と極限【2005年度 広島大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円と双曲線の交点の座標と極限を絡めた問題です。 基本的な極限計算の運用を試す適度なレベルの問題だと思います。 その思いとは裏腹に入試間近の難関大受験生に解かせてみると、指導者側が想定しているよりもグダグダの受験生が多いことに驚かされます。 なので、結局合否を分けるのは、本問のような標準レベルの問題なのでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 交点の座標は導出可能 今回の題意の交点は $$\begi ...

2021/9/15

離心率【定点と定直線からの距離の比】【2000年度 宇都宮大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次曲線 ( 放物線、楕円、双曲線 ) の統一的な幾何的性質を象徴する「離心率」についてを考える問題です。 離心率の定義は以下のようになります。 定点 \(\mathrm{F}\) と定直線 \(l\) がある。 また、点 \(\mathrm{P}\) から \(l\) へ下ろした垂線の足を \(\mathrm{H}\) とする。 点 \(\mathrm{P}\) と点 \(\mathrm{F}\) の距離 \(\mathrm{PF}\)と、 ...

2021/9/12

シャピロの巡回不等式【n=4のときの証明とその応用】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難問です。 誘導があれば別ですが、今回は敢えて誘導なしで考えてみてほしいと思います。 ノーヒントで出題する大学があれば、鬼舞辻以上の鬼です。 仮に出題されたとしても、ほとんどの受験生は撃沈すると思いますので差はつかないでしょう。 「これ解かせる気ないだろ」というような出題の仕方は、あんまり自分の好みではないですが、たまにはウンウン唸る時間も必要です。 正直に言うと、自分は本問の背景にある「シャピロの巡回不等式」というものを知っていたため、純粋 ...

2021/9/12

チェビシェフの不等式【2017年度 立正大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの不等式と呼ばれる有名不等式を背景にもつ問題です。 例題の (1) ,  (2) の結果を拡張したものがチェビシェフの不等式で、入試においては本問のような具体例に対しての出題が目立ちます。 もちろん、テーマ性のある話題なので、うまく考える方法もありますが、試験場では愚直にゴリゴリ進めていってもたかが知れています。 例題はさらに欲張って (3) で 「Nesbitt ( ...

2021/9/10

合成関数と割り算【複2次式の割り算とその発展】【1999年度 防衛大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はすぐに読み取れるでしょう。 例題に関しては正直煮るなり焼くなり色々出来ると思います。 どちらかというと例題は噛ませ犬的な立ち位置で、実際に考えてもらいたいのは類題の方です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 例題について 例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方針1:頭とケツを見て因数分解 ひとまず、 ...

2021/9/10

ルートに関する絶対不等式【解法の守備範囲】【2000年度 鳴門教育大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ルートが絡んだ絶対不等式に関する問題です。 例題と類題を並べてみて、違いが分かるでしょうか。 例題、類題共に様々な解法がありますが、例題で学んだ解法をそのまま類題に適用しようとすると、方針によっては中々大変だったりします。 試験場で自分が選択する解法は一通りだと思いますが、普段の学習において別解を色々考えてみることや、比較検討することは大切なことです。 もちろん、今述べたことは基 ...

2021/9/9

実数解の個数【色々見えるn次方程式】【1994年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方程式の実数解の個数を数えるというテーマとしてはよくある話題です。 ただなまじ色々見える分、方針決定が難しく、押し通すにしてもそれなりに腕力が必要なので、各方針の引き際を見極めるのが難しいと思います。 試験場ではこういった 色々見えるものがあり、うまくやろうと試みたが結局うまくいかず、愚直にゴリゴリ進めるのが最善だった という類の問題が厄介です。 特に本問は「作為めいた匂いのする設定」が見た目から漂ってきます。 (以下ネタバレ注意) &nbs ...

2021/9/8

複素数平面上の4点が同一円周上にある条件【2001年度 名古屋大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上の4点が同一円周上にあるための条件を考えるという問題で、この分野の有名事実の一つです。 幾何的な見方と、複素数を道具として使いこなす力とがバランスよく盛り込まれています。 問題のために作られた問題という作為めいたものはなく、どちらかというと古典的な内容です。 本問そのものが出題されるかどうかという目先の問題ではなく、本問に含まれる教訓を吸収してやるという意気込みで取り ...

2021/9/7

ベータ関数【6分の1公式などの拡張】【2015年度 横浜市立大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 通称 \(\displaystyle \frac{1}{6}\) 公式や \(\displaystyle \frac{1}{12}\) 公式と呼ばれる積分公式の一般化であるオイラーの第一種積分、ベータ関数がバックボーンにある問題を扱います。 これらの名前は入試的には無理に覚えなくてもいいですが、シナリオについては難関大受験生としては一度は経験しておきたいです。 入試段階では「こんな話題だな」という頭のラベル付けとして覚えるぐらいの感覚で十分で ...

2021/9/6

リプシッツ連続【全称命題とその運用】【2004年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 必ず成り立つ不等式を文字通り絶対不等式と言います。 本問はある程度の演習をこなしている人からすると、あるものがインスピレーションされると思います。 そして、本問の \(k\) の最小値について予測できてしまうとも思います。 ただし、細かな部分まで詰めていこうとすると結構ウルサイ問題です。 採点基準にもよりますが、自分の手ごたえと実際の得点率にはギャップがある問題かもしれません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 形的 ...

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