問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
放物線の交点によってできる四角形の対角線の方程式を求めるという問題です。
まともにカチ合うと茨の道であることは目に見えると思います。
テーマ的には
交点を通る図形の方程式
というテーマです。
よくあるのは
円と円の交点を通る円または直線
について扱った問題で、単元学習時点ではクセの強さゆえ、中々自分のものにするのが大変なトピックスだったと思います。
本問はそのような基本問題をしっかりと自分のものにしているという前提で、その考えを使いこなす応用的な話題です。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む
(1) について
直接交点を出して、それを通る円の方程式を求めるという直接的な路線は茨の道です。
この交点に触れることなく、交点を通る図形の方程式を表現する以下の考え方に習熟している必要があります。
交点を通る図形の方程式
2曲線 \(f(x \ , \ y)=0\) , \(g(x \ , \ y)=0\) の交点を通る図形が表す方程式は
\(f(x \ , \ y)+kg(x \ , \ y)=0\)
と表せる。
今回は
\(x^{2}-2y-2a=0\) , \(y^{2}-2x-a=0\)
という2つの放物線の交点を通る図形を表したいため、
\((x^{2}-2y-2a)+k(y^{2}-2x-a)=0 \ \ \cdots (*)\)
と表します。
このように表した時点で、2つの放物線の交点を通ることは保証されます。
あとは \((*)\) が円という図形を表せばよく、係数的に
\(k=1\)
となります。
(2) について
(1) 同様、やはり交点そのものには直接触れたくはありません。
\(C_{1}\) , \(C_{2}\) が表す図形の方程式をよく観察してみると
\(x\) , \(y\) に関する対称性
が目につきます。
これにより、
ということは予想できるでしょう。
\(C_{1}\) , \(C_{2}\) の交点による四角形の対角線は2本ありますから、残る1本が実質的に問題です。
この残る1本の対角線が表す方程式が
\(y=px+q\)
だとすると、今回求める対角線を表す方程式は
\((y-x)\{y-(px+q)\}=0\)
という形で表せます。
もちろん、この2本の対角線は \(C_{1}\) , \(C_{2}\) の交点を通る図形です。
したがって、交点を通る図形である \((*)\) が
\((y-x)\{y-(px+q)\}=0\)
という形に変形できればよく、そうなるためには \((*)\) の係数的に
\(k=-1\)
とすればよいことになります。
交点を通る図形についての基本的な解説や注意事項については【総括】のあとに確認項目として触れてあります。
解答はコチラ