実践演習 数列系

解けない漸化式と不等式証明【1984年度 高考】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

高考(ガオカオ)という中国の入試問題からの問題です。

ある友人に解いてくれと言われ、解いてみたわけですが味付けが日本のものとは異なり、不思議な味わいをもった問題でした。

(1) ,  (2) ,  (3) までは日本の入試問題でもよくあるような問題なのですが、(4) が言葉にできない不思議な気持ちよさがあります。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

漸化式が与えられている状況であり、

数学的帰納法

というのが有力でしょう。

\(n=1\) のとき

\(x_{1}=a\) ですが、条件から \(a \gt 2\) なので、即

\(x_{1} \gt 2\)

と言え、\(n=1\) のときは OK です。

\(n=k\) のとき

\(x_{k} \gt 2\) と仮定します。

このとき、

$$\begin{eqnarray}
x_{n+1}-2 &=& \displaystyle \frac{{x_{k}}^{2}}{2(x_{k}-1)}-2 \\
&=& \displaystyle \frac{(x_{k}-2)^{2}}{2(x_{k}-1)}\\
&\gt& 0
\end{eqnarray}$$

となり、\(n=k+1\) のときも OK です。

(2) について

帰納法を持ち出すまでもなく

$$\begin{eqnarray}
\displaystyle \frac{x_{n+1}}{x_{n}}-1 &=& \displaystyle \frac{x_{n}}{2 (x_{n}-1)}-1 \\
&=& \displaystyle \frac{2-x_{n}}{2(x_{n}-1)}\\
&\lt& 0
\end{eqnarray}$$

と、(1) から即示すことができます。

(3) について

示すべき不等式を

\(x_{n}-2 \leq (\displaystyle \frac{1}{2})^{n-1}\)

という形で見れば

\(x_{n}-2\)

という塊で見たくなると思います。

目指すべきは

\(x_{n+1}-2 \leq \displaystyle \frac{1}{2}(x_{n}-2)\)

という形です。

(4) について

不思議な条件が与えられています。

ただ、底が2であるということは飾りに過ぎず

\(n \geq \log_{\frac{4}{3}}\displaystyle \frac{a}{3}\)

というように、底の変換公式を逆に見てやるのがよいでしょう。

これにより、

\((\displaystyle \frac{4}{3})^{n} \geq \displaystyle \frac{a}{3}\)

となり、

\(a \leq \displaystyle \frac{4^{n}}{3^{n-1}}\)

を得ます。

条件の \(a \gt 3\) も併せて考えると、

\(3 \lt a \leq \displaystyle \frac{4^{n}}{3^{n-1}}\)

ということになります。

示すべきこと

結局示すべきことは

初項 \(a\) が

\(3 \lt a \leq \displaystyle \frac{4^{n}}{3^{n-1}}\)

という範囲に収まっているときは、\(n\) 項先の \(x_{n+1}\) が

\(x_{n+1} \lt 3\)

となる。

ということです。

(2) より単調減少数列ということが分かっているわけです。

  • いつか \(3\) を下回ること
  • それが \(n\) 項先であれば確実であること

ということを示すのが本問の趣旨なわけです。

こうしてみると、当初よく分からなかった条件がほぐせてきたと思います。

何を示せばよいのかが分かったところで、それを証明する手立てを考えるわけですが、最有力候補はやはり

数学的帰納法

でしょう。

この帰納法の仮定をどのように使うのかという点が冒頭申したように「独特な味わい」をもっています。

詳しくは解答 PDF を参考にしていただければいいのですが、見ちゃうとつまらないので、ぜひ自分の手を動かして考えてからご確認ください。

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