定積分と不等式評価 第3講【ライプニッツ級数】【項別積分】【2006年度 名古屋市立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 前問に引き続き、ライプニッツ級数を題材とした定積分と不等式評価についての問題を見てみます。 このシリーズの一覧はこちら 今回は \(\tan{ \ }\) の逆関数を用いた誘導が付いた問題です。 (1) はイロハのイですが、今回は【総括】の中で \(x=\tan{\theta}\) の置き換えで上手くいくバックボーンについて触れておきました。 (2) においては「体の一部を定数化」です。 その際には、 ...
定積分と不等式評価 第2講【ライプニッツ級数】【2012年度 琉球大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回は \(\tan{ \ }\) に関する定積分を扱います。 積分漸化式の作成については「部分積分」というのが常套手段なのですが、\(\tan{ \ }\) に関する定積分については例外です。 今回の問われ方は「\(I_{n}+I_{n+2}\) を求めよ。」であり、これはかなり親切です。 「\(I_{n+2}\) を \(I_{n}\) と \(n\) を用いて表せ。」であれば正答率はもっと下がると思います。 その場合の対処 ...
定積分と不等式評価 第1講【定積分の評価方法】【2001年度 大分医科大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 多くの人が苦手とする話題である「定積分と不等式評価」という話題です。 特に現役生の勝負のカギは数Ⅲの完成度にあると言っても過言ではないのですが、結局この分野を苦手としたまま当日をむかえてしまうことになる受験生は沢山いるでしょう。 そんな受験生たちに差をつけましょう。 このシリーズの一覧はこちら 不等式評価には絶対的な正解がありません。 例えば \(1 \lt □\) の □ に何を入れるかと言われたら人によるところ ...
内積と面積【巡回性をもった形】【ベクトルの式変形の勘所】【1985年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巡回性をもったキレイな設定で、最後の面積を与える式もキレイな形をしています。 パッと見て思わず解いてみたくなる問題です。 結果よりも、本問を通じてベクトルの式変形の勘所や、内積の取り扱い方の勘所を得てほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) は \(a=0\) または \(b=0\) または \(c=0\) のときを考えます。 ...
ポンスレの閉形定理【放物線上の3点によってできる三角形の内接円】【1988年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題を読んでみると、「えっ、マジ?」と言いたくなる結果です。 まぁそれもそのはずで、「ポンスレの閉形定理」というものが背景にあります。 ポンスレの閉形定理 2つの2次曲線 \(C_{0}\) , \(C_{1}\) , \(3\) 以上の自然数 \(n\) について \(C_{1}\) 上のある点を1つの頂点として \(C_{0}\) に外接し , \(C_{1}\) に内接する \(n\) 角形が1つでも存在 ...
面積の等分に関する立式【区分求積法についての良問】【2001年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 面積の等分に関する条件をいかに立式するかを考える問題です。 雑味が少なく、ポイントが多すぎないこと まんま公式を当てはめるだけの問題ではなく、ある程度実践レベルであること という意味で、指導者側が教材に使いたい要素満載です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 状況を図示すると のようになります。 注意したいのは 幅を等分しているわけではない ということです。 最終的な和を扱う ...
コーシー・シュワルツの不等式の証明【示すべき形から方針を決定する】【2011年度 大分大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) コーシー・シュワルツの不等式と呼ばれる有名不等式です。 今は範囲外ですが、行列という分野の中で「ケーリー・ハミルトンの定理」というものがあります。 参考書によっては「ハミルトン・ケーリーの定理」などとも呼ばれており、呼び方論争もあります。 コーシーシュワルツの不等式はシュワルツ・コーシーの不等式とは呼ばれません。 なぜでしょうか? 品川庄司を庄司品川と呼ばないのと同じ理由だと思います。 さて、どうでもいい話はここま ...
円柱と円錐の共通部分の体積【見づらい立体への対応】【2003年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円柱と円錐の共通部分の体積についての問題です。 東大は昔から立体図形を扱った体積に関する出題が目立ちます。 東大に限らず、難関大において定期的に体積に関する出題が見られることも考えると、できるだけ多く経験値を積んでおきたいところです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 体積を求めるためには断面積を把握することになります。 全体像がよくわからない中で、どのように断面積を把握して ...
事象の噛み砕き【方針決定】【対称性の活用】【1995年度 北海道大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ランダムウォークという種類の問題で、本問は言ってみたら \(x=2\) というカーペットの上を通過する確率です。 結局「具体的に何が起こればよいのか」と噛み砕く力や、それを的確に表現する力が必要になります。 確率を勉強するにあたり、本当に磨かなければならないのはこういった根本的な部分です。 本来場合の数・確率の分野は目の前の事象を分析し、何が起こればよいのかを見抜く「その場力」が求められる分野です。 それに対して \(n\) 個 ...
カルダノの公式【汚く見える数の正体が整数】【3次方程式の解の公式】【2009年度 東北大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 一見複雑に見える数が、実はシンプルな数でした、ということを示す問題で、背景には3次方程式の解の公式(カルダノの公式)があります。 本問以外にも類題は多数あり、経験済みという方も多いかもしれません。 大抵誘導が付いていますから、その誘導の流れをきちんと汲み取ることができれば、背景を知らなくとも問題を解くこと自体はそこまで難しくないと思います。 (1) においては \(x^3\) を計算することになると思 ...