年別アーカイブ:2021年

2021/7/1

サイコロの出た目の最大公約数と最小公倍数【2020年度 北海道大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロを \(n\) 回投げ、出た目の最大公約数を考える問題です。 1991年度筑波大学、2007年度大阪大学、2016年度九州大学などでも出題されています。 特に、最大公約数が \(1\) となる場合をどのように処理するかはきっちりと差がつくでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 最大公約数が 3 とは 最大公約数が \(3\) ということは 毎回 \(3\) か \(6\) が出る というの ...

2021/7/1

整値関数の乗法性【先導的特殊】【1987年度 津田塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 全ての自然数 \(m\) ,  \(n\) に対して \(f(mn)=f(m)f(n)\) という性質(乗法性)を証明するというオチの問題です。 丁寧な誘導があるため、誘導を拾い、活用していく活用力があれば特別な難問というわけではありません。 記憶に頼る要素は少なく、目の前の関数に対応するその場力の問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 本問の進み方 (1) は具体的な数に対して計算しろという実験 ...

2021/7/19

不定方程式の整数解とその発展【ベズーの補題】【2000年度 大阪大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a\) , \(b\) , \(c\) を整数として \(ax+by=c\) という形の不定方程式(ディオファントス方程式)の整数解を考えさせる問題は基本的なものから発展的なものまで幅広く問われます。 ※不定方程式とは、方程式の数に対して未知数の方が多い方程式です。 本問は単なる整数解ではなく、非負整数解について考える内容になっています。 手を動かしてみると、何となく答えは予想出来ると思いますが、その予想をどのように記述でまとめるかが腕の ...

2021/12/3

king property【対称性を利用した置換積分】【2005年度 名古屋大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) king property (キングプロパティー) と呼ばれる置換積分がバックボーンにあります。 ノーヒントだと泡を吹く受験生が多数出てくるでしょう。 ただ、誘導自体にも骨があるため、定積分というものをきちんと理解しているかが問われます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 定積分は「値」 本問を理解するにあたっては、積分計算において「生き残る文字」についてパッと読み取れる力が必要です。 例題 \(\di ...

2023/6/11

双曲線が絡んだ面積【特殊な置換積分】【2011年度 津田塾大学ほか】

【問題1】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 【問題2】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 双曲線が絡んだ面積計算についての問題です。 【問題1】では双曲線関数と呼ばれる関数を利用したパラメータ表示 【問題2】では三角関数を利用したパラメータ表示 ※双曲線関数についての説明は【問題1】の【総括】で説明しています。 を切り口とした誘導が付いています。 細かなことを抜きにして双曲線を \(y=f(x)\) の形で表すと \(x^{2}-y^{2}=1\) の場合 ...

2021/6/27

折れ線の長さの最小値【2次元の問題と3次元の問題】【2007年度 愛知教育大学ほか】

平面の問題【問題1】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間の平面上を動く問題【問題2】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間の直線上を動く問題【問題3】はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2つの定点 \(A\) ,  \(B\)  と、動点 \(P\) があり、折れ線の長さ \(AP+BP\) の最小値を考える問題で、テーマとしては割と手垢の付いた話題です。 ただ、難しくする余地が多々あり、今回は段階を踏んで徐々にレベルアップして ...

2021/6/26

正多面体の色の塗り分け【双対構造の利用】【2016年度 久留米大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正多面体の色の塗り分け問題です。 よくあるのは立方体の色の塗り分けですが、本問は少しそれを発展させて正八面体の塗り分けを考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 円順列の基本 円順列(回転による一致)を考える際の基本は 誰か一人の眼から見て、他がどうなっているか ということです。 例えば、遊園地にあるコーヒーカップというアトラクションがありますね。 あれに、お父さん、お母さん、息子の3人が乗ると思ってください ...

2021/6/26

累乗根の無理数性【真偽判定の判断】【2007年度 京都大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 累乗根に関する無理数性を考える問題です。 特に例題でもってきた京大の問題は 真偽判定まで含めて判断しなければならない というタイプの出題です。 正しいにもかかわらず、反例を探しても見つかりっこありません。 正しくないにもかかわらず、証明しようとしても証明できっこありません。 つまり、判断ミス一つで身動きが取れなくなってしまうわけです。 基本的には疑ってかかるのが基本です。 ただ、正しいものは正しい、と根拠と自信をもって言える必要もあります。 ...

2021/6/24

巴戦【状態を追えるかの判断】【2016年度 東京大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巴戦という形式の勝者の決め方を題材にした問題です。 大相撲の千秋楽で同じ勝率の力士が3人いた場合に用いられます。 有名ネタであり、類題も散見されます。 本問のように、野球の試合で巴戦というのは時間的に相当かかるので1日でやるのは現実的ではないでしょうね。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 方針決定するうえで 確率の大きな方針決定の指針として 漸化式を導入するか否か ということが考えられます。 回を重ねて ...

2021/6/22

ポリアの壺【仮定を味方につける】【2007年度 産業医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ポリアの壺と呼ばれる有名問題です。 経験がないと、右往左往することになると思います。 結果自体は分かりやすく、インパクトがあるものですから今後の糧としてもよいと思います。 とは言え、難しさを実感したり、困難の素はどこにあるのかを実感し、それをどのように解決するかという数学を学ぶにあたり大切な態度を養ういい機会となる問題なので、初見であってもまずは限界まで考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...

© 2024 MathClinic