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第8講では「連立漸化式」を扱います。
連立漸化式の代表的な解法としては2つあります。
連立漸化式の代表的方針
- 1文字消去
- 上手い倍率を見つけて辺々操作
それぞれについて見てみます。
1文字消去路線について
今回の (1) を例にとってみます。
消しやすい第2式に注目すれば、\(a_{n}=b_{n+1}-b_{n}\) と見ることができます。
第1式に代入するために番号を 1 つ上げれば \(a_{n+1}=b_{n+2}-b_{n+1}\) ですから
\(b_{n+2}-b_{n+1}=b_{n+1}-b_{n}+4b_{n}\) , すなわち
$$b_{n+2}-2b_{n+1}-3b_{n}=0$$
と1文字を消去でき、第7講で扱った3項間漸化式に帰着します。
上手い倍率を見つけて辺々操作について
これも (1) を例にとって見てみます。
$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+1} = a_{n}+4b_{n} \cdots ① \\
b_{n+1} = a_{n}+b_{n} \cdots ②
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$
に対して ,
\(①+2\times ②\) より、\(a_{n+1}+2b_{n+1}=3 (a_{n}+2b_{n})\)
\(①-2\times ②\) より、\(a_{n+1}-2b_{n+1}=-(a_{n}-2b_{n})\)
として、等比数列のカタマリが現れて処理できます。
ただし、ここまで読んで色々疑問に思ったこともあると思います。
それについては、解答中の【戦略】の中で解説しています。
思いつきやすい路線としては1文字消去の路線でしょう。
連立方程式などに代表されるように、「条件1つで1文字消去」という言葉もあります。
ノーヒントであったり、問題を解く中で処理しなければならない場面においては確実性のある方針かなと思います。
そのためにも前回扱った3項間漸化式
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については確実にクリアーしている必要があります。