解答速報

2022年度 名古屋大学 理系数学【総評と感想】

2022年度名古屋大学理系 各解説記事

2022年度 名古屋大学 理系第1問【整式の割り算】【3次方程式の実数解の個数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整式の割り算をベースにした問題で、最後は3次方程式の実数解の個数に帰着します。 2,3年ほど前の凶悪なセットをガンガン出題していた頃からすると拍子抜けしてしまうレベルで、実際に割り算をし、余りを導出して手なりに状況を翻訳していけば、特別なことをせずとも解決できる問題です。 あまりに捻りがないため、逆に勘繰ってしまいますが、凝ったことをやろうとして時間をかけるよりも愚直に進めた方が得策です。 (1) が (2) のどこかで効いてくるのかと身構え ...

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2022年度 名古屋大学 理系第2問【サイコロの目と確率】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロの目によって得られる値に関する確率を考える問題です。 この手の問題は、 最終的に愚直に調べきる という方向性となることが多いです。 その際は闇雲に調べるのではなく、 何かを固定して、残りがどうなっているかを考える のが、自然かつ基本です。 例えば、(1) だと \(c=1\) のときは \(a\) ,  \(b\) はどうだろ? \(c=2\) のときは \(a\) ,  \(b\) はどうだろ? というような感じです。 また、サイコ ...

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2022年度 名古屋大学 理系第3問【正六角形の頂点と複素数の対応】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3つの複素数 \(\alpha\) ,  \(\beta\) ,  \(\gamma\) が正六角形の頂点のどれかと対応しており、その対応を考える問題です。 どれがどれに対応するかを求めるという一見面食らう設定ではありますが、適切な誘導がありますから、うまく誘導に乗って走り切りたいところです。 (1) は \(4{\alpha}^{2}-2\alpha \beta+{\beta}^{2}=0\) の両辺を \({\alpha}^{2}\) で ...

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2022年度 名古屋大学 理系第4問【抽象関数に関する定積分】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象関数に関する定積分について扱った問題です。 2020年度にも名古屋大は抽象的な関数に関する微積分の本格的な問題を出題しています。 単純にゴリゴリ進めていく側面の強い微積分分野にあって、本問は機械的に処理する類の問題とは一線を画します。 本問はヒントと思われる誘導が至る所にありますが、多くの受験生はヒントと受け止め切れなかったと思われます。 訊かれていることを本当の意味で理解できた受験生はクリアーできるでしょうが、数は少ないでしょう。 今年 ...

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  • 150分
  • 4題
  • 記述式

と形式に変更はありません。

分野的トピックス

第1問:整式の除法 微分法(Ⅱ)

第2問:場合の数・確率

第3問:複素数平面

第4問:微分法・積分法(Ⅲ)

昨年度コロナの配慮により(?)出題されなかった数Ⅲ分野からの出題も復活し、2015年度入試から現行過程に入った複素数平面の本格的な問題がようやく出題されました。

整数や漸化式などの名大頻出のトピックスは見当たりませんでした。

(第2問に若干整数の要素は入ってはいましたが。)

各大問について

第1問(やや易)

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

整式の割り算についてを題材として、最後は3次方程式の実数解の個数の問題に帰着します。

実際に割り算をし、余りを導出して手なりに状況を翻訳していけば、特別なことをせずとも解決できる問題です。

単元学習を終え、ある程度演習段階に入っているならば、受験生でなく、高1,高2生でも十分捌ける難易度です。

なお、本問は文理共通の問題でした。

文系の人からすると、文字が多いため何が示されればよいのかを見失う危険性はありますが、名古屋大受験生にそのような甘えは許されず、実際名古屋大文系は

文字のまま処理させる

ような出題が目立ちます。

難易度としてはやや易で、試験場で落とすと結構なダメージとなる問題です。

第2問(標準)

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

サイコロの目によって得られる値に関する確率を考える問題です。

本問も文理共通問題でした。

2019年度の名古屋大文系で、同じくサイコロを3回投げて出た目の数によってできる2次方程式に関する確率問題が出題されています。

基本的には調べつくすという路線で手を動かしながらガシガシ数える方向性です。

ただ、闇雲に全て調べるというわけにもいかず、うまくフィルターをかけながら、現実的に調べきれる処理量まで落とし込んでいくことが必要です。

本問は素直に腕力で調べる方針と、作為の匂いが見え隠れする設定をうまく活かした路線が考えられます。

試験場では、多少強引でも調べつくした方が気は楽だと思います。

名古屋大は1題にかけられる時間に比較的余裕がありますから、変に悩んでウジウジするぐらいなら走り切ってしまった方が得策であることも多いです。

この問題は案外差がつくと思われ、難易度は標準だと考えます。

第3問(標準)

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

名古屋大では 2017 年度に論証問題として少し複素数が絡んだ問題が出題されていましたが、どちらかというと複素数平面ならではというニュアンスの問題ではありませんでした。

今年は

  • 複素数に関する式の扱い
  • 図形的考察

がバランスよく盛り込まれた複素数平面らしい複素数平面の問題でした。

複素数の値がどの頂点に対応しているかが与えられておらず、むしろ「その対応については自分で考えろ」という部分に面食らうかもしれません。

ただご親切にも、強力なヒントとなる誘導が与えられているため、そこを足掛かりとしてぜひ突破したい問題です。

今年のセットの中では第2問同様、差がつきやすいレベルの問題であったと思います。

難易度は標準です。

第4問(やや難)

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

抽象的な関数に関する割と本格的な問題です。

2020年度にも名古屋大は抽象的な関数に関する微積分の本格的な問題を出題しています。

この問題の難しさは

  • 訊かれていることを字面でしか受け止められていない受験生だと手が止まってしまう

という部分にあると思います。

本当の意味で何が訊かれているのかを読み取れないと、次の一手が浮かびにくいと思います。

逆にきちんとそれを受け止められると、(2) ,  (3) はほぼ同時に片付きます。

ただ、それができた受験生はそれほど多くないように思います。

難易度はやや難です。

全体的に

昨年はコロナの影響への配慮なのか、数Ⅲからの出題はなく、一昨年以前の凶悪な難易度のセットに比べるとかなり取り組みやすくなりました。

今年については数Ⅲからの出題が復活しましたが、やはり一昨年以前に比べたら全体のセットとしてはマイルドで、昨年と比較して変化なしといってよいでしょう。

一昨年以前は

単品で見るといい問題たちなんだけど、セットとしては凶悪

というセットでした。

一昨年以前は「きちんと勉強してきた人が取れるという類の問題が皆無」というセットだった点が、色々問題であったように思います。

今年については勉強の成果がきっちりと試されるような基本的な問題がセットの中にしっかり入っており、一方で思考力を問う本格的な問題もあるため、セットとしてのバランスは良かったように思います。

基本的な第1問をしっかりと確保したうえで

  • 第2問
  • 第3問

を出来る限り確保する方向で時間を使いたいところです。

  • 第4問

については (1) , あるいは (2) 前半まで食らいつきたいですが、実際は中々難しいものがあったと思います。

来年度以降の受験生については、定番の問題を手際よく捌いていく「瞬発力」、じっくり時間をかけて考えなければ身につかない「思考力(試行力)」をバランスよく鍛えていく必要があります。

さらには、1題当たりのボリュームが大きくなりがちな名古屋大学においては、処理力・計算力という足腰鍛錬も疎かにできません。

過去問に当たっていると、名古屋大学独特の「らしさ」(中々言葉に表すのが難しいですが)が感じられると思います。

その中で「こういうレベルまで求められるのか」という指針をもちながら、目的意識をもって学習していってください。

2022年度名古屋大学理系 各解説記事

2022年度 名古屋大学 理系第1問【整式の割り算】【3次方程式の実数解の個数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整式の割り算をベースにした問題で、最後は3次方程式の実数解の個数に帰着します。 2,3年ほど前の凶悪なセットをガンガン出題していた頃からすると拍子抜けしてしまうレベルで、実際に割り算をし、余りを導出して手なりに状況を翻訳していけば、特別なことをせずとも解決できる問題です。 あまりに捻りがないため、逆に勘繰ってしまいますが、凝ったことをやろうとして時間をかけるよりも愚直に進めた方が得策です。 (1) が (2) のどこかで効いてくるのかと身構え ...

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