Kenichiro Iwata

【モットー】:凡人の数学 ☛大学入試の数学は「正しく」勉強すれば報われることを伝えたいと思います。 【生業】:大学受験指導 【経歴】:名古屋大学理学部数理学科卒 【目標】:サイト名に込めました。(現在目標達成に向けて日々邁進)

2022/4/7

空間版メネラウスの定理【2015年度 埼玉大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) メネラウスの定理の空間版ともいえる内容の証明を考える問題です。 一応、ベクトルでゴリ押しすることもできますが、そちらについては【復習用問題】の【総括】で扱うことにします。 ここでは平面版のメネラウスの定理の拡張を前面に出した幾何的な路線をメインの路線として考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 平面版のメネラウスの定理の主張 というように、 \(\triangle{\mathrm{ABC}}\) を、直線 ...

2022/4/6

水の問題【2003年度 北海道大学】【2006年度 京都大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 通称「水の問題」と呼ばれている問題を扱います。 理解したうえで勘所をもっていないと、右往左往しかねませんし、解答を読んでも 聞けば分かるけど自力でできない ということになりやすい問題です。 少しでも自力で解き進めるためにどういう意識をもって考えていくかということを少しでも持ち帰っていただければと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 体積は時刻に依存する 今回の水の体積 \(V\) は時刻 \(t ...

2022/4/2

3文字の基本対称式と最大公約数【2022年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3文字の基本対称式に関する最大公約数について考える問題で、見た目のインパクトが大きい問題です。 2文字の基本対称式についての 有名事実 正の整数 \(p\) ,  \(q\) に対して \(p+q\) ,  \(pq\) が互いに素  \(\Leftrightarrow\)  \(p\) ,  \(q\) が互いに素 という事実の、3文字への拡張ということになります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ...

2022/11/9

2022年度 九州大学 理系数学【総評と感想】

2022年度九州大学理系 各解説記事 150分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:空間ベクトル 第2問:整式 極限 第3問:整数 第4問:微分法・積分法(Ⅲ) 第5問:微分法・積分法(Ⅲ)   第4問は文章を読んで、その内容の補足や証明について考えるという、九州大としては目新しい形式でした。 第5問は表面上微分法・積分法の問題ですが、その処理過程において複素数平面の内容が入っていました。   各大問について 第1問(標準) 問題はこちら(画像をクリッ ...

2022/3/30

2022年度 九州大学 理系第5問【パラメータ表示された曲線】【ハイポサイクロイドの概形と面積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示された曲線に関する概形と面積について考える定番の話題です。 最終的にこの曲線 \(C\) の概形を図示することになりますが、それに向けてうまく工夫して考えるように誘導がついています。 誘導に乗れるかどうかということは、誘導のありがたみを感じることができるかどうかということです。 \(x\) 軸についての対称性 \(\displaystyle \frac{\pi}{3}\) ごとの回転対称性 という「対称性」を駆使し、省エネしなが ...

2022/3/29

2022年度 九州大学 理系第4問【定積分の定義と性質の証明】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題文が長く、圧倒されそうですが、よく読んで解き進めてみると、内容は 定積分の計算上の定義 定義から言える定積分に関する各種性質 についての理解度を問う標準的な内容です。 どちらかというと、公式の証明に近い内容です。 新たな概念やそれに伴う記号を学習する際、定義やそれにまつわる諸性質についてきちんと理解してきた人は、本問は難なくこなせるでしょうが、逆にそのあたりをなぁなぁに済ませてきてしまった人は強烈なボディーブローのように感じるでしょう。 ...

2022/3/28

2022年度 九州大学 理系第3問【不定方程式の特殊解】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) よくある整数問題に見えますが、(3) まで完走しようと思うと大変です。 (1) は 「\(n\) が偶数だと整数にならなくないか?」 という疑問が湧いてくれば、 今回の問題で考える①を満たす \(n\) というのが奇数である ということに気がつくと思います。 なので、 \(n=2N-1\) などとおいて手なりに進めていけば解決です。 (2) については \(168=2^{3} \cdot 3 \cdot 7\) と、素因数分解し、\(n^{2 ...

2022/3/26

2022年度 九州大学 理系第2問【3次式で割った余りと極限】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 訊き方をもう少しマイルドにすれば手が付く受験生も多少増えるとは思いますが、敷居の高い訊き方をしているので、(1) から怯んでしまった受験生も多かったと思います。 (1) は要するに \(x^{n}\) をうまく式変形して \((x-\alpha)(x-\beta)^{2}Q(x)+A(x-\alpha)(x-\beta)+B(x-\alpha)+C\) という形にしてみてね。 という問いかけなのですが、「存在することを示せ」と言われ、何をすれ ...

2022/3/26

2022年度 九州大学 理系第1問【折れ線の長さの最小値】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間において折れ線の長さの最小値を考える定番の話題です。 オチ自体が典型的な話題ですし、そのオチに向けた誘導もしっかりついています。 第1問ということもあり、本問をしっかり確保することで勢いに乗りたい標準的な問題です。 MathClinic では においてしっかりと扱っています。 勉強している人ほど、様々な解法が目につくため、逆に目移りしてしまうかもしれません。 翻訳の仕方の違いで多少の計算量は増減しますが、劇的に変化するというほどでもないた ...

2022/3/24

2022年度 大阪大学 理系数学【総評と感想】

2022年度大阪大学理系 各解説記事 150分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:複素数平面(Ⅲ) 第2問:高次方程式・三角関数 第3問:図形と方程式 第4問:極限・微分法(Ⅲ) 第5問:積分法(Ⅲ) と、半分以上が数Ⅲ分野からの出題で、数Ⅲ主体の出題は例年の傾向です。 各大問について 第1問(やや易) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上で点 \(z\) の動きに対し、 \(w=f(z)\) という関係で与えられる点 \(w\) ...

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