方程式・不等式・関数系

2021/5/8

ワイエルシュトラスの置換【三角関数のうまい置き換え】【2004年度 山口大学ほか】

  今回は「ワイエルシュトラスの置換」と呼ばれる有名な置換を用いた問題を扱います。   ワイエルシュトラスの置換とは ワイエルシュトラスの置換とは ワイエルシュトラスの置換 \(\tan{\displaystyle \frac{\theta}{2}}=t\) とおいたとき、 \(\sin{\theta}=\displaystyle \frac{2t}{1+t^{2}}\) \(\cos{\theta}=\displaystyle \frac{1-t^{2}}{1+t^{2}}\) \( ...

2021/4/29

単位円上の複素数【条件をどう効かすか】【2005年度 弘前大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 単位円上にある複素数 \(\alpha\) ,  \(\beta\) ,  \(\gamma\) についての性質について考える問題です。 \(|\alpha|=|\beta|=|\gamma|=1\) という条件をどう効かすかという部分について考えてみてください。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 基本路線 \(z=\displaystyle \frac{(\alpha+\beta)(\beta+\ga ...

2021/4/27

焦点を共有する楕円と双曲線の性質【楕円と双曲線の光学的性質】【2007年度 北海道大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 有名な2次曲線の性質の問題です。 背景には「楕円と双曲線の光学的性質」があります。   楕円の光学的性質   \(F\) から出た光は \(F'\) に向かって反射します。 つまり、接線 \(l_{1}\) は \(\angle FPF'\) の外角の二等分線です。   双曲線の光学的性質     \(F\) から出た光は \(\overrightarrow{ F'P }\) 方向に反射します ...

2022/1/30

三角関数の積の最大値【従属3変数】【1999年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題ですが、多くの解法が考えられ、それぞれ色々な教訓を含んでいるので、一粒で何度もおいしい問題です。 どういう視点からこの問題を捉えるかによって、自然に見える見え方や考え方が変わってきます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 見た目通りの問題と捉えると この問題を見た目通り 「従属な3変数関数の最大問題」 と捉えれば、例えばまずは \(\gamma\) を消去して、\(\alpha\) ,  ...

2021/4/29

複素数平面における対称移動【実部虚部を持ち出すか否か】【2018年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2018年度東京大学理類の第5問で、複素数平面に関する対称移動という話題からスタートし、そこから肉付けがしてあります。 今でも記憶にあるのは、この年に参加した研究会の分析会議で「本問がこの年における最難問である」という意見が多数を占めていたということです。 確かに決して簡単ではないと思いますが、 通常東大受験生が学習しているであろう範囲内の学習で、十分対応可能である内容であるということ 突拍子もない発想を要求されるわけでもないこと 上手い解法 ...

2021/4/21

直交2接線の交点の軌跡【楕円の準円】【2011年度 信州大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   楕円の準円と呼ばれる有名テーマを扱った問題で、出典を挙げていくとキリがありません。 具体的な数値の場合も含めると多くの大学で出題されている問題ですが、今回は一般論でもってきました。 具体的な数字でも計算は割と大変なのですが、今回のように一般的に文字で処理するとなると、強靭な計算力と集中力が必要です。 難関大を目指すにあたっては一度は経験しておきたい話題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読 ...

2021/6/25

有理数に関する論証【うまい見方と、見れなかった場合のリカバリー】【2016年度 三重大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   有理数、無理数に関する論証は、証明問題であれば結果が分かっているのですが、真偽から判定させるような問題であると判断ミス一つで証明も反例も出せなくなります。 基本的には疑ってかかりましょう。 指導していて思うことですが、単元学習の段階だと、反例を出す力が乏しい人が目立ちます。 有名な反例については一通り経験しておくことが大切です。 「だってこういうことだってあるかもしれないよ」 という力は、もっと言えば「意地悪力」です。 基本的に ...

2021/4/21

放物線上の3点による正三角形【座標平面における角度の扱い】【2004年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   2004年度の東京大学理系第1問です。 本問は見た目からするとシンプルな問題なのですが、意外と手こずる相手です。 厄介なことに、ある程度の部分まではスイスイと手が動いていくので、逃げなければいけない問題にも見えず、深追いして時間だけを失いかねない恐ろしさもあります。 実際第1問という位置取りも相まってか、本問に時間をかけすぎて全体の時間配分が狂ってしまったという受験生も多く、沢山の受験生を翻弄した問題として有名です。 (以下ネタ ...

2021/4/21

円に内接する正方形の頂点を通る3次曲線【対称性を活用する】【1991年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   一般性が高い設定のため、文字数が多く、処理をうまくやらないとグチャグチャになってしまいます。 一方で対称性も高い設定ですから、それを活かす方向で処理していくことを考えます。 この対称性をうまく利用しないと、文字の多さだけが残ってしまうという最悪の結果となってしまいます。 対称性を意識しなくても 「あぁ、よくよく考えれば対称性があるな。この結果はそりゃそうか。」 という部分もありますが、意識して処理しないと、処理量が膨らむという要 ...

2021/4/18

桁数問題【イレギュラーへの対応】【1989年度 金沢大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   桁数に関する問題です。まずは教科書レベルの基本的な桁数問題を通じて、常用対数の運用の仕方をきちんと学習する必要があります。 その上で本問はちょっとしたイレギュラーにも対応する力が問われる実践的な問題です。 もう少し基礎的な例題で確認したい方は以下の「+マーク」をクリック(タップ)して確認してください。   + クリック(タップ)して基礎を確認する 例えば、 \(3^{2021}\) の桁数を求めよ。 ただし、\(\lo ...

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