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連続する自然数の和で表せるかどうかを考える問題で、しばしば出題される話題です。
その中でもテーマになりやすい内容を一通り盛り込んでいる本問を選びました。
どうせなら2020年度入試で出題すればよかったのに。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む \(n\) から始まる連続自然数の和として \(S=n+(n+1)+(n+2)+\cdots+(n+m)\) ( \(m\) は自然数 ) と設定します。 等差数列の和として処理してもよいですし、シグマ計算してもよいです。 整理すれば、 \((m+1)(2n+m)=2S\) という式を Get できると思います。 (1) は \(S=2020\) のときを考えますから、 \((m+1)(2n+m)=4040 \ (=2^3\cdot5\cdot101)\) を満たす自然数 \(n , m\) を考えるという整数問題になります。 ここから先は整数問題の基本的な手法の1つである「積の形から約数の拾い上げ」という手法で倒していきます。 【「積の形から約数の拾い上げ」については以下の記事の中で簡単に説明しています】 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) まずは整数問題の有力方針を確認します。 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する( ... 続きを見る ただし、このまましらみつぶしに全パターンを調べるのは大変です。 明らかにあり得ないものについては、最初から排除したいところです。 その際注目するポイントとしては が主なところです。 整数問題として本問を捉えるのが筋ですが、直感的に連続自然数の和に分割することも可能です。 例えば、2020 は \(2020=404+404+404+404+404\) と奇数個に分割できます。 これを というように見れば連続自然数の和で表せます。 しかし、\(2020=20+20+20+\cdots+20\) ( 101 個の和 ) のように余りに細かく分割しすぎると のように、スタートが負になってしまいます。 偶数個のときは のように見ます。 さて、以上のように考えると、(2) において考える \(S=2^a\) というケースですが、\(2^{●} \times 2^{■}\) というようにしか分割できません。 まず、これは奇数個の和に分割できないことを意味します。 偶数個には分けられますが、 と、\(2^{○}\) を \(N+(N+1)\) のように分割できません。 逆に (3) ですが、\(S=2^{a} (2b+1)\) のときは \(S=2^a+2^a+\cdots+2^a\) ( \(2b+1\) 個の和 ) と奇数個の和に分割できることになります。 ただし、先ほど述べたように、あまりに細かく分割しすぎると、スタートが負になってしまう問題があります。 このあたりはきちんと数式を用いて考える必要があるでしょう。 以上が直感的なお話です。 もちろん、解答としてはきちんと数式を用いて論じる必要がありますが、本問が主張する内容が「そりゃそうか」と思えれば、少しはこのテーマが身近に感じるかなと思います。
指数型の不定方程式【整数問題の基本的手法の運用】【2010年度 千葉大学】