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最大公約数についての数列を考え、和などを考える問題です。
標準的なレベルの問題で、野球で例えるなら135km/h 真ん中ちょい高めのストレートって感じですかね。
要するに長打が狙える打ちごろの球なので、できれば打ち損じることなくはじき返してほしいですが、記述面で書きづらさを感じるかもしれません。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 最大公約数に迫る一つの大きな武器が ユークリッドの互除法 です。 二つの整数 \(K\) , \(L\) の最大公約数を \(G (K \ , \ L)\) と表すことにします。 \(n^{2}+3=(n+1)(n-1)+4\) ですから、 \(G(n^{2}+3 \ , \ n+1)=G(n+1 \ , \ 4)\) が成り立ち、結局は \(d_{n}=G(n+1 \ , \ 4)\) ということになります。 特に \(d_{n}\) が 4 の約数であるということが言えるため、 \(d_{n}\) は \(1\) , \(2\) , \(4\) のいずれかである ということが言えます。 \(d_{n}\) がとり得る値の種類は分かりましたが、どのような規則性で \(1\) , \(2\) , \(4\) が現れるのかについては実験してみないと分かりません。 実験してみると となり、ここから 数列 \(\{d_{n}\}\) は \(2\) , \(1\) , \(4\) , \(1\) の繰り返しである ということが予想できます。 ひとまず、この周期性を認めれば \(\displaystyle \sum_{n=1}^{610}d_{n}=\displaystyle \sum_{m=1}^{152}(d_{4m-3}+d_{4m-2}+d_{4m-1}+d_{4m})+d_{609}+d_{610}\) ということになり、解決します。 方針1 \(n\) を \(4\) で割った余りで分類して \(d_{4m-3}\) , \(d_{4m-2}\) , \(d_{4m-1}\) , \(d_{4m}\) をそれぞれ求めてしまう。 方針2 \(d_{n+4}=d_{n}\) を示す。 という2路線あると思います。 特に方針2で進めようとした場合、ユークリッドの互除法についてのしっかりした理解が求められます。 このあたりは【戦略2】の中で触れていますが、説明については少し簡略化してあります。 これについては以下の 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2つの正整数の最大公約数を求めるときに用いられる「ユークリッドの互除法」と呼ばれるアルゴリズムについて、原理と証明を考えてみます。 古典 ... 続きを見る でしっかり述べていますので、【戦略2】を読んで「ん?なんで?」と思った場合、そちらを参考にしてください。 チェザロ平均と呼ばれる初項から第 \(n\) 項までの平均の極限を考える問題です。 これについても2路線の方針が考えられます。 方針1 \(S_{n}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}d_{k}\) とおき \(n\) を \(4\) で割った余りで分類して \(S_{4M}\) , \(S_{4M+1}\) , \(S_{4M+2}\) , \(S_{4M+3}\) をそれぞれ求める。 これは(2) の方針1の延長のような考え方です。 また 方針2 不等号を繋いで(評価して) はさみうちの原理で仕留める ということも考えられます。 \(S_{n}\) をバシッと等号で繋ごうと思うと、\(4\)で割った余りで分類した場合分けが必要になり、それを嫌ったわけです。 ある程度手を動かせば要領は掴みやすいでしょう。 ただ、掴んだ要領を記述、表現、説明する部分で個人差が出やすいと思います。 【解答】は一つの参考例にしてください。(1) について
(2) について
周期性の証明について
参考ユークリッドの互除法【原理の証明とイメージ】【2005年度 広島市立大学】
(3) について
まとめ