Kenichiro Iwata

【モットー】:凡人の数学 ☛大学入試の数学は「正しく」勉強すれば報われることを伝えたいと思います。 【生業】:大学受験指導 【経歴】:名古屋大学理学部数理学科卒 【目標】:サイト名に込めました。(現在目標達成に向けて日々邁進)

2021/4/17

ベクトルとしての視点or幾何的な視点【分野の選択】【2009年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   図形の問題は「ベクトル」「幾何」「座標」など、様々な分野からのアプローチが考えられます。 難関大志望者は、問題に応じて「どの分野のまな板の上で料理するか」を日頃から意識し、訓練しておくことが大切です。 本問は \(\vec{ a } \cdot \overrightarrow{ OP }=-\vec{ b } \cdot \overrightarrow{ OP }\)  という条件をどう料理するかが山場であり、考えがいのあるポイ ...

2021/4/17

予選決勝法と固定の方法【円上の2点を固定する工夫】【1972年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな問題ですが、泥沼に嵌まりかねない問題です。 手なりに文字を設定すると \(A (\cos \alpha , \sin \alpha)\) \(B(\sqrt{ 3 } \cos \beta , \sqrt{ 3 } \sin\beta)\) \(C(\sqrt{ 3 } \cos \gamma , \sqrt{ 3 } \sin\gamma)\) とおくと思います。 もちろんここから三角形 ABC の面積を出して、独立3変数関数の最 ...

2021/4/17

計算できないシグマとその評価方法【1999年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     計算できないシグマと、その評価方法についての問題です。 評価とは「大小を比較して不等号をつないでいく」ことです。 (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む (1) の結果を活用すると、示すべき不等式が $$\displaystyle \sum_{k=1}^n \displaystyle \frac{1}{k^2+1}  \lt \frac{8}{5}$$ というところま ...

2021/4/17

球の内部かつ正四面体の表面部分の総面積【題意の言いかえ】【1993年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   幾何についての考察力が問われる問題です。 点 \(A\) , \(B\) を定点としたとき、\(\angle APB \gt 90°\)  を満たす点 \(P\) の集合について考えます。 2次元の話だと線分 \(AB\) を直径とする円の内部であることは大丈夫だと思います。 これを3次元の話に拡張すれば、線分 \(AB\) を直径とする球の内部ということを見抜くこともそこまで難しい話ではないはずです。 (1)では定点 \(A\ ...

2021/4/17

空間座標における回転体の体積【円錐の回転体の体積とその工夫】【2017年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   (1) は難関大志望者であれば、特に手が止まることはないでしょう。 点 \(P\) の軌跡が円となることも容易に把握できると思います。 問題は (2) です。 点 \(Q\) が \(OQ=1\) を満たしながら、平面 \(x=0\) を動くということは, 点 \(Q\) は原点 \(O\) を中心として平面 \(x=0\) で回転しています。 線分 \(OP\) とはいわば円錐の「母線」です。 点 \(Q\)  の回転に伴って ...

2021/4/17

大小比較と不等式証明【下る方向へ帰納的に考える】【実験と予想】【1999年度 和歌山大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   \(3^3+4^3+5^3=6^3\) を満たしているので、(1) は (2) の具体例です。 つまり  \(n=3\) のときは   \(a^n+b^n+c^n=d^n\) だということが分かります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 当然じゃあ  \(n=1\) のときは?  \(n=2\) のときは?  \(n=4\) のときは?\(\cdots\) という興味が湧きますから、調べて ...

2021/4/17

サイコロの目によって作られる無限小数【難問】【1990年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     1990年度の東京大学の問題で、この年は東大の歴代前期試験の中でも凶悪な難易度を誇った年として有名です。 この問題も強靭な思考力と粘り強さ、そして考えを的確に表現する力など、かなりの総合力を求められます。   「十分な回数サイコロを投げ、出た目を末尾にどんどん追加して作った数字が、\(\alpha\) 以下となる確率」 と、題意としてはシンプルですが、やってみると  " 言葉にできないもどかしさ "  を ...

2021/4/17

確率についての分野融合問題【条件付き2変数関数との融合問題】【1992年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   本問は確率の要素はあまりなく、\(P (a,b,c)\) を立式すること自体そんなに難しくありません。 問われているのは、その立式後の「式の扱い」についてです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ココがポイント \(ab+bc+ca=\frac{1}{2}\{(a+b+c)^2-(a^2+b^2+c^2)\}\) はたびたび登場する式変形なので、常識化しておきたいところです。 そもそもなの ...

2021/4/16

数学的帰納法と背理法 第4講【隠れた補題に気が付けるか】【2004年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   「数学的帰納法と背理法」シリーズの4弾目です。 このシリーズの一覧はこちら   本問は前回までのシナリオをベースとしながらも、さらに見抜くべきことや示すべきことが多々あります。 「数学的帰納法と背理法3」の記事で、「互いに素であることの翻訳の仕方は色々ある」ということを勉強したと思います。 「2数が互いに素である」ということは「その2数の最大公約数が1」と翻訳することが基本です。 最大公約数を扱うにあたり、大きな武器が ...

2021/10/25

直交2接線の交点の軌跡【放物線の準線】【2013年度 山梨大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線に対する直交2接線の交点の軌跡を求めるという有名テーマです。 精力的に学習している人は結論を知っているでしょう。 今回はそのような有名テーマを押さえつつ、プラスアルファでの問いかけについても併せて考えてみます。   (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む 直交2接線の交点について (1)は有名テーマです。 曲線外の点から引いた接線の立式の仕方は、「接点を設定する」ということから始 ...

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