方程式・不等式・関数系

2021/9/15

離心率【定点と定直線からの距離の比】【2000年度 宇都宮大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次曲線 ( 放物線、楕円、双曲線 ) の統一的な幾何的性質を象徴する「離心率」についてを考える問題です。 離心率の定義は以下のようになります。 定点 \(\mathrm{F}\) と定直線 \(l\) がある。 また、点 \(\mathrm{P}\) から \(l\) へ下ろした垂線の足を \(\mathrm{H}\) とする。 点 \(\mathrm{P}\) と点 \(\mathrm{F}\) の距離 \(\mathrm{PF}\)と、 ...

2021/9/12

シャピロの巡回不等式【n=4のときの証明とその応用】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難問です。 誘導があれば別ですが、今回は敢えて誘導なしで考えてみてほしいと思います。 ノーヒントで出題する大学があれば、鬼舞辻以上の鬼です。 仮に出題されたとしても、ほとんどの受験生は撃沈すると思いますので差はつかないでしょう。 「これ解かせる気ないだろ」というような出題の仕方は、あんまり自分の好みではないですが、たまにはウンウン唸る時間も必要です。 正直に言うと、自分は本問の背景にある「シャピロの巡回不等式」というものを知っていたため、純粋 ...

2021/9/12

チェビシェフの不等式【2017年度 立正大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの不等式と呼ばれる有名不等式を背景にもつ問題です。 例題の (1) ,  (2) の結果を拡張したものがチェビシェフの不等式で、入試においては本問のような具体例に対しての出題が目立ちます。 もちろん、テーマ性のある話題なので、うまく考える方法もありますが、試験場では愚直にゴリゴリ進めていってもたかが知れています。 例題はさらに欲張って (3) で 「Nesbitt ( ...

2021/9/10

合成関数と割り算【複2次式の割り算とその発展】【1999年度 防衛大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はすぐに読み取れるでしょう。 例題に関しては正直煮るなり焼くなり色々出来ると思います。 どちらかというと例題は噛ませ犬的な立ち位置で、実際に考えてもらいたいのは類題の方です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 例題について 例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方針1:頭とケツを見て因数分解 ひとまず、 ...

2021/9/10

ルートに関する絶対不等式【解法の守備範囲】【2000年度 鳴門教育大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ルートが絡んだ絶対不等式に関する問題です。 例題と類題を並べてみて、違いが分かるでしょうか。 例題、類題共に様々な解法がありますが、例題で学んだ解法をそのまま類題に適用しようとすると、方針によっては中々大変だったりします。 試験場で自分が選択する解法は一通りだと思いますが、普段の学習において別解を色々考えてみることや、比較検討することは大切なことです。 もちろん、今述べたことは基 ...

2021/11/26

図形版予選決勝法【どちらの文字を先に固定するか】【1997年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題です。 本問は試験場においては確保したいレベルの問題なのですが、確保するにしても手際の良さがわかれる要素を含んでいます。 本問を通じて持って帰りたい教訓は2点ほどあります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況を図示すると 与えられたシチュエーションを図示すると のような状況となります。 多分、この絵をかくときに、 \(P\) をまずかいて、その次に \(Q\) をかく という順番でかくと思います。 ...

2021/8/26

対称性についての難問【消去する文字の判断】【1993年度 東京都立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 対称性について考えさせられる問題です。 対称性を見落とさないことは数学において非常に大事な着眼点の一つです。 本問は一見対称性があるように見えますが、深く考えずに進めていくと手が止まる瞬間がやってくると思います。 完答するためにはどこかしらで何かしらの対応力が必要です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 基本は文字消去 基本 条件一つで1文字消去 という原則にしたがって、文字を消したいと思うのが人情でし ...

2021/8/21

4次関数を2つの2次関数の合成で表す【2006年度 京都府立医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オマージュ問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般性の高い4次関数を2つの2次関数の合成で表すということをテーマとした問題です。 原題の (2) は (1) をヒントにして地道に解くこともできますが え、ナニコレ、オシッコちびる という解法もあります。 私は最初ちびりました。 当時ちびった勢いで作ったオマージュ問題もあったので、よかったらどうぞ。 オマージュ問題だけだとただの自己満足になってしまいますので、原題と併 ...

2021/8/12

補間多項式の考え方【マルコフの不等式】【1981年度 学習院大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) マルコフの不等式と呼ばれる次の定理 マルコフの不等式 \(f(x)\) を高々 \(n\) 次の整式とする。 \(-1 \leq x \leq 1\) において、\(|f(x)| \leq M\) ,  \(|f'(x)| \leq M'\) としたとき \(M' \leq n^{2}M\) が成り立つ。 という定理の \(n=2\) の場合の証明です。 古典的な内容であり、話の進め方も独特なものがありますから初見で対応するのは難しいと思いま ...

2021/7/30

n次方程式の解の限界【掛谷の定理】【1975年度早稲田大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題3はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   \(n\) 次方程式の解の限界を係数を用いて考えるという古典的な話題です。 係数を見ただけで、その \(n\) 次方程式の解の限界が判断できるとなれば、それは結構有用性がありますね。 まずは2次方程式という具体的な場合についてを例題と ...

© 2024 MathClinic