年別アーカイブ:2021年

2021/5/10

tanの逆関数【定積分で表された関数の扱い】【2012年度 神戸大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回は \(\tan{ \ }\) の逆関数を扱った問題を扱います。 それなりに手垢の付いている話題なので、ちょこちょこ様々な大学で出題されています。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 今回の \(f(x)\) は \(\displaystyle \int_{0}^{x}\displaystyle \frac{1}{1+t^{2}} dt\) は \(\tan{x}\) の逆関数を表します。 その知識の差が出来不出来 ...

2021/5/9

180°しか回転しない空間座標の回転体の体積【2009年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 通常の空間座標における回転体の体積自体、東大は好んで出題する傾向にありますが、本問は 180°しか回転しない回転体の体積 について扱います。 このような「こうなったらどうする?」という味付けは教育的で、いかにも東大らしい良問だと思います。 とは言え、難易度という点では少しハードかなとは思います。 初見の方はぜひ考えてみてください。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む イメージ図について のようなイメージで ...

2021/5/8

ワイエルシュトラスの置換【三角関数のうまい置き換え】【2004年度 山口大学ほか】

  今回は「ワイエルシュトラスの置換」と呼ばれる有名な置換を用いた問題を扱います。   ワイエルシュトラスの置換とは ワイエルシュトラスの置換とは ワイエルシュトラスの置換 \(\tan{\displaystyle \frac{\theta}{2}}=t\) とおいたとき、 \(\sin{\theta}=\displaystyle \frac{2t}{1+t^{2}}\) \(\cos{\theta}=\displaystyle \frac{1-t^{2}}{1+t^{2}}\) \( ...

2021/5/7

有名曲線【サイクロイド】【パラメーター表示された曲線の接線の扱い】【1988年度 岐阜大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイクロイドという有名曲線を扱った問題です。 サイクロイドとは ガムを踏んだタイヤが転がったときの、ガムの軌跡 です。 サイクロイドの中でも一番シンプルな地面を転がるタイプです。 パラメーター表示された曲線の扱いがしっかりしていれば、サイクロイドだということを知らなかったり、見抜けなかったとしても、問題自体は解くことができます。 ひとまずはパラメータ表示された曲線の扱いと言う部分の確認として利用してみてください。 本問は、簡単すぎず、難しすぎ ...

2021/5/5

抽象的な関数【条件や定義から結論まで辿り着く】【2000年度 名古屋市立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象的な関数に対する扱いをテーマとした問題です。 話を進めていくうえで、使ってよいことをしっかり整理する力が必要です。 (この問題に限らないですが。) 本問は難易度面でも適度な問題で、抽象的な関数を扱う際の「特有の脳みその使い方」を学べると思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 三角関数の加法定理? 与えられた問題の条件をよく観察してみると \(f(x)=\sin{x}\) ,  \(g(x)=\ ...

2021/5/5

πが無理数であることの証明【定積分の利用】【2003年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円周率 \(\pi\) は無理数です。 と習ったのは中学生ぐらいでしょうか。 教わったときは「へぇ~、そうなんだ」と流してしまう人がほとんどでしょう。 自分もその一人でしたが、心のどこかで「なんでだろう」という引っかかりをもってはいました。 本問は一応「高校で学習する内容の範囲」で 円周率 \(\pi\) が無理数であるという結論まで辿り着けるように設計されています。 もちろん、厳密性を言い出したらキリがない部分もありますが、なぜ \(\pi ...

2021/5/7

eが無理数であることの証明【微分の利用、定積分の利用】【1997年度 大阪大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   ネイピア数 \(e\) が無理数であることを証明させるという、先人の重みを感じるような問題です。 もちろん、誘導なしで証明しろという問題が入試として出題されたとしたら、大半の人はひとたまりもないでしょう。 今回持ってきた問題は、受験の項目として大事な考え方などを含むような路線の誘導がついているということで勉強になると思います。 それに加えて、ネイピア数 \(e\) の無理数性を証明するという、学問的な事実としての面白さもあると思 ...

2021/5/2

歪んだ八面体【空間把握するための工夫】【2019年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次元空間における歪んだ八面体を、ある平面で切った切り口について考察する問題です。 東大はこういった空間把握力を試すような問題を好んで出題する傾向にあります。 本問も、空間把握力を真正面から問いかけています。 苦手意識をもつ人も多い話題だとは思いますが、少しでも見やすくする工夫を考えてみるきっかけとなる機会となればと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 全体像は 問題のシチュエーションを軽く図示 ...

2021/5/2

三角形の正射影【ベクトルと座標の解法選択】【2019年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   空間における三角形を平面に正射影した三角形について考える問題です。 段階的に誘導がついているため、完答するのにそこまで無茶な問題でもないはずです。 実際に、この年の名古屋大受験生の声を聞きましたが、この問題を確保している受験生の合格率が高かったという記憶があります。 (この2019年度の名古屋大は割とハードなセットでした。) 差が付くレベルの問題でしょう。 力試し的に取り組んでみてください。 (以下ネタバレ注意)   ...

2021/5/1

折れ線と極限【階差数列と無限等比級数の運用】【1988年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 座標平面上において折れ線状に動く点の動きを考察する問題です。 「点 \(P\) が \(x=b\) を横切る」ということを式的に論じるにはどうすればよいか について翻訳力が問われるでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む イメージの把握 のように \(y\) の値が整数になるごとに傾きが \(s\) 倍になっていきます。 イメージとしては媒質の異なる層を光が屈折していくような感じでしょうか。 確かに ...

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