三角関数の直交性【1994年度 九州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数の直交性を基にした問題です。 「関数が直交?どういうこと?」 と思うかもしれません。 このあたりは、より抽象的に定義されるベクトル空間というものを学習しないとピンとこないものがあります。 背伸びをして中途半端に知ったかぶってもロクなことはありませんが、この先大学ではこういう世界が待っているということを垣間見て興味を抱きたいという意欲はWelcomeです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) ...
2^x=x^2の有理数解【曲線と曲線の位置関係】【2015年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{x}=x^{2}\) という指数関数に関する方程式の有理数解を求めるという分かりやすい題意です。 その過程で色々教訓になることを含んでいますので、本問を題材としてその教訓について見ていきたいと思います。 丁寧な誘導がついていますから、問題を解くこと自体は無理がないレベルで入試問題としては標準的な問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 微分するだけと言ってしまえばそれまで ...
有名曲線【アルキメデスの螺旋(渦巻線)】【2002年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) アルキメデスの螺旋(渦巻線)と呼ばれる有名曲線を扱った問題です。 アルキメデスの螺旋 \(a\) を \(a \gt 0\) なる定数としたとき、極方程式 \(r=a \theta\) で与えられる曲線をアルキメデスの螺旋(渦巻線)と言います。 本問はアルキメデスの螺旋の弧長について計算させる問題です。 結局差が付くのは最後の積分計算でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 良くも ...
極大値と極小値の和・差【対称式・交代式の扱い】【2008年度 南山大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 極大値と極小値の和と差について考える問題です。 工夫の余地もあるトピックスなので、できればそちらも自分の血となり肉となる状態を目指していきたいところです。 ただ、緊張した試験場において何かの拍子でとんでしまっても、真正面から解ききるだけの地力はつけておく必要があります。 要するに欲張って色々勉強したいトピックスと ...
オイラーの定数【調和級数と対数関数の誤差】【2010年度 大阪医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オイラーの定数 \(\displaystyle \lim_{n \to \infty}\{(1+\displaystyle \frac{1}{2}+\cdots+\displaystyle \frac{1}{n})-\log{n}\}\) は収束し、その極限値 \(\gamma\) は \(\gamma=0.5772\cdots\) という値となり、オイラーの定数と呼ばれる。 という調和級数と対数関数の差に関する極限についての有名トピックスで ...
有名曲線【デカルトの正葉線】【2015年度 横浜市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) デカルトの正葉線という曲線についての問題です。 項目的には極座標で表された曲線が囲む面積ということになります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 極方程式について 与えられた \(x^{3}-3axy+y^{3}=0\) に \(x=r\cos{\theta}\) , \(y=r\sin{\theta}\) を代入すると \(r^{2}\{r(\cos^{3}{\theta}+\sin^{3}{\th ...
区分求積法と誤差についての評価【2006年度 芝浦工業大ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 区分求積法に関わる極限を考える問題です。 (1) , (2) そのものは教科書の練習問題レベルなのですが、(3) が中々の曲者です。 一見モブキャラに見える (1) , (2) を活用するわけなのですが、その活用の仕方が問題です。 誘導設問の結果を利用するのではなく、「なぜこれを考えさせるのか」という設問の意味にまで目を光らせていないと中々とっかかりが見えないと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続き ...
不等式証明と大小比較【2009年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式証明と、それを利用する数値の大小比較の問題です。 (1) の不等式証明から結構ハードです。 (2) も (1) の単純な運用では中々うまくいきません。 せめて (1) を利用して (2) だけでもチャチャっと片付けようとした人からすれば「よもやよもや」でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について ひとまず、\(\log{ \ }\) をとりたくなるでしょう。 そうなると \((1 ...
増減表の継ぎはぎ【2007年度 東京理科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) たかが微分、されど微分。 難関大受験生にとっては方針面で困ることはないでしょうが、試験場だと頭に血がのぼるタイプの問題です。 「いかに解決するか」というよりも、「いかに落ち着いて整理するか」といった工夫面での勝負となるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 和積公式の証明ですが、加法定理を用いてというのは、難関大受験生にとっては余計なお世話でしょう。 「普段から作っとるわい」 という感想がもて ...
楕円と双曲線の交点と極限【2005年度 広島大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円と双曲線の交点の座標と極限を絡めた問題です。 基本的な極限計算の運用を試す適度なレベルの問題だと思います。 その思いとは裏腹に入試間近の難関大受験生に解かせてみると、指導者側が想定しているよりもグダグダの受験生が多いことに驚かされます。 なので、結局合否を分けるのは、本問のような標準レベルの問題なのでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 交点の座標は導出可能 今回の題意の交点は $$\begi ...