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2023年度 東京大学理系第5問【整式が平方因子をもつ条件】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

整式の割り算と余りに関する論証問題です。

(1) は東大受験生であれば確保したい内容ですが、どちらかというと当たり前的な内容の証明なのでどこまで丁寧さを求めるか迷うところですが、出来る限り丁寧に記述しておきましょう。

(2) は除法の原理

\((割られる式)=(割る式)\cdot (商)+(余り)\)

を用いて、与えられた条件を立式していきます。

  • \({h(x)}^{7}=f(x)Q_{1}(x)+h_{1}(x)\)
  • \({h_{1}(x)}^{7}=f(x)Q_{2}(x)+h_{2}(x)\)

という形で立式できます。

さらに、\(h_{2}(x)=h(x)\) という条件から

  • \({h(x)}^{7}=f(x)Q_{1}(x)+h_{1}(x)\)
  • \({h_{1}(x)}^{7}=f(x)Q_{2}(x)+h(x)\)

という関係が成り立ちます。

詳しい計算過程は解答で述べていますが、この2式から \(h_{1}(x)\) を消去していくと

\({h(x)}^{49}-h(x)\) が \(f(x)\) で割り切れる

ということが言えるため、そのような \(a\) ,  \(b\) を求めていくことになります。

つまり、

  • \({h(x)}^{49}-h(x)\) が \((x-1)^{2}\) ,  \(x-2\) を因子にもつ

ということが言えればよいことになります。

\(H(x)={h(x)}^{49}-h(x)\) とおくと

\(H(1)=0\) ,  \(H(2)=0\)

という部分までは一直線でしょう。

\(a\) ,  \(b\) という2つの未知数に対して条件が2個ありますから、勝ったと思う受験生もいるかもしれませんが、これだけだと

\(x-1\) ,  \(x-2\) を因子にもつ

ということまでしか言えていません。

さらに \(x-1\) という因子をもう一つもつということまで言おうと思うと

\(H'(1)=0\)

まで言う必要があります。

一般に

\(f(x)\) が \((x-\alpha)^{2}\) を因子にもつための必要十分条件は

\(f(\alpha)=0\) ,  \(f'(\alpha)=0\)

です。

この平方因子をもつということの翻訳は差がつくでしょう。

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