実践演習 方程式・不等式・関数系

3文字の対称式の値【2003年度 慶應義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

3文字の基本対称式の値から、4乗和と5乗和という対称式の値を導出するという内容です。

なめてかかると、5乗和の方で「ん?」となるかもしれません。

確かな力があればそのまま押し切ることもできますし、エスケープしてリカバリーすることもできます。

様々な解法があるため、色々考えてみてほしいと思います。

(以下ネタバレ注意)

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基本対称式の値

解と係数の関係から

$$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
\alpha+\beta+\gamma= 2 \\
\alpha \beta+\beta \gamma+\gamma \alpha= 3\\
\alpha \beta \gamma=4
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$$

と、基本対称式の値が得られます。

これを引っ提げて立ち向かっていきます。

感覚的に

目に付きやすいのは

\({\alpha}^{4}+{\beta}^{4}+{\gamma}^{4}\) の方は

  • \(({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2})^{2}\) から邪魔なものを取っ払う

\({\alpha}^{5}+{\beta}^{5}+{\gamma}^{5}\) については

  • \(({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3})({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2})\) から邪魔なものを取っ払う

という作戦でしょう。

そのために必要な

  • \({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}\)
  • \({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}\)

を計算していきます。

準備

\({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}\) について

\({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}\) については

  • \((\alpha+\beta+\gamma)^{2}={\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}+2(\alpha \beta+\beta \gamma+\gamma \alpha)\)

という恒等式を用いていきます。

解と係数の関係から得られた基本対称式の値を代入すれば

\({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}=-2\)

という結果を得ます。

\({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}\) について

\({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}\) については

  • \({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}-3\alpha \beta \gamma=(\alpha+\beta+\gamma)({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2}-\alpha \beta+\beta \gamma+\gamma \alpha)\)

という有名な因数分解公式を用いていけばよいでしょう。

解と係数の関係から得られた基本対称式の値を代入すれば

\({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3}=2\)

が得られます。

本番

\({\alpha}^{4}+{\beta}^{4}+{\gamma}^{4}\) について

  • \(({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2})^{2}={\alpha}^{4}+{\beta}^{4}+{\gamma}^{4}+2({\alpha}^{2}{\beta}^{2}+{\beta}^{2}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{2}{\alpha}^{2})\)

と見たくなるでしょう。

そうなってくると

\({\alpha}^{2}{\beta}^{2}+{\beta}^{2}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{2}{\alpha}^{2}\)

が欲しくなります。

これについては

  • \((\alpha \beta+\beta \gamma+\gamma \alpha)^{2}={\alpha}^{2}{\beta}^{2}+{\beta}^{2}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{2}{\alpha}^{2}+2\alpha \beta \gamma(\alpha+\beta+\gamma)\)

と見ることで得られ、手元にある既出の値を代入すれば

\({\alpha}^{2}{\beta}^{2}+{\beta}^{2}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{2}{\alpha}^{2}=-7\)

を得ることができます。

これにて、\({\alpha}^{4}+{\beta}^{4}+{\gamma}^{4}\) については解決します。

\({\alpha}^{5}+{\beta}^{5}+{\gamma}^{5}\) について

邪魔なものを取っ払うという作戦で行こうとすると

  • \(({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3})({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2})\) から邪魔なものを取っ払う

というのが現実的です。

\((\alpha+\beta+\gamma)^{5}\) をベースに考えると、邪魔なものだらけでとてもやろうという気にならないでしょう。

そうなると

\(({\alpha}^{3}+{\beta}^{3}+{\gamma}^{3})({\alpha}^{2}+{\beta}^{2}+{\gamma}^{2})={\alpha}^{5}+{\beta}^{5}+{\gamma}^{5}+{\alpha}^{3}{\beta}^{2}+{\alpha}^{3}{\gamma}^{2}+{\beta}^{3}{\alpha}^{2}+{\beta}^{3}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{3}{\alpha}^{2}+{\gamma}^{3}{\beta}^{2}\)

ということになり、この邪魔者である

\({\alpha}^{3}{\beta}^{2}+{\alpha}^{3}{\gamma}^{2}+{\beta}^{3}{\alpha}^{2}+{\beta}^{3}{\gamma}^{2}+{\gamma}^{3}{\alpha}^{2}+{\gamma}^{3}{\beta}^{2}\)

の取り扱いで頭を悩ませることになるでしょう。

ここからの方向性としては

  • この邪魔者を何とかうまく式変形して捌いていく
  • 邪魔者除去作戦を撤退し、別の手立てを探る

ということが考えられます。

邪魔者除去作戦の決行は【解1】【解2】で扱っています。

邪魔者除去作戦を撤退し、リカバリーをはかる方針については【解3】【解4】【解5】【解6】で扱います。

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