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階乗に関する整数問題ということで、最後のオチの問題は考えてみたくなる香ばしさがあります。
誘導付きなので、誘導をうまく活用できるかという要素の方が大きくなっています。
思考力(試行力)を養うためには誘導はない方がいいのですが、試験問題としてはこのぐらいでも機能すると思います。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む \(5!+4!+3!=120+24+6=150\) これを落とすことは許されないでしょう。 というメッセージなのでしょう。(多分) ざっくり言えば \(a \geq 4\) だと、 \(a!+2\) は \(4\) で割って \(2\) 余る ということになります。 一方、 \(2\) の累乗というのは基本 \(4\) で割り切れる ということが言えるでしょう。 例外は \(2^{1}\) だけですが、 \(a!+2=2^{1}\) というのは不可能でしょう。 このあたりをフォーマルに記述することになります。 否定的な命題ということもありますから、記述の方向性としては背理法が有力です。 基本的には (2) と同じく背理法で仕留めていきます。 \(a \geq 6\) のとき \(\displaystyle \frac{a!}{2}+4=2^{l}\) となる自然数 \(l\) が存在すると仮定します。 分数が鬱陶しいので \(a!+8=2^{l+1}\) と見てやることにします。 左辺は \(8\) より大きいので、右辺の \(2^{l+1}\) も \(8\) より大きいため \(l \gt 2\) と言えます。 少しレイアウトを変えて \(a!=2^{l+1}-8\) としてやると、 \(a!=2^{3}(2^{l-1}-1)\) となり、右辺が \(2^{3} \times (奇数)\) という形をしており、右辺は「素因数 \(2\) を \(3\) 個しかもたない」ということが言えます。 そうなると、 と、\(6!\) の時点で素因数 \(2\) を \(4\) 個もっていることに注意すると、 ということになり、矛盾します。 いよいよオチの問題です。 ここまでの流れで、 数が大きくなると、色々ヤバい ということはヒシヒシと伝わってきていると思います。 なので、小さい数から探していくという態度でいきたいですね。 そもそも ということになり、\(2\) の累乗にはなり得ません。 なので、\(c=1 \ , \ 2\) と絞られることになります。 \(S=a!+b!+1\) ということになります。 ここから、観察力を要します。 \(b \geq 2\) だと \(a \geq 2\) ということにもなるため、 \(a!\) , \(b!\) はともに偶数 となり、 \(S\) は奇数 ということになってしまいます。 よって、\(b=1\) となるしかありません。 そうなると、 \(S=a!+2\) ということになり、(1) の結果がモロに使えるでしょう。 \(a\) が \(4\) 以上だとヤバかったわけなので、 \(a=1 \ , \ 2 \ , \ 3\) となり、あとは個別検証です。 \(S=a!+b!+2\) ということになります。 \(a!\) は \(b!\) を含んでいますから \(S=b! \times (整数)+2\) というように、前半 \(2\) 項を \(b!\) で括れます。 \(b \geq 4\) だと \(S\) が \(4\) で割って \(2\) 余るということになり、\(2\) の累乗である \(S\) の逃げ道は \(2^{1}\) となるしかないわけですが \(a!+b!+2=2^{1}\) となり、これを満たす \(a\) , \(b\) が存在せず、不合理です。 したがって、 \(b=2 \ , \ 3\) と絞られます。 \(S=a!+4\) ですから、 \(a!+4=2^{p}\) とおくと、 \(a!=2^{2}(2^{p-2}-1)\) となり、\(a!\) が素因数 \(2\) をちょうど \(2\) 個だけもつことになり、不合理です。 \(S=a!+8\) ということになります。 (3) で出てきた議論により、\(a \geq 6\) だとマズいため \(a=3 \ , \ 4 \ , \ 5\) と絞られ、あとは個別検証です。 階乗というのは、数が大きくなっていくと沢山素因数をもちます。 したがって、 といった「約数・倍数」が拾いやすくなるわけです。 また、例えば というように、余りも抽出しやすいです。 整数問題の有力方針 という整数問題の3大方針のどの観点から見ても、重要な性質と言えるでしょう。(1) について
(2) について
(3) について
(4) について
\(c=1\) のとき
\(c=2\) のとき
\(b=2\) のとき
\(b=3\) のとき
まとめ