完全順列 攪乱順列 モンモール数【2013年度 成城大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 完全順列、攪乱順列、モンモール数などと呼ばれる話題の問題で、1994年度慶応大、2004年度東工大など類題も多く見られます。 本問のように \(5\) 人といったような具体的な場合であれば、樹形図をかき、腕力で押し切ることも可能でしょう。 (ただ、工夫しないとそれなりの大木になるでしょう。) ただ、ここでは一般的な \(n\) のときでも話が通じる態度である漸化式を立てる方針で考えてみます。 完全順列に対する漸化式の立て方は独特なものがありま ...
凸数列【数列の増減の判断】【2000年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 凸数列というテーマ性をもった問題です。 発想力か経験値かで言えば、経験値に偏った問題であることは否めませんが、難関大受験生としては一度経験しておきたい話題でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 最初の一手 与えられた \(x_{k-1}-2x_{k}+x_{k+1} \gt 0\) という条件をどう見るかですが、 \((x_{k+1}-x_{k})-(x_{k}-x_{k-1}) \gt 0\) ...
漸化式と群数列の融合【2019年度 名古屋市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 得体のしれない漸化式による数列に関して色々考察させる問題です。 本問はその場で考えたり判断する力(その場力)と、それに基づいて立式したものを処理する基礎の運用力のバランスが個人的に素晴らしいと思います。 この問題そのものが今後まんま出題されることを期待はしてはいけませんが、この問題を通じて得られるものが今後の糧となることは十分にあり、演習問題として良問です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 得体のしれ ...
楕円と双曲線の交点と極限【2005年度 広島大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円と双曲線の交点の座標と極限を絡めた問題です。 基本的な極限計算の運用を試す適度なレベルの問題だと思います。 その思いとは裏腹に入試間近の難関大受験生に解かせてみると、指導者側が想定しているよりもグダグダの受験生が多いことに驚かされます。 なので、結局合否を分けるのは、本問のような標準レベルの問題なのでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 交点の座標は導出可能 今回の題意の交点は $$\begi ...
離心率【定点と定直線からの距離の比】【2000年度 宇都宮大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次曲線 ( 放物線、楕円、双曲線 ) の統一的な幾何的性質を象徴する「離心率」についてを考える問題です。 離心率の定義は以下のようになります。 定点 \(\mathrm{F}\) と定直線 \(l\) がある。 また、点 \(\mathrm{P}\) から \(l\) へ下ろした垂線の足を \(\mathrm{H}\) とする。 点 \(\mathrm{P}\) と点 \(\mathrm{F}\) の距離 \(\mathrm{PF}\)と、 ...
18°絡みの三角比 第4講【1の5乗根の利用】【1997年度 金沢大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 18°絡みの三角比という話題で、様々な切り口からこのテーマが扱われます。 代表的な登場シーンを一通り経験することで、ストーリーを体感し、対応できるようにしましょう。 このシリーズの一覧はこちら 第4講は 1の5乗根の利用 という話題です。 複素数平面と三角関数の強力なコラボレーションが心地よく感じると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 最終的なオチ 三角関数を扱ううえで、複素数平 ...
シャピロの巡回不等式【n=4のときの証明とその応用】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難問です。 誘導があれば別ですが、今回は敢えて誘導なしで考えてみてほしいと思います。 ノーヒントで出題する大学があれば、鬼舞辻以上の鬼です。 仮に出題されたとしても、ほとんどの受験生は撃沈すると思いますので差はつかないでしょう。 「これ解かせる気ないだろ」というような出題の仕方は、あんまり自分の好みではないですが、たまにはウンウン唸る時間も必要です。 正直に言うと、自分は本問の背景にある「シャピロの巡回不等式」というものを知っていたため、純粋 ...
チェビシェフの不等式【2017年度 立正大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) チェビシェフの不等式と呼ばれる有名不等式を背景にもつ問題です。 例題の (1) , (2) の結果を拡張したものがチェビシェフの不等式で、入試においては本問のような具体例に対しての出題が目立ちます。 もちろん、テーマ性のある話題なので、うまく考える方法もありますが、試験場では愚直にゴリゴリ進めていってもたかが知れています。 例題はさらに欲張って (3) で 「Nesbitt ( ...
合成関数と割り算【複2次式の割り算とその発展】【1999年度 防衛大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 題意はすぐに読み取れるでしょう。 例題に関しては正直煮るなり焼くなり色々出来ると思います。 どちらかというと例題は噛ませ犬的な立ち位置で、実際に考えてもらいたいのは類題の方です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 例題について 例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方針1:頭とケツを見て因数分解 ひとまず、 ...
ルートに関する絶対不等式【解法の守備範囲】【2000年度 鳴門教育大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ルートが絡んだ絶対不等式に関する問題です。 例題と類題を並べてみて、違いが分かるでしょうか。 例題、類題共に様々な解法がありますが、例題で学んだ解法をそのまま類題に適用しようとすると、方針によっては中々大変だったりします。 試験場で自分が選択する解法は一通りだと思いますが、普段の学習において別解を色々考えてみることや、比較検討することは大切なことです。 もちろん、今述べたことは基 ...