上三桁の値【高次計算の工夫】【合同式の扱い】【2014年度 岐阜大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 桁数、下一桁の値、最高位の値、といった定番の話題ではなく、 こういう問題はどう? というメッセージ性が強い問題に感じたのは私だけでしょうか。 常用対数からのアプローチではなく、高次計算をどう工夫するかという要素が強い問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 与えられた条件の活用を考える 与えられた \(7^{9}\) や \(7^{10}\) を活用しようと思うと、 \(2014^{10}\) を ...
上二桁の値【最高位の数字の次の値】【2018年度 早稲田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 桁数、最高位の数字、1の位など、このあたりは定番の話題ですが、本問はそれに加えて 最高位の次の数字 を聞いています。 一見面食らうかもしれませんが、基本をキッチリとおさえていれば対応できる範疇です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 1 の位について 自然数の累乗の 1 の位 ( 10 で割った余り ) については周期性をもちます。 詳しくは以下の記事で取り扱っています。 今回の \(3^{n}\) に ...
下二桁の扱い【4乗数に関わる下二桁】【完全剰余系】【2007年度 東京大学ほか】
問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 下二桁の数についてスポットを当てた問題を東大、京大から2題セレクトしました。 扱っている題材は下二桁という点で共通していますが、オチについてはそれぞれ違う味わいの問題です。 味比べするのも一興です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 問題1について 問題1はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) まず、10進法 ...
格子辺【隣接する格子点を結ぶ線分】【1998年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 格子点ならぬ「格子辺」という言葉を定義し、直線や曲線との交点の個数を考察させる問題です。 地道に手を動かしながら要領を掴んでいくタイプの問題であり、記憶や経験に頼る類の問題ではないでしょう。 そういった意味で、実戦的な演習寄りの目的意識で活用してほしい問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 小さい数で実験してみる \((630 \ , \ 5400)\) は数が大きいので、もっと小さい数で要領を掴 ...
二項係数の逆数の和【誘導なし】【2013年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 二項係数の逆数の和を求める問題です。 シグマ計算の基本については以前 テーマ別演習:シグマ計算基本方針 というシリーズで扱っています。 今回は、基本がしっかり身についているということは前提で、手持ちの武器の中で何をどう選び活用していくかという運用力を試すという目的で実践演習で扱います。 なお、原題は誘導がありましたが、方針も含めて考えるという意味で誘導は外しました。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 今 ...
漸化式の視覚化【視覚的な意味と操作の意味を考える】【2015年度 京都大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\displaystyle \frac{1}{2}\) からスタートし、2種類の関数を用いて次々と値を出して数列を作っていくという操作について考えます。 京大らしく、シンプルな問題ですが簡単ではありません。 これまた京大の特徴の一つである「誘導がない」形式での出題なので、構想から自分で組み立てる必要があります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む この数列の振る舞いをどう捉えるか 簡単な実験をしてみて ...
2の累乗の最高位の数【2004年度 早稲田大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2 の累乗に関して最高位の数について考察する問題です。 桁数問題と併せて最高位の数についても問われることが多いのですが、今回は2の累乗にスポットを当てて考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 桁数や最高位の数を求める基本 例えば、 \(3^{2021}\) の桁数を求めよ。 ただし、\(\log_{10} 3=0.4771\) とする。 という問題があったとします。 これについては、色々な書き ...
放物線と円の共有点の個数【方程式の解の意味】【2015年度 大阪市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と円の共有点の個数について直球で訊いている問題です。 放物線と円の共有点については結構ウルサイので、場当たり的になってしまうことも多いかと思います。 直感的に処理できる部分や、式に教えてもらう部分が混在するところもあるため、一つずつ丁寧に整理していきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 共有点を考察するにあたって \(x^{2}+y^{2}=1\) と \(y=ax^{2}+b\) を連立 ...
解の配置問題【左辺と右辺の組み換え】【2003年度 大阪市立大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2次方程式の解に関して注文が入る「解の配置問題」と呼ばれる問題です。 その中でも今回扱うのは 「少なくとも1つ」 というタイプです。 このタイプは手際が悪いとグチャグチャになる可能性が高いので、整理しながら集中して処理する必要があります。 王道的な態度に加え、こういう切り口から考えるのはどうだろうかという提案も込めて複数解法を紹介します。 とは言え、一度は自分の頭で考えて苦労しないと、工夫のありがたみ的な部分が薄れると思います。 自分で整理す ...
従属n変数関数の最小【エントロピー】【2016年度 お茶の水女子大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一般に、\(x_{1}+x_{2}+\cdots+x_{n}=a\) という従属な関係式をもつ正の \(n\) 変数 \(x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) , \(x_{n}\) に対して \(x_{1}\log{x_{1}}+x_{2}\log{x_{2}}+\cdots+x_{n}\log{x_{n}}\) の最小値を考える問題です。 例題では、2変数、3変数という具体的なバージョンで考えてみてくださ ...