年別アーカイブ:2021年

2021/10/16

素数生成多項式【2002年度 慶応義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問にまつわる話としては、オイラーの見つけた \(f(x)=x^{2}+x+41\) という式が有名です。 \(f(0)=41\) \(f(1)=43\) \(f(2)=47\) \(f(3)=53\) というように、素数を生成し続けます。 ただ、これは永遠に素数を生み出し続けるわけではなく、 \(f(40)=40^{2}+40+41=40 (40+1)+41=41^{2}\) となり、合成数も生まれてしまいます。 ただ、結構な長さで素数を生 ...

2021/10/15

3次方程式の解の巡回【2009年度 神戸大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x^{3}-3x+1=0\) という3次方程式の解が \(x^{2}-2\) という2次関数を用いてグルグル巡回するという面白い話題です。 丁寧な誘導があるため、本問を解くこと自体は基礎力があればそこまで難儀ではありませんが、 「こんなカラクリどうやって思いついたのかしら」 という疑問に少しだけお応えするために、本問のカラクリや背景的なものに少しフォーカスしてみたいと思います。 ひとまずは本問を解いてみてください。 (以下ネタバレ注意) ...

2021/10/13

対称的な陰関数【1975年度 帯広畜産大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数の見た目をしており、確かに前半は1の3乗根の基本性質の運用がメインの話題です。 (1) の結論を得て、(2) に取り掛かる際に「ムムっ」となる可能性があります。 範囲的にはグレーゾーンかもしれませんが、余裕があればこういう問題も考えて見るのも一興です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(|z|=1\) という条件から、\(|z|^{2}=1\) ですから、 \(z\bar{z ...

2021/10/12

放物線の平行移動による通過領域【2018年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 東大お得意の通過領域を絡めた問題で、「動くもの」をどのように数式として立式するかという運用力が求められます。 領域を出すだけでも一苦労なのですが、その後の面積計算においても工夫なしでやろうと思うと少し溜息が出ます。 本問は、上記の運用力に加え、構造を的確にとらえて処理する力を鍛えられると思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 構造の把握 いきなりで分からなかった場合、例えば \(k=1\) などと ...

2021/10/11

離散量の不動点定理【1973年度 名古屋大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 離散量の不動点定理と呼ばれる有名な話題を扱います。 計算自体はほとんどありません。 構造を見抜く目と、それを記述しまとめる力が求められます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 題意を噛み砕く まず、問題文で何を言っているのかということをしっかりと把握します。 \(f\) という関数(写像)は「対応」という言葉で読み替えるとシックリくると思います。 イメージ的には というように、 \(1\) を \(1\) から \( ...

2021/10/10

多項式の剰余問題【重解型】【1997年度 文教大】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多項式を多項式で割ったときの余りについて考える問題で、話題としてはよくあるものです。 その中でも「重解型」という差が付くトピックスを取り上げます。 単元学習の段階ではラスボス的な位置づけの話題だと思います。 ただ、演習段階においては 経験で差が付く標準問題 という位置づけです。 序盤ラスボスと見せかけて、後々モブだったという意味で言えばドラクエⅥで言うムドーのようなものでしょう。 重解型は細かく言えば様々な解法がありますが、ここではよくある方 ...

2024/2/21

ラグランジュの三角恒等式【ド・モアブルの定理の応用】【1971年度 富山大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数の和の導出について考える問題です。 少し古い問題ですが、今回の話題を扱うにあたりよい例題ということでもってきました。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ラグランジュの三角恒等式について ラグランジュの三角恒等式 \(\displaystyle \sum_{k=0}^{n}\cos{k\theta}=\displaystyle \frac{\cos{\displaystyle \frac{n\th ...

2021/10/8

オイラーの定数【調和級数と対数関数の誤差】【2010年度 大阪医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) オイラーの定数 \(\displaystyle \lim_{n \to \infty}\{(1+\displaystyle \frac{1}{2}+\cdots+\displaystyle \frac{1}{n})-\log{n}\}\) は収束し、その極限値 \(\gamma\) は \(\gamma=0.5772\cdots\) という値となり、オイラーの定数と呼ばれる。 という調和級数と対数関数の差に関する極限についての有名トピックスで ...

2021/10/8

整数問題の観察眼【2011年度 和歌山県立医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不定方程式ですが、絶対値と平方根が入っていて、このあたりの処理の手際の良さが差を生むでしょう。 現役生目線では標準~やや難だと思います。 ただ、医学科受験生にとってはこのあたりの負荷をかけられても耐えられる力がないと苦しいです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 2乗路線について 絶対値についても、平方根についても 2乗処理 することで絶対値や平方根が外れるという性質をもっています。 ただ、2乗処理に拘 ...

2021/10/6

四角柱の切断【天国と地獄】【2014年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 東大にしては珍しく図を付けてくれており、状況が読み取りやすくなっています。 ただ、解法の良しあしははっきりと分かれ、差が付くと思います。 沼に嵌まると第1問という位置づけも相まって平常心を失う恐れもあります。 難易度としてはできれば確保したいレベルでしょう。 当時教えていた受験生で受かった人たちのほとんどはきっちりと本問は確保していました。 というと、プレッシャーを感じるでしょう。 そのプレッシャーの中で標準問題を確保するという重みを実感する ...

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