Kenichiro Iwata

【モットー】:凡人の数学 ☛大学入試の数学は「正しく」勉強すれば報われることを伝えたいと思います。 【生業】:大学受験指導 【経歴】:名古屋大学理学部数理学科卒 【目標】:サイト名に込めました。(現在目標達成に向けて日々邁進)

2021/9/3

数値評価 第4講【e^eの評価】【1992年度 北海道大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     「数値評価」シリーズの第4弾です。 このシリーズの一覧はこちら   今回は \(e^e\)  の評価です。 ノーヒントでの出題であるため、基本的な構想を自分で組み立てる必要があります。 与えられた近似値を単純に使うとなると、手計算できる範囲では $$e^2 \lt e^e \lt e^3$$ とやるのが普通でしょうか。 これを計算しても、 $$7.387524 \lt e^e \lt 20.0792902 ...

2021/9/3

数値評価 第3講【e^πの評価】【1999年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   「数値評価」シリーズの第3弾です。 このシリーズの一覧はこちら   今回は \(e^{\pi}\) の評価です。 前回までと違い、今回はノーヒントでの出題です。 まず、今回の定積分  \(\displaystyle \int_{0}^{\pi} e^{x}\sin^{2} x dx\)  は計算可能です。 次数を下げるために半角公式でほぐした後は   ポイント 【  \(\displaystyle \int_ ...

2021/9/3

数値評価 第2講【ネイピア数eの評価】【2010年度 横浜市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   「数値評価」シリーズの第2弾です。 このシリーズの一覧はこちら   前回の第1弾は円周率 \(\pi\) の評価でした。 今回はネイピア数 \(e\) の評価です。 案の定ヒントめいた不等式が誘導としてついています。 前回と違い、今回はちょっとだけオチで一工夫が必要です。 (2) の不等式に \(a=1\) をそのまま代入してもうまくいきません。 今回の問題を通じて教訓として学んでほしいことは 評価に失敗したときのリカ ...

2021/9/3

数値評価 第1講【円周率πの評価】【2019年度 埼玉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     「数値評価」というテーマを扱います。 このシリーズの一覧はこちら   今回は円周率 \(\pi\) の評価です。 第1回ということもあり、まずは丁寧な誘導のついた問題をもってきました。 (1)は展開して定積分を計算するだけです。 (2)は  \(x=\tan\theta\)  \((-\displaystyle\frac{\pi}{2}  \lt \theta \lt \displaystyle\frac ...

2021/4/17

整数部分と小数部分を扱った数列【1981年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   以後呼びやすさのため、区間  \([0 \ , \ \displaystyle \frac{1}{2})\)  を左側区間、\((\displaystyle\frac{1}{2} \ , \ 1)\) を右側区間と呼びます。 \(2^{n-1}\alpha\)  ですが、これは初項 \(\alpha\) ,  公比 \(2\) の等比数列の一般項です。 どんどん2をかけていく際に、小数部分が左側区間と右側区間を交互に飛び交うイメ ...

2021/9/6

縮小関数による漸化式の極限【関数によって定まる数列の極限】【1994年度 筑波大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   縮小関数による漸化式の極限という、難関大ではちょこちょこ出題されるテーマです。 もし、初見であれば、まずは初見でやってみてください。 (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む 縮小関数による漸化式の極限のキーワード ①:\(f'\) の範囲 ( 最大・最小 ) ②:\(f(x)=x\)  (不動点の存在) ③:\(a_{n+1}=f(a_{n})\) という漸化式 オチはあらかた決ま ...

2021/4/17

eの定義と周辺の関連事項【不定形の形から対応を考える】【1970年度 九州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 反復試行の確率の形をしているため、下手なことを考えると右往左往しかねない問題です。 シンプルに極限の問題と捉えて考えましょう。 + クリック(タップ)して続きを読む \(\begin{eqnarray} {}_n \mathrm{ C }_r=\frac{ n \cdot ( n - 1 ) \cdots ( n - r + 1 ) }{ r! } \end{eqnarray}\) と、まずは\(\begin{eqnarray}{}_n \m ...

2021/4/17

桁数と1の位【仮分数の扱いについて】【1989年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   問題のインパクトが強いためか、結構有名な問題です。 桁数については、難関大志望者であれば落としたくはないレベルです。 問題は1の位です。 自分がこの問題と向き合ったときの印象は ①:この数字に意味はあるのか? ②:\(3^{21}\) って何だ?どこでどう使う? ということでした。 もし、この数字に意味があり、「この数字じゃなきゃできない」ということであれば、この問題や数字のもつ「特殊性」を見出す必要が出てきます。 逆にこの数字 ...

2021/4/17

回転曲面の扱い【回転放物面について】【2020年度 東京慈恵会医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   回転放物面を扱った問題で、昔より出題は控えめになりましたが、一度は扱っておきたい話題です。 3頂点 \(A ,  B ,  C\)  が曲面 \(S\)  上にあるという条件は 曲面 \(S\) の方程式を出して、パラメータ表示する と翻訳するのが最もストレートな方針でしょう。 この回転曲面 \(S\) の方程式を出す方法を本問を例にとって手順化すると以下のようになります。   step1\(S\) 上の任意の点\( ...

2021/4/17

ペル方程式 第3講【ペル方程式とブラーマグプタの恒等式】【1998年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「ペル方程式」シリーズ第3弾です。 このシリーズの一覧はこちら 併せて学習すると、理解が深まると思います。   さて、今回はペル方程式を不思議な恒等式(ブラーマグプタの恒等式)からアプローチするという問題です。 このブラーマグプタの恒等式をどう使っていくか、という活用力が問われます。 式の形を観察する力や、その形から次の一手をインスピレーションする力など、脳の様々な場所が刺激されると思います。 ぜひトライしてみてください。 &nbs ...

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