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\(a \ , \ b \ , \ c\) 自体も素数、\(a-b-8 \ , \ b-c-8\) も素数、と素数祭りです。
整数問題の基本は
整数問題の有力方針
- 積の形から約数の拾い上げ
- 余りで分類
- 評価する(範囲を絞る)
です。
簡単な例を以下に折りたたんでおきますので、確認したい方は以下の「+マーク」をクリック(タップ)して読んでください。
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積の形から約数の拾い上げ
例題:\(x , y\) は自然数とする。\(xy+2x+3y=6\) となる \(x , y\) の値の組を全て求めよ。
解答例
与えられた方程式は \((x+3)(y+2)=12\) と変形できる。
\(x+3 , \ y+2\) はともに自然数なので
\((x+3 , \ y+2)=(1, 12) \ (2 , 6) \ (3 , 4) \ (4 , 3) \ (6 , 2) \ (12 , 1)\)
よって , \((x , \ y)=(-2 , 10) \ (-1 , 4) \ (0 , 2) \ (1 , 1) \ (3 , 0) \ (9 , -1)\)
このうち、\(x , \ y\) がともに自然数である組は
$$(x , \ y)=(1 , \ 1)$$
実際にはもう少し手際よく絞れたりしますが、このように積の形を無理やり作って \(12\) の約数を拾い上げていきます。
整数問題の中でもかなり頻出な考え方です。
余りで分類
例題:\(m\) を整数として、平方数 \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(2\) とならないことを示せ。
解答例
以下 , \(k\) は整数とする。
\(<1> \ \ m=3k\) のとき
\(m^2=9k^2\) で , \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(0\)
\(<2> \ \ m=3k\pm 1\) のとき
\(m^2=9k^2\pm6k+1=3 \ (3k^2\pm2k)+1\) で , \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(1\)
よって、平方数 \(m^2\) を \(3\) で割った余りは \(0\) または \(1\) に限られ、題意は示された。
今回の例題の場合、世の中の整数を \(3\) で割った余りで分類しました。
\(3k\) , \(3k+1\) , \(3k+2\) と分類してもよいのですが、\(3\) で割って \(2\) 余る数というのは
「 \(3\) の倍数から見て \(1\) 足りない数」
ということもできるため、余り \(1\) のときと、余り \(2\) のときを合わせて
\(m=3k\pm 1\) のとき
としてやるという工夫もよくやります。
また、「何で割った余りに注目するか」ということもレベルが高くなってくると大事になってきます。
評価する(範囲を絞る)
例題:\(xyz=x+y+z\) を満たす自然数 \((x , \ y , \ z)\) の組を全て求めよ。
解答例
問題の対称性からひとまず \(x \leq y \leq z\) として考える。
このとき , \(x+y+z \leq z+z+z\) であり , 条件から , \(xyz \leq 3z\)
すなわち , \(xy \leq 3\)
これより , \((x , \ y)=(1 , \ 1) , \ \ (1 , \ 2) , \ \ (1 , \ 3) \)
\(<1> (x , \ y)=(1 , \ 1)\) のとき
与えられた条件式から , \(z=2+z\) でこれを満たす \(z\) は存在しない。
\(<2> (x , \ y)=(1 , \ 2)\) のとき
与えられた条件式から , \(2z=3+z\) で , \(z=3\) を得る。
(これは \(x \leq y \leq z\) を満たす。)
\(<3> (x , \ y)=(1 , \ 3)\) のとき
与えられた条件式から , \(3z=4+z\) で , \(z=2\) を得る。
(これは \(x \leq y \leq z\) を満たさない。)
以上 \(<1>\) , \(<2>\) , \(<3>\) から
\((x , \ y , \ z)=(1 , \ 2 , \ 3)\)
実際には \(x \leq y \leq z\) という制限はないので
\((x , \ y , \ z)=(1 , \ 2 , \ 3) , \ \ (1 , \ 3 , \ 2) , \ \ (2 , \ 1 , \ 3) , \ \ (2 , \ 3 , \ 1) , \ \ (3 , \ 1 , \ 2) , \ \ (3 , \ 2 , \ 1)\)
まず今回の数たちというのはそんなに大きくないだろうことが予測されます。
普通は (積)\( \gt \)(和) にも関わらず、積と和が等しいと言っているのですから。
そして、今回の問題には「対称性」があります。
なので、いったん \(x \leq y \leq z\) という区別をつけて考えることで範囲を絞り込み、\((x , \ y , \ z)\) の組が出てきたら、その大小関係を外して答えとします。
変数が3文字以上になると、このように等式を諦めて不等式をつないでいくことが多くなると思います。
特に対称性がある整数問題ではそれを見落とさないようにしましょう。
さて、本問は積の形を狙えそうにないので「積の形から約数の拾い上げ」というタイプではなさそうです。
素数は「2または奇素数」と分類できることから、偶奇に着目していきます。
\(b-c-8\) が正なので、\(b\) はある程度大きいですし、\(a-b-8\) も正であることから \(a\) もある程度大きくなります。
このことから \(a \ , \ b\) は奇素数であることが分かります。
(数式的にそれを言うこともそれほど大変ではないはずです。)
残る素数 \(c\) が「2なのか奇素数なのか」で場合分けをすることになります。
この後も総合的に実験が欠かせません。
マニュアル的な態度ではなく、「目の前の式から何が言えるのか」を考える力と、観察力・洞察力が求められます。
粘り強く考えてみてください。
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