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多項式を多項式で割ったときの余りについて考える問題で、話題としてはよくあるものです。
その中でも「重解型」という差が付くトピックスを取り上げます。
単元学習の段階ではラスボス的な位置づけの話題だと思います。
ただ、演習段階においては
経験で差が付く標準問題
という位置づけです。
序盤ラスボスと見せかけて、後々モブだったという意味で言えばドラクエⅥで言うムドーのようなものでしょう。
重解型は細かく言えば様々な解法がありますが、ここではよくある方法と、少し凝った方法という2通りの方法で解いてみます。
(以下ネタバレ注意)
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(1) について
\(x^{n}\) を \((x-2)(x-3)\) で割った商を \(A(x)\) とします。
2次式で割った余りは1次式、もしくは定数(高々1次という言い方をします)です。
そこで、求める余りを \(px+q\) と表します。
そうなると
\(x^{n}=(x-2)(x-3)A(x)+px+q\)
と表せます。
これに \(x=2 \ , \ 3\) を代入すると
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
2p+q=2^{n} \\
3p+q=3^{n}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
を得ます。
これら \(p\) , \(q\) についての連立方程式を解くと、
- \(p=3^{n}-2^{n}\)
- \(q=3 \cdot 2^{n}-2 \cdot 3^{n}\)
となりますから、求める余りは
\((3^{n}-2^{n})x+(3 \cdot 2^{n}-2 \cdot 3^{n})\)
となります。
(2) について
今度は4次式で割った余りなので、高々3次です。
方針1
余りを
\(ax^{3}+bx^{2}+cx+d\)
と設定します。
\(x^{n}\) を \((x-1)^{4}\) で割った商を \(Q(x)\) とすると
\(x^{n}=(x-1)^{4}Q(x)+ax^{3}+bx^{2}+cx+d\)
という関係式が得られます。
(1) は未知数の個数に対して、条件式の個数も足りていたのですが、今回は \(a\) , \(b\) , \(c\) , \(d\) という未知数4個に対して、代入できるのは \(x=1\) しかありません。
数学Ⅲを学習していれば、この打開策として
という作戦が有名な打開策となります。
これについては経験による裏打ちがないと厳しい類の路線です。
この方針の解答が【解1】です。
方針2
先にネタバレしてしまいます。
\(x^{n}=\{(x-1)+1\}^{n}\) と見て二項定理をかますと
\(1+{}_n \mathrm{ C }_{1} (x-1)^{1}+{}_n \mathrm{ C }_{2}(x-1)^{2}+{}_n \mathrm{ C }_{3}(x-1)^{3}+(x-1)^{4}Q(x)\)
という形となり、\(R(x)\) は
\(R(x)=1+{}_n \mathrm{ C }_{1} (x-1)^{1}+{}_n \mathrm{ C }_{2}(x-1)^{2}+{}_n \mathrm{ C }_{3}(x-1)^{3}\)
と分かり、
\(R(2)=1+{}_n \mathrm{ C }_{1} +{}_n \mathrm{ C }_{2}+{}_n \mathrm{ C }_{3}\)
と即終わります。
この路線は「基底の変換」という話となり、【解2】で触れてあります。
解答はコチラ