終了の仕方
9回目の移動、すなわち \(x\) 軸方向の移動により試行が終了するということは
- \(x\) 座標が \(3\) , または \(-3\) となって終了する
ということになります。
対称性を考えると、\(x\) 座標が \(3\) となって終了する確率と、\(x\) 座標が \(-3\) となって終了する確率は同じですから、実質の労力は半分で済みます。
そこで、\(x\) 座標が \(3\) となって終了する確率を求めるという方向性で考えていくことになります。
\(x\) 座標が \(3\) となって終了する確率
一歩手前の \(8\) 回目の移動終了時の状況を考えてみます。
\(x\) 座標が \(3\) となって終了するということは、\(8\) 回目のコイン投げが終わった段階で、
\((2 \ , \ -2)\) , \((2 \ , \ -1)\) , \((2 \ , \ 0)\) , \((2 \ , \ 1)\) , \((2 \ , \ 2)\)
のいずれかにいることになります。
ここで、必要以上に \(n\) の偶奇に拘っていると混乱してしまいかねません。
結局
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
水平方向の移動が 4 回\\
上下方向の移動が 4 回
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
というように、捉えればよいでしょう。
水平方向の移動について
4回の移動の内訳が
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
+1方向の移動が 3 回\\
-1方向の移動が 1 回
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
であればよいわけです。
ただし、気を付けなければいけないのは
→→→←
という並びについては、途中で \(x\) 座標が 3 に到達してしまい強制終了となってしまうので、除かなければなりません。
上下方向の移動について
\(y\) 座標については先ほどと違い
終了さえしていなければよい
ということになります。
4回の選択肢が毎回 ↑ , ↓ と \(2\) 通りずつあると考えれば
\(2^{4}=16\) 通り
ですが、ここから強制終了となってしまう並びを除くことになります。
が強制終了となってしまいますので、結局は
\(16-4=12\)通り
が上下方向の移動パターンということです。
解法自体はそれほど特別なことをやっていないにも関わらず、完答するには確かな力が必要で、解法そのものの難易度と、完答の難易度のギャップは比較的大きい問題だと思います。
試験場の中の一問であった場合、さらに試験場補正もかかりやすいタイプの問題でしょう。
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