問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
3文字の基本対称式の値から、4乗和と5乗和という対称式の値を導出するという内容です。
なめてかかると、5乗和の方で「ん?」となるかもしれません。
確かな力があればそのまま押し切ることもできますし、エスケープしてリカバリーすることもできます。
様々な解法があるため、色々考えてみてほしいと思います。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 解と係数の関係から $$\begin{eqnarray} と、基本対称式の値が得られます。 これを引っ提げて立ち向かっていきます。 目に付きやすいのは \({\alpha}^{4}+{\beta}^{4}+{\gamma}^{4}\) の方は \({\alpha}^{5}+{\beta}^{5}+{\gamma}^{5}\) については という作戦でしょう。 そのために必要な を計算していきます。 \({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}\) については という恒等式を用いていきます。 解と係数の関係から得られた基本対称式の値を代入すれば \({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}=-2\) という結果を得ます。 \({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}\) については という有名な因数分解公式を用いていけばよいでしょう。 解と係数の関係から得られた基本対称式の値を代入すれば \({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}=2\) が得られます。 と見たくなるでしょう。 そうなってくると \({\alpha}^{2}{\beta}^{2}+{\beta}^{2}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{2}{\alpha}^{2}\) が欲しくなります。 これについては と見ることで得られ、手元にある既出の値を代入すれば \({\alpha}^{2}{\beta}^{2}+{\beta}^{2}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{2}{\alpha}^{2}=-7\) を得ることができます。 これにて、\({\alpha}^{4}+{\beta}^{4}+{\gamma}^{4}\) については解決します。 邪魔なものを取っ払うという作戦で行こうとすると というのが現実的です。 \((\alpha+\beta+\gamma)^{5}\) をベースに考えると、邪魔なものだらけでとてもやろうという気にならないでしょう。 そうなると \(({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3})({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2})={\alpha}^{5}+{\beta}^{5}+{\gamma}^{5}+{\alpha}^{3}{\beta}^{2}+{\alpha}^{3}{\gamma}^{2}+{\beta}^{3}{\alpha}^{2}+{\beta}^{3}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{3}{\alpha}^{2}+{\gamma}^{3}{\beta}^{2}\) ということになり、この邪魔者である \({\alpha}^{3}{\beta}^{2}+{\alpha}^{3}{\gamma}^{2}+{\beta}^{3}{\alpha}^{2}+{\beta}^{3}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{3}{\alpha}^{2}+{\gamma}^{3}{\beta}^{2}\) の取り扱いで頭を悩ませることになるでしょう。 ここからの方向性としては ということが考えられます。 邪魔者除去作戦の決行は【解1】【解2】で扱っています。 邪魔者除去作戦を撤退し、リカバリーをはかる方針については【解3】【解4】【解5】【解6】で扱います。基本対称式の値
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha+\beta+\gamma= 2 \\
\alpha \beta+\beta \gamma+\gamma \alpha= 3\\
\alpha \beta \gamma=4
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$感覚的に
準備
\({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}\) について
\({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}\) について
本番
\({\alpha}^{4}+{\beta}^{4}+{\gamma}^{4}\) について
\({\alpha}^{5}+{\beta}^{5}+{\gamma}^{5}\) について