月別アーカイブ:2021年08月

2021/8/19

対称性のある連立漸化式【2008年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3種の数列 \(\{a_{n}\}\) ,  \(\{b_{n}\}\) ,  \(\{c_{n}\}\)  についての連立漸化式の扱いを考えます。 特に今回は対称性のある連立漸化式について見ていきます。 連立漸化式については、テーマ別演習「漸化式基本パターン」 の第8講で扱っていますが、今回は「3種の数列」「対称性」という実戦的な話題にスポットを当て、実践演習という位置づけで扱います。 なお、本当は誘導の設問がついていましたが、今回は誘導が ...

2021/8/18

ウォリスの公式【積分漸化式と極限の良問】【2010年度 大阪教育大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ウォリスの公式と呼ばれる有名極限を背景にもつ問題です。 入試において大切な要素や手法を含む問題なので、しっかりとモノにしつつ、問題自体で前面に押していないウォリスの公式の美しさについても軽く触れていく欲張りな構成にしたいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 例題に ...

2021/8/17

sinxに関する有名不等式【sinに関する数値評価】【2008年度 群馬大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sin{\displaystyle \frac{1}{2}}\) に関する数値評価の問題です。 (1) という誘導があるため、その誘導を利用すれば (2) の数値評価自体はそこまでひっかかることはないと思います。 厄介なのは (1) で、周期性を持つ \(\sin{x}\) の扱い、及び絶対値の処理をどのように処理するかという構想力が問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 結局 \(| ...

2021/8/16

正三角形を折ってできる六角形【1982年度 法政大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 図形を折るこの手の問題は想像力が必要で、中学受験を経験している中高一貫校の生徒は割とそういう訓練を積んでいる人が多いです。 それがいいか悪いかはおいておきます。 見え方が鋭い人はそれを活かせばいいと思いますし、急所に辿り着くのに時間がかかるという人は多少時間がかかっても地に足つけて解ければいいと思います。 ただ、見える人には何が見えているのかということを意識しながら勉強していくことが大切です。 本問は見える人にはパッと見えるのでしょう。 戦略 ...

2021/8/15

正方形を折ったときの重なりの五角形【2001年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正方形の折り紙を折り曲げたときの重なりの部分が線対称な五角形になるときを考える幾何的な問題です。 このあたりの幾何的な考察はマニュアル的態度でどうこうするというよりは、観察力、洞察力を含めたその場力が必要です。 試験場においてこの問題自体が合否を左右するかというと、そこまで差がつかないと思います。 (確保できれば結構アドバンテージをとれるというレベル) (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して下さい 実際に折ってみる 実 ...

2021/8/13

メルセンヌ素数【基本的な性質と完全数との関連】【1962年度 京都府立医科大学ほか】

例題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{n}-1\) という形の数をメルセンヌ数といい、特に素数となるメルセンヌ数をメルセンヌ素数と言います。 メルセンヌ素数は数学的に興味深い性質を多々もちます。 どこまで深入りするかも問題なのですが、今回は基本的な性質と、有名な完全数との関連にスポットを当ててみます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 直接証明は見通しが悪い \(2^{n}-1\) が素数であるということを数式的に表現するのは難 ...

2021/8/12

補間多項式の考え方【マルコフの不等式】【1981年度 学習院大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) マルコフの不等式と呼ばれる次の定理 マルコフの不等式 \(f(x)\) を高々 \(n\) 次の整式とする。 \(-1 \leq x \leq 1\) において、\(|f(x)| \leq M\) ,  \(|f'(x)| \leq M'\) としたとき \(M' \leq n^{2}M\) が成り立つ。 という定理の \(n=2\) の場合の証明です。 古典的な内容であり、話の進め方も独特なものがありますから初見で対応するのは難しいと思いま ...

2021/8/11

a^n-1についての整数問題【難しくアレンジした場合の考察もあり】【2015年度 九州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(a^{n}-1\) という形を含む整数問題を扱います。 今回は\(2^{n}-1\) というタイプを例題に持ってきました。 \(2^{n}-1\) という形はメルセンヌ素数や完全数などとの絡みもあり、奥が深いですが、それは後々扱おうかなと思います。 本問は適度な誘導がついているため、標準的な難易度に仕上がっていると思います。 (実際には差が付くレベルの問題で、決して簡単ではないとは思いますが) ひとまず、本問を解いたあと、本問をもう少し難 ...

2021/8/10

定積分を扱う際のモノの見方【2005年度 神戸大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分を含んだ抽象的な関数に関する論証問題です。 定積分をどう捉えるかというのが本問のテーマではありますが、それに加えて、 抽象的な関数に関する心得 というものも今後の糧としたい教訓の一つとなります。   (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 今回考える \(\displaystyle \lim_{x \to 0}g(x)=\displaystyle \lim_{x \to 0} ...

2021/8/9

特殊な置換を用いた極限【ノーヒントの場合の考察あり】【2016年度 宮城教育大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 三角関数による置換を用いた極限に関する問題です。 例題としてもってきた問題は丁寧な誘導がついているため、誘導に従っていけば完答することも難しくはないはずです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(\theta_{n+1}=-\displaystyle \frac{1}{2} \theta_{n}+\displaystyle \frac{\pi}{2}\) という漸化式を解くわけです。 ...

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