Kenichiro Iwata

【モットー】:凡人の数学 ☛大学入試の数学は「正しく」勉強すれば報われることを伝えたいと思います。 【生業】:大学受験指導 【経歴】:名古屋大学理学部数理学科卒 【目標】:サイト名に込めました。(現在目標達成に向けて日々邁進)

2022/11/26

分数形の桁数計算【2006年度 宮崎大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 分数の形をした整数の桁数計算についての問題です。 機械的な桁数計算しかしていないと、こういった問題がボディーブローのように「ウッ」となるやもしれません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:2の累乗で挟む \(p\) を実際に計算するのは実質無理筋ですし、このまま \(\log_{10}p\) を計算するにしても、\(+1\) の部分や \(\displaystyle \frac{ \ }{17} ...

2022/11/20

有理数の生成と可算性【カルキン・ウィルフ・ツリー】【2019年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「カルキン・ウィルフ・ツリー」と呼ばれる有理数の生成に関する不思議な樹形図の問題です。 この年の大阪大学のセットの中で最難問とも名高い問題で、機械的なマニュアル君は手も足も出ない可能性があります。 鋭い人は「当たり前じゃん」とさえ思える内容なのですが、どのように言語化するべきなのかも難しいでしょう。 数学でぶん殴りたいという受験生以外の人にとっては、合否に直結する問題ではないかもしれませんが、普段の学習においてはこういう問題に対して粘り強く考 ...

2022/11/17

解けない漸化式と不等式証明【1984年度 高考】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 高考(ガオカオ)という中国の入試問題からの問題です。 ある友人に解いてくれと言われ、解いてみたわけですが味付けが日本のものとは異なり、不思議な味わいをもった問題でした。 (1) ,  (2) ,  (3) までは日本の入試問題でもよくあるような問題なのですが、(4) が言葉にできない不思議な気持ちよさがあります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 漸化式が与えられている状況であり、 数 ...

2022/12/11

仮想難関大(オリジナル予想問題)【微積分~面積比一定問題~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は微積分の問題です。 \(y=xe^{nx}\) という関数の面白い性質を問いにしました。 基本的な微積分の練習問題としてご活用ください。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ( ...

2022/11/9

仮想難関大(オリジナル予想問題)【確率~最後の赤球~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は確率の問題です。 シンプルな題意とは裏腹に意外と考えにくさがあると思います。 切れ味鋭く切れ込む解答を見ると、京大らしく感じるでしょうし、愚直に進めるとスタミナが必要な東大らしさを感じると思います。 (以下ネタバレ ...

2022/11/6

最大公約数と最小公倍数に関する不定方程式【2021年度 横浜市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 最大公約数と最小公倍数に関する不定方程式を解く問題です。 整数問題に対する基本的な手法を確認するとともに、最大公約数、最小公倍数に関する基本的な関係をしっかりと確認しましょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 最初の心構え ひとまず \((L+G)(L-G)=2^{3} \cdot 3^{2}\) と因数分解し、積の形を作って 約数を拾う という整数問題の基本を狙っていくのが自然でしょう。 手際が多少 ...

2022/11/2

2文字の不等式証明【特徴を捉える】【1982年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2文字を含んだ不等式の証明問題を扱います。 今回は目に付く特徴によって様々な解法が考えられます。 何が自然に見えるかは人それぞれかと思います。 試験場でとれる解法は一通りですが、家で訓練のために解く演習段階ではぜひ色々な解法を考えてみてください。 (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:予選決勝法 今回の2文字 \(a\) ,  \(b\) は大小関係こそあるものの独立に動きます。 独立 ...

2022/10/28

ニュートンの補間法【1995年度 甲南大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ニュートンの補間法と呼ばれるものが背景にある問題を扱います。 問題を解くこと自体はできるかもしれませんが、どこからそんな発想が出てきたのかは中々難しいものがあると思います。 多項式を代入値で表すという独特の考え方であり、過去の数学者たちの知恵のようなものですから勉強していないと天下り的に感じるのも無理はありません。 ひとまずは問題を解くことに集中し、余裕があればこの問題の出どころを見てみましょう。 ニュートンの補間法についての知識そのものが劇 ...

2022/10/22

2乗和と1乗和の解法選択【1993年度 一橋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 単位円上の4点 \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) ,  \(\mathrm{C}\) ,  \(\mathrm{P}\) について \({\mathrm{PA}}^{2}+{\mathrm{PB}}^{2}+{\mathrm{PC}}^{2}\) \({\mathrm{PA}}+{\mathrm{PB}}+{\mathrm{PC}}\) という2乗和、1乗和について扱う問題です。 2乗和、1乗和によって取りたく ...

2022/10/17

ルーローの三角形【頂点の軌跡】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ルーローの三角形と呼ばれる有名図形を扱った問題です。 出典は1987年度の某全国模試です。 本問のオチは原点にあるルーローの三角形の一頂点の軌跡を捉え、その曲線の長さを求めるという問題です。 頭の中でどのような動きをするのかを追っていく必要があり、動的処理から逃げることはできません。 ロータリーエンジンの原理にも使われていたり、パナソニックのルーロという掃除機もこのルーローの三角形が元となっているなど、実用的にも色々応用されています。 (以下 ...

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