年別アーカイブ:2021年

2021/8/1

不定方程式【和と積が等しい整数の組】【2012年度 東京理科大学ほか】

問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数問題については 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する(範囲を絞る) を意識するのが基本です。 その中で、 評価する(範囲を絞る) という項目を学ぶ例題として今回の話題である 「和と積が等しい整数の組」 を考える問題がよく使われます。 よくあるのは次のような「3変数」の場合です。 3変数の例題 例題:\(xyz=x+y+z\) を満たす自然数 ...

2021/7/30

通・不通問題【到達可能かどうかを考える】【2013年度 学習院大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 頂点を結ぶ線分が「通れるか通れないか」がランダムに決まり、最終的にある頂点からある頂点へ「到達可能か」を考える問題です。 今回3題もってきましたが、扱う図形は様々です。 様々であるがゆえにマニュアル的な態度ではなく、その図形的特徴を考慮してその場で急所を掴んでいく 「その場力」 がものを言う問題でしょう。 例題は ...

2021/7/30

n次方程式の解の限界【掛谷の定理】【1975年度早稲田大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題3はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   \(n\) 次方程式の解の限界を係数を用いて考えるという古典的な話題です。 係数を見ただけで、その \(n\) 次方程式の解の限界が判断できるとなれば、それは結構有用性がありますね。 まずは2次方程式という具体的な場合についてを例題と ...

2021/7/28

いずれかが成り立つ不等式【1987年度 早稲田大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(A \geq n\) ,  \(B \geq n\) の少なくともどちらかは成り立つということを証明するという問題です。 方針面で「こうしてみようかな」という構想は出てくると思います。 解き終わってみると、ワンポイントレッスンのような問題に感じるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 第一感は背理法 \(A \geq n\) または \(B \geq n\) が成り立つことを示すにあたり、少なくとも一方が成 ...

2021/7/28

cosθ,sinθを係数にもつ位置ベクトル【2012年度 広島大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 何やらありそうな設定ですが、問題を解くだけであれば基本に忠実に解いていけば無理はありません。 まずは普通に解いてみて、本問の設定について検証してみるという構成で考えてみたいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について もちろん目指すのは \(\overrightarrow{ OA } \cdot \overrightarrow{ OB }=0\) ということです。 内積を登場させるた ...

2021/7/27

三角形の成立条件と判別式【覚えるべき部分とその場で判断する部分の線引き】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) なめてかかると火傷するタイプの問題です。 「判別式とるだけだろ?なめんなよ」 と威勢よく取り組みだすと、だんだん青ざめていく人が増えていくと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 最初の一手はもちろん判別式 \(y=bx^{2}+(b+c-a)x+c\) という下に凸の放物線が \(x\) 軸と交点をもたなければ、全ての実数 \(x\) で \(bx^{2}+(b+c-a)x+c \gt 0\) ということが言 ...

2021/7/25

2次同次式の不等式証明【次数に注目】【1997年度 島根大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 条件付きの不等式証明の問題ですが、見かけほど簡単ではないでしょう。 基本レベルだとは思いますが、スジが悪いと右往左往しかねない要素もあります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 手なりに(愚直に)進める方針 条件1つで1文字消去 ひとまず愚直に手を進めるとなると ポイント 条件1つで1文字消去 という言葉にしたがって \(c=3-a-b\) などと文字を消す方針が考えられます。 手なりに差をとって \( ...

2021/7/25

2次不等式の整数解【両端が動く】【2006年度 中京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次不等式の解の中に含まれる整数の個数について考える問題です。 単元学習の段階では、2次不等式の解の両端のうち、片側が具体的な数値であるものが例題として与えられることが多いと思います。 例題 \(a\) を定数とする。 \(2x^{2}-(a+2)x+a \lt 0\) を満たす整数 \(x\) が \(3\) 個となるような \(a\) の範囲を求めよ。 解答 題意の2次不等式は \((x-1) (2x-a) \lt 0\) (i)  \( ...

2022/10/28

ラグランジュの補間法【1989年度 関西大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ラグランジュの補間法に関連する問題を扱ってみます。 一見するとゴッツい形になりますが、中身を見て見ると心地よさを感じる内容です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 高々2次の整式 \(f(x)\) に対して、 \(f(\alpha)=0\) ,  \(f(\beta)=0\) ,  \(f(\gamma)=0\) という相異なる3つの代入値が \(0\) となるなら、恒等的に \(f( ...

2021/7/22

分数関数の合成とフィボナッチ数列【2015年度 藤田保健衛生大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\displaystyle \frac{1}{1+x}\) という分数関数を合成していく関数列について考える問題です。 1次分数関数を合成した結果も1次分数関数になるわけですが、本問はその中でも \(f_{1}=f_{2}=1\) \(f_{n+2}=f_{n+1}+f_{n}\) というフィボナッチ数列が登場するという点で面白さがあります。 本当は (2) の設問をカットしようかとも思いましたが、ひとまずは原題に近い形にしておきました。 ...

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