問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
一見すると複雑な漸化式です。
そこで「実験してごらん」という設問を (1) につけてくれています。
この実験から何を見出すかが大切です。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む
この漸化式は「a_{n} が分かっている」という前提では
a_{n+1}^{2}-■a_{n+1}+▲=0 という a_{n+1} についての2次方程式と見なせ、そこから a_{n+1} が求まるという構造です。
(2) では数列 {a_{n}} が単調増加数列であることの証明です。
関数だと f'(x) \geq 0 を目指しますが、数列では「a_{n+1}-a_{n} \geq 0」を目指します。
つまり、階差数列を意識することになるわけです。
漸化式から階差数列を作る手法としては
階差数列を作る手法
番号をずらして辺々操作
が常套手段です。
本問の場合、この方法で番号をずらすと
a_{n+1}^{2}-a_{n}a_{n+1}-a_{n}^{2}=(-1)^{n} \ \cdots ①
a_{n+2}^{2}-a_{n+1}a_{n+2}-a_{n+1}^{2}=(-1)^{n+1} \ \cdots ②
右辺は一方が1、他方が -1 なので、辺々足せば a_{n+1}^2 の項が消えて
a_{n+2}^{2}-a_{n}^{2}-a_{n+1}a_{n+2}-a_{n+1}a_{n}=0 でこれを因数分解すれば
(a_{n+2}+a_{n})( {(a_{n+2}-a_{n})-a_{n+1} })=0
を得て、数列 {a_{n}} が正の項からなる数列であるという条件を加味すれば、
a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}
というフィボナッチ構造を得ることになります。
注意
厳密には、f_{1}=f_{2}=1 \ , \ f_{n+2}=f_{n+1}+f_{n} と初期条件が 1 , 1 であるものをフィボナッチ数列と呼びます。
今回は初項が違うので「フィボナッチ構造」という呼び方をすることにします。
解説においても同様の呼び方をします。
フィボナッチ構造であることから「そりゃ単調増加だわ」となりますね。
そして(3)も同時に解決でしょう。