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(1) は \(f(x)=x-\tan{x}\) ( \(-\displaystyle \frac{\pi}{2} \lt x \lt \displaystyle \frac{\pi}{2}\) ) と設定し、微分すれば \(f(x)\) が単調減少であることが即座に分かります。
あとは任意の実数 \(a\) に対して \(y=f(x)\) のグラフと \(y=a\) が 1 点のみで共有点をもつことが言えればよく、この \(y=f(x)\) の値域が実数全体であることについて言及すればよいでしょう。
(2) は要するに複接線が引けるための必要十分条件について考えなさいという問題です。
補足
一本の接線に対して接点が複数個あるような接線のことを複接線と言います。
何もイメージを持たないまま解き進めるのは気持ち悪いので、ある程度の図はかいてみるべきでしょう。
ぐらいの図をもとに立式していけばよいと思います。
結局 \(x-\tan{x}=n\pi\) という方程式の解 \(x=x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) に対して
「複接線が引ける」 ならば 「\(t=x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) のいずれか」
「\(t=x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) のいずれか」ならば「複接線が引ける」
という 2 方向について証明しなさいということです。
そこで、まずは複接線が引けるということが数式的にはどういうことなのかについて考えますが、上の図において
\((t \ , \ \sin{t})\) における接線と\((u \ , \ \sin{u})\) における接線が一致している
と考えればよく、これ自体は多かれ少なかれ経験したことのある処理内容だと思います。
(複接線というより、共通接線の処理として目にしたことが多いかなと思います。)
この山場を越え、必要性、十分性の両方向についての議論をすればよいことが理解できていれば、あとは三角関数の運用です。
中身自体は計算の負担も少なく、標準だと思いましたが、議論すべきことを見失わない全体像を把握する力や、数式上何が言えればよいかを的確に表現する力など、公式を運用するのでいっぱいいっぱいな人にとっては厳しい内容が問われているとは思います。